なんかふと気になってあれこれ勝手に前提をつくって計算してみました。
結論から言いますとこんな感じ。
「全国のアマオケの年間活動費総額」
全国合計:3,152,160,000円
約32億円、どうです?
僕は意外と小規模だったなーって思いましたねー。
どうやって算出したのか?
さてどうやって計算したのか、それが肝心です。
そもそもきちんとした統計などが存在するわけでもなく…。(もっと調べればあるかもしれませんが)
ということで、参考データもほとんど無いので経験とか推測とかで無理やり前提を置いて作ってみました。
あくまでも目安的な感じとご理解いただけると幸いです。
アマオケの団体数と有効団体数
まずアマオケの数。これは毎度おなじみ?こちらのサイト
アマチュアオーケストラのサイトFreude http://www2s.biglobe.ne.jp/~jim/freude/
から数えました。
こちらのサイトに登録されていたアマオケの数(学生オケを除く)は、
「アマオケ登録数」
東京都:395団体
東京都以外:622団体
全国:1,017団体
(※2012年8月2日時点、アマチュアオーケストラのサイトFreudeよりyuu-komaが自分でカウント)
でした。結構あるんですねー。
もちろんすべてのアマオケがこのサイトに登録されているわけはないでしょうけれど、このサイトの運用実績を考慮すると、そこそこ十分なカバー率であると考えてよいかと思います。
ただし、このうち「ほんとに活動してるの?」って団体もありそうなので、
「勝手な前提1:団体稼働率」
東京都:80%
東京都以外:90%
というものを導入してみました。1,000団体のサイトを全部調べるのはさすがに大変ですし…。
東京都以外の団体稼働率が90%と東京都の80%より高いのは、これまた勝手な推測ですが、地方のオケの場合は東京都比べるとそもそも地域のオケ数自体が少なかったり地方自治体のバックアップなどもあったりするだろうから、都内のオケと比べると一度できると活動が継続しやすいって思ったからです。
この団体稼働率をアマオケ団体数にかけたものを、
「勝手な前提2:有効団体数=アマオケ数×団体稼働率」
東京都:320団体
東京都以外:560団体
全国:880団体
とします。1の位以下は細かいので四捨五入しておきました。ようするに実際に活動してるオケの数ってわけです。
1団体あたり平均団員数
こちらもまたえいやで前提を与えます。
「勝手な前提3:1団体あたり平均団員数」
全国一律で60人
一人あたりの平均年間活動費
おそらく最もコアとなる前提がこちらです。これまた経験からえいやで与えてみます。
「勝手な前提4:一人あたりの平均年間活動費」
東京都
・平均年間団費(定期的に支払う金額) 36,000円
・平均年間演奏会費(演奏会ごとに支払う金額) 30,000円
・合計 66,000円
東京都以外
・平均年間団費(定期的に支払う金額):30,600円
・平均年間演奏会費(演奏会ごとに支払う金額):25,500円
・合計:56,100円
イメージとしては、1回あたりの演奏会費が15,000円くらい、団費が月3,000円くらい。基本演奏会は年2回開催といったところ。
なかには年1回のオケがあったりあるいは3回以上のオケがあったりするかもしれません。ただ、そのあたりを平均して2回にしています。
ひょっとすると平均2回だと多い気もしましたが、そのあたりはざっくり保守的に前述の稼働率(有効団体数)を設定していますので、大きな乖離はないと考えております。
また地方オケの場合は、自治体からの補助金なんかがあってもう少しお金かからないかもしれません。ただ、これについては純粋な市場規模を計算する目的では考慮(控除)は必要ないといえるでしょう。ただ、地方の場合は会場代等にかかるコストは東京よりも低くなると考えられますので、東京における費用の85%で計算することにしました。
1団体あたり年間活動費
上記前提に基づけば、
「1団体あたり平均団員数」×「一人あたりの平均年間活動費」
で求めることができます。
結果はご覧のとおり。
「1団体あたり年間活動費」
東京都:3,966,000円/団体
東京都以外:3,330,000円/団体
全国のアマオケの年間活動費総額
ここまで求まればあとは簡単!
「有効団体数」×「1団体あたりの年間活動費」
で求めることができます。
「アマオケ全体の年間活動費総額」
東京都:320団体×3,960,000円/団体=1,267,200,000円
東京都以外:560団体×2,550,000円/団体=1,884,960,000円
全国合計:3,152,160,000円
どうしてこんな試算を?
きっかけは少し前にこのニュースを耳にしたことですかねー。
東京新聞:債務超過解消へ経営改革 神奈フィル 「公益法人移行」で存続危機:神奈川(TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20120725/CK2012072502000114.html
まあ昨今どの音楽業界も厳しいですし。そんななか当然「マイナー」な部類に入るであろうクラシックも例外ではないはず。
アマオケってそんな厳しいクラシック音楽界を支える一つの原動力になってるって思うんです。実際活動を通して業界にある一定の経済的貢献をしているはずですからね。
そこできちんと経済的なことも議論できることも大事かな、と思ったわけです。
ということで、そのアマオケの活動が、どのくらいの経済規模、市場規模なのか、ちょっと把握してみたくなった。
以上が、こんなblogを書いたきっかけです。
ちなみに先ほどの神奈川フィルの記事によると、最近の事業収入は5億円弱、人件費が3億円弱で債務超過が2億円程とのこと。
東京新聞:債務超過解消へ経営改革 神奈フィル 「公益法人移行」で存続危機:神奈川(TOKYO Web)より
結構おおざっぱな前提での算出とはいえ、とりあえず今回の結論である「32億円」というオーダーはそれなりに参考になるのでは、と思いました。