ドイツと飛び地巡り2015年秋 第7回:スイスの中のドイツ「ビュージンゲン」

ドイツと飛び地巡り2015年秋
ドイツと飛び地巡り2015年秋

訪問日時:2015年10月26日 天気:晴れ

どうせ同じドイツ語圏なのでどっちがどっちだかわかりませんが…。

今回のメインテーマのひとつは「飛び地」

みなさまご存知かとは思いますが、あらためて飛び地について説明いたします。

「飛び地」とは「他国の領土によって本土から隔絶された場所」のことで、具体的には次の2つのタイプがあります。

  1. 周囲のすべてを他国に囲まれた、内陸の飛び地。(例)ナヒチェヴァン、バールレ
  2. 陸上では他国の領土によって隔絶されているが、海などに面している飛び地。(例)カリーニングラード、アラスカ

(出所)吉田一郎、世界飛び地大全 (角川ソフィア文庫)

飛び地が誕生した歴史的背景には領土問題等に関連するものもあるため、一般の旅行者が気軽に訪れることができない場所もありますが、ヨーロッパ(特に西ヨーロッパ)にある飛び地は、基本的に平和ですし、むしろ飛び地であることを売りして観光客を誘致したりしているケースが多かったりします。

実は、9月のイタリア旅行時にも、スイスにあるイタリアの飛び地「カンピョーネ・ディターリア」を訪問してきました。

北イタリア旅行2015年9月 第7回:ベルガモ、飛び地カンピョーネ・ディターリア、コモ湖 | my lifelog yuu-koma.jp https://www.yuu-koma.jp/?p=9484

こちらはスイスの南側エリアにある飛び地でした。

スイスの中のドイツ「ビュージンゲン」

今回の旅行では、そんな西ヨーロッパの飛び地を2ヶ所巡る予定です。その第一弾がこの日訪れた[highlight]「ビュージンゲン Büsingen 」[/highlight]という街です。

位置をGoogle Mapで確認しておきましょう。まずは広域地図から。場所はチューリッヒ北部、ボーデン湖西側のドイツ・スイス国境付近にある街です。国境が入り組んでることがよくわかります。

もう少しズームにしてみるとこのようになっています。スイスとドイツがわかるようにしてみました。グレーのメッシュがかかっていないところがドイツ領となります。確かに飛び地になっていることがわかります。

なぜこのような飛び地になったのかというと、基本的には中世ヨーロッパの封建制の関係で、ざまざまな諸侯の領土がモザイク状になっていたことに由来しています。そんな経緯もあってスイスの中にぽっかりとできてしまったドイツの飛び地「ビュージンゲン」ですが、住民の大半はスイスへの帰属を望んだものの、スイス側がドイツへ渡す代替地を用意することができず、結局そのままドイツ領として存続することになってしまったとのことです。(「世界飛び地大全 (角川ソフィア文庫)」より)

ビュージンゲン、実際にどんな街?

ということで、そんな飛び地を目指してクルマを走らせます。ザンクトガレンからは、一旦高速でシャフハウゼンまで行き、そこから一般道で東に向かうルートで行きました。日没までに到着できるか。

そして、高速をシャフハウゼンを降りてから20分弱で目的地ビュージンゲンに到着しました。

ここが町の入口。スイスを走っていたのですが、ここからはドイツです。一般道で入る場合、ドイツの「ここから街です」的な標識は黄色の素地に街の名前となります。これを見てああここはドイツかと実感しました。

しかし、ドイツとはいえ、ドイツのO2(ミュンヘンで買ったプリペイドSIM)は圏外

とりあえず時間がないので、街の中心に向かい適当なスペースに駐車。いざ観光。といっても一体何があるのか観光できるものがあるのかは一切不明です(笑)。

よくわからないので適当に街を歩いてみると、ああなるほど。スイスとドイツだなあと思う光景がちらほら。例えば電話ボックス。

スイステレコムとドイツテレコムの両方が併設されています。

そして、郵便局を示す表札も。

夜になってしまったので開いてはいませんでしたが、ここに市庁舎があり、そして観光案内所もあるようでした。

この掲示板を見るといろいろ見どころがありそうにも見えるが本当かな??

ところが、意外や意外、さらに街を散策してみると、思った以上に風情があってびっくり。確かに見どころはほとんどなさそうなのですが、このビュージンゲン、ライン川沿いに静かに佇む、とても素敵な街であることに気が付きました。

そして、数件しかありませんが、いくつか観光客用のホテルもあって、それらがまたなかなか素敵だったりしました。

うわあー、ここ、ゆっくりする価値大いにあるかもー!

しかしもうホテルは予約済みなのでキャンセルはできない。しかももう夕方6時をすぎている。秋も深まるドイツ。見知らぬ地での夜ドライブは避けたいもの。

ということで、少々残念でしたがわずか滞在時間15分ほどで街を早々に立ち去ることにしました。ここはあらためてゆっくり来ることにしたいと思います。

カーナビを頼りに本日の宿泊地へ

この日の宿泊地は、50分ほど東に行ったコンスタンツというドイツの街の中央広場にホテルを取ってありました。そこへ向かうのですが、前述のように電波が入りません。Googleマップナビが使えません。

しかし、幸いな事に今回のクルマにはカーナビがついていました。これをなんとか使いこなして、目的地コンスタンツへと向かうことができました。

実は、ビュージンゲンを出てから割りとすぐにO2が入るようなりGoogleマップナビが仕えるようになりましたが、せっかくなのでこのままクルマのカーナビをコンスタンツまで使うことにしました。

コンスタンツ郊外は渋滞がきつかったですが、このナビのおかげで特に迷うことなくコンスタンツの街へ到着。ホテルも迷うことなく発見。さらにホテル前にもよい駐車スペースがあり(もっとも駐車場スペースのあるなしをGoogleマップでも確認済みの上ホテルを選んでいます)、無事に午後8時前にホテルにチェックインすることができました。

一休みしてからレストラン探しです。お腹が空きました。(続く)

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