訪問日時:2016年4月30日、午後1時頃
この旅で最も「楽しかった!」世界遺産かもしれない。
スペイン・バスクへ
これまでフランス・スペインの数多くの地域を訪問していますが、意外?にも魅力満載のバスク地方、スペイン側のバスク地方に訪問したことはありませんでした。厳密に言えば足を踏み入れた程度であれば、5年前に行っていたフランスの最も美しい村巡りの際に、少しだけあるのですが。
ということで、今回のスペイン旅行の目的のひとつはこのバスクへの訪問でした。
まずブルゴスから高速でビルバオ方向へと向かいバスク地方入り。地図で見るとそれほど遠くには感じないのですが、バスク地方とその南隣のリオハ・ナヴァラとの堺は山脈になっており、この峠を超えないとバスク入りできません。高速で突っ走ることができる峠ですが、思った以上に険しかったです。
国境というのはこうした地理によって自然に決まるのかとあらためて実感しました。
19世紀末に造られた世界遺産
バスク地方の堺付近の山あたりでは大雨でしたが、この国境を超え無事にバスク県に入ると天候は回復。まずはじめに向かったのは、ビルバオ郊外にある「ビスカヤ橋」です。
ネルビオン川にかかる世界最古の「運搬橋」で作られたのは19世紀末のこと。世界遺産というとローマ時代、中世の頃から残るものという印象が強いですが、これは19世紀末に造られたものなので、他の世界遺産と比べると少しめずらしい部類だといえるでしょう。
ただしビルバオから距離があります。ビルバオは車以外だとアクセスはしずらいかと思います。ビルバオはこの川を遡ってもう少し内陸に行ったところにあるからです。距離にして10数キロといったところでしょうか。
では、クルマでは楽か、というと案外そうでもなかったです。それは駐車場がまったくないからです。
どうにかして路上駐車ができました、それもあまり橋から離れいないところに。運が良かったにつきます。この写真ではよく見えませんが、下の方のぎゅうぎゅう詰めになっているこんなところに停めて観光開始です。
運搬橋は今も使われています
早速橋を見渡せるエリアへGo。
ご覧のような景観となります。大きさはなかなかのものです。近づくと迫力あります。
とはいえ、見た目はただの近代的な鉄橋としか思えず、どうしてこれが世界遺産なのかさっぱりわかりません。
ところで「運搬橋」とはなんなのだろうか。この橋の全体像を見てもなかなか気が付かなったのですが、その橋のふもとにきて即座に理解できました!
言葉で説明するより、画像と動画で見るとよりわかるかと思います。
こうしたゴンドラを橋の上から吊り下げることで、人やクルマを川の対岸からもう一方の対岸まで運ぶ、という仕組みだったんですね。このようにすることで、巨大な橋を作らずかつ海上交通の妨げになることなく橋がかけられる、これが「運搬橋」の仕組みなのです。そして、ここにあるビスカヤ橋がこの仕組みで稼働する橋として世界最古のものだそうで、それがゆえに世界遺産に認定された、というわけなのです。
さらに、今も現役というのがすごいですよね。ここでチケットを買って、渡るようです。
日本のような交通量ではちょっと考えられな仕組みですね。
なんと橋の上に登れます
さてさてこの橋ですが、実は上に登って歩くことができます。上に登るエレベーターがあるのが下の写真でおわかりでしょうか。橋の上は基本的に観光用として開放されています。観光専用ということで、上をわたって向こう側にはいけません。
橋への入場券は橋の下にあるおみやげ屋さんで買うことができました。
そして、エレベータへ橋の上へ。
結構高い…、高所恐怖症の人はゼッタイに無理と思いますので、やめておいたほうが無難です。
橋の上は爽快そのもの、ただし、まだこの天気で4月終わりだとしても結構風も強いせいか肌寒かったです。上着は必要した。
橋の高さは50メートル、まわりには大きな建物はないため、この橋からは遠くの山々、海を十分に見渡すことができました。
とても高いこともあるのか監視員さんがいる、っと思ったらマネキンでした。
ちなみにこの橋を設計したのはあのエッフェル塔をデザインしたエッフェルさんのお弟子さんなのだとか。そしてこのプレートにはホワン・ホセという人がスペイン内戦で破壊されてしまったこの橋を再建したのだと書いてあります。
橋の上からのゴンドラです。
対岸まで行きまだ戻る、1往復して観光は終了。再びエレベータを降りて地上へ。
いままで見たこともないユニークな仕組み、そして橋の上からの美しい眺め。素晴らしい、そしてなんといってもとっても楽しい世界遺産でした。(続く)