2016年GW スペインの旅 No.8:世界遺産巡り No.4 「バル・デ・ボイのカタルーニャ・ロマネスク様式教会群」

スペイン・バスクの旅2016年GW
スペイン・バスクの旅2016年GW

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中世と現代の芸術の見事なコラボレーション!

訪問日時:2016年4月26日午後3時頃

3時間かけてフランス国境沿いに有るピレネーの奥深くのバル渓谷へ

前日の美しい村巡りから一転この日は世界遺産巡りが続きます。午前中はカタルーニャ地方あるシトー会派の修道院「ポブレー修道」へ。その観光を終えてから向かったのは、「ボイ渓谷(バル・デ・ボイ、Vall de Boí)」というところにある「タウル(Taüll)」という小さな村です。地図だとこのあたり。

思ったよりも道路状況は良かったとはいえ、かなりピレネー地区の山の中をすすむ必要がありました。途中ゆっくり休憩できるところもなく、結局ポブレー付近で給油してからはほぼノンストップでタウルまできました。到着したのは午後3時過ぎ。

初期カタルーニャ・ロマネスク様式の教会が点在するエリア

なぜこんな辺鄙な村を訪れたのか?美しい村だから?違います。この辺り一帯には小さな初期の「カタルーニャ・ロマネスク様式」の教会が点在していて、独特のキリスト教の文化を形成したことで世界遺産に認定されているからです。

その中でも保存状態がよさから最も有名なのが、このタウルというところにある「サント・クリメント教会」。

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このタウルまでたどり着くまでに幾つかカタルーニャ・ロマネスク様式の教会が残る街があるようでしたが、それらには立ち寄らずまずはダイレクトにタウルに向かいました。(以下の写真はタウルから帰る際に撮影したもの)

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ちなみにタウル、スキーリゾートとしても有名だとか。村に到着、確かにスキーリゾートのような雰囲気、冬になるとこうしたロッジはスキー客で賑わうのでしょうか。

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教会が開くまで待機

さて、早速そのサント・クリメント教会を見学、と行きたかったのですが、到着したのは午後3時過ぎ、4時までシエスタ、ということでしばらく待機。

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幸い教会の目の前にカフェレストランがあったので、そこでくつろぎながら時間が経つのを待ちました。

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小さな塔からのながめ

そしてカフェで待つこと1時間弱。ようやく午後4時。教会の観光も再開ということで、早速中にはいることに。入場料を払った直後、係のおばちゃんがビデオがなんとかとか言っていましたが、とりあえず先ほど外から確認できた特徴的な教会の塔の上に登ってみました。まだ誰も来ないので眺めを独り占め!

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フレスコ画のプロジェクションマッピング!

塔満喫後は、再び聖堂に戻り内部をしばし鑑賞。特に古いフレスコ画を中心に。

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確かにこのようなタッチのフレスコ画はあまり中世のカトリックの教会では見かけないタイプだと思います。ギリシャ正教的といいますが、初期の頃の雰囲気を感じます。

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そしてもう十分か、さあ帰るか、と思ったその時、突如教会内が真っ暗になり映像が流れ始めたのです。そういえばチケットを買った時、係のおばちゃんがひたすら「ビデオを見ていってね」と言ってたのですが、なんとそれは[highlight]プロジェクションマッピングで1,000年前のフレスコ画を再現する[/highlight]、ということだったのです!

中世と現代の芸術の見事なコラボレーション!こういう考え方があったか、不意を打たれたようでした。それにしても美しい。

そしてこれが1,000年前のフレスコ画と現代の技術「プロジェクションマッピング」が融合した完成形。

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まさかの演出に度肝を抜かれ、そして非常に感動、そしてとても興奮しました。このようなピレネーの山奥でこうした技術を用いて、当時を再現するという発想、一体どうやって着想したのかが気になるところです。素晴らしい村おこしなのではないでしょうか。

正直なところ、世界遺産とはいえ、わざわざ3時間以上もかけて、こうした辺鄙な村に来る価値はあるのだろうか、という葛藤を抱えながら、ここまで来たわけですが、そんな葛藤に打ち勝って来て大正解だったと、このプロジェクションマッピングを見て本当に思うことができました。

さて、まだ夕暮れまでには十分に時間がある。この後は再びスペインの最も美しい村めぐりに戻ります。(続く)

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