訪問日時:2017年4月27日、午後4時ころ
コインブラの郊外、南西に20kmに位置するところに、ポルトガル内で最も大きなローマ帝国時代の遺跡があります。その名は「コニンブリガ」。
遺跡好きな僕としては必見ポイント!
この地がローマ帝国の街として栄えたのは、共和国時代の紀元前139年のこと。それ以降、イベリア半島で最も西に位置する拠点として栄えてきました。しかし、紀元4世紀になってゲルマン民族の侵略によって、住民はその地を追われ、彼らはその後現在のコインブラまで逃れ、それからコインブラが発達したと言われています。
そう聞くとコインブラとコニンブリガ、そんなに遠くないじゃん!と思ってしまいますがそれは現代人の感覚なのでしょうね。そういえばコインブラは小高い丘にある街、そして川に囲まれていますから、防衛的な観点からすれば妥当な地理だったと言えるのでしょう。
ちなみにイベリア半島西部には、ここコニンブリガ以外にも、エヴォラ、メリダといったローマ帝国時代の主要都市がありました。この2つは世界遺産にも選ばれていてこの2017年の旅行で訪れています。(時系列的にはコニンブリガの後に訪れています。)すでに当ブログでも紹介していますのでよろしければお読みください。
さて、通常であればコインブラから訪れたほうがよいのですが、僕の場合はいい感じで旅行ルートをアレンジできなかったこともあり、一旦コインブラから北へ1時間、アズレージョが美しい街アヴェイロを訪問(前回の投稿)、そこからほとんど同じ道を戻る形でおよそ1時間30分かけてコニンブリガ遺跡へと向かいました。到着したのは午後4時前、まだまだ十分明るいのですが、人はあまりいませんでした。しかし見学は問題なくできました。この日の天気はずっと快晴でしたが、実はコインブラもそうだったように、思った以上に肌寒い印象でした。内陸側と比べると西の海側は涼しいのでしょうか。
駐車場は十分広いので特に駐車で困ることはなかったです。クルマを停めてからまず左手にある建物でチケットを購入。その後、駐車場から見て右手に広がる遺跡内へと入っていきました。
コニンブリガ、広く住居区画跡などがはっきり残っています。それも実際生で見るとかなりの規模であることに驚かされます。
しかし、他のローマ時代の遺跡(例えば、スペインのメリダや地中海を挟んで向かい側にあるモロッコのヴォルビリス)とは異なって、大きな神殿跡や劇場跡などが残っていないため、やや地味というか、ダイナミックさに欠けるかなあ、という印象を受けました。このあたりが世界遺産に選ばれなかった所以なのかもしれませんね。
でもあらためて写真を見る限り、なかなか迫力あったかもしれないって思えてきました。
確かに、ポンペイ、前述のヴォルビリスでよく見られるような鮮やかな石を用いて作成されたモザイクに彩られた床跡(2世紀3世紀頃のものだそうです)が多くみられたり、街を取り囲んでいたとされる巨大な城壁の跡(こちらも3世紀末頃のもの)があったしますので、それだけでも十分に古代を感じさせるロマンチックな雰囲気を抱くことができたと思っています。
いずれにしても遺跡としてはとても貴重で立派であることにはかわりないです。
なお、同施設内には博物館も隣接しており、そちらもあわせて見ることができます。
チケットはこの博物館楝で買います。一通り遺跡を見た後はこちらの博物館を見学。貴重な発掘品や先程遺跡内でも一部見られたモザイクの床など展示を見ることができました。
一応コインブラからバスなどで行けるようですが、そうはいっても行きづらい場所。クルマがないとなかなかオススメはできませんが、古代ローマ好き、歴史好きならば十分に訪れる価値のある遺跡だと思います。(続く)