訪問日時:2017年9月13日、14日
いくつもの偶然が重なって、まったく電車に乗っていないのにもかかわらず、気がついたら大満喫の世界遺産観光ができました。
偶然その1:アルブラ線、サンモリッツへ向かう途中にあの石橋に出会う
僕の旅行は運転好きというのもあるので、おおかたレンタカーの旅ですが、スイスを走っていると比較的高頻度で電車の方がいいかもと思うことが多いです。スイスの鉄道といえば、
1. 景色がいい(クルマより見晴らしが良いところを走る)
2. 険しい峠も楽々通過(時間かかるけど)
の2項目が真っ先に思いつきます。デメリットは「値段が高い」ですかね。
さてスイスで登録されているユネスコ世界遺産の中で鉄道に関するものがあります。「レーティシュ鉄道」です。(美しい村ポスキアーヴォでゲットしたパンフレットより)
基本クルマの旅なので電車に乗るというインセンティブはなかなかありません。とはいえ世界遺産です。なにかしらの方法で体験したい。そこでまず思いつくのがこの石橋「ラントヴァッサー橋」。きっと写真などで見たことがある人も多いかもしれません。
レーティシュ鉄道のこの最も有名な石橋の場所はぜひとも近くで見てみたい。ということで、出発前にGoogleマップのストリートビューを駆使して詳細な場所、一番有名な石橋の場所を特定しておき、お気に入りの☆印をつけておきました。その場所までたどり着くには舗装されていないわずかクルマが1台しか通れない藪に追われた道を進む必要があることも確認、しかし、これまでの経験を踏まえて問題なく進めるだろうと考えていました。
Googleマップ載せておきます。マークが付いているところに駐車スペースがあってここから歩いても10分程度の距離なのですが、マーカーから橋(Landwasserviaduct)までうっすら見える北に伸びる道はクルマで進めない道ではない、ということを確かめたということです。
とはいっても、この旅行のメインの目的はあくまでもスイスの最も美しい村巡りだったので、もし近くに立ち寄れば行ってみてもよいか、くらいのわりと低めの優先度。
さらに、この日一通りのドイツ語圏の美しい村巡りを終え、次の日の宿をイタリア語圏に移動したところで取ることにしていつものようにBooking.comで検索、結果、サンモリッツから少し離れたポントレジーナという街に決定。実はここはベルニナ線の駅がある街。であれば翌日半日くらいここに滞在して電車に乗るという手もある。情報はあまりなかったのですがそこは当日(翌日)現地で調べればよいだろう。ということでわざわざブックマークした石橋を見に行く必要はないだろうと判断し宿へ向けて急ぐことに。
ところが、このドイツ語圏からサンモリッツへ抜ける峠道がなんとまさにレーティッシュ鉄道のルートだったのです!実はポントレジーナまでの道のりをグーグルマップでルート検索を指定していたにもかかわらずはじめは全く気が付きませんでした。
気がついたのは、道を走っていたところ、偶然にもラントヴァッサー橋を発見したからです。もしかしてと思ってどこかで停まって調べてみようと進んでいたところ、道路にある標識から近くにレーティシュ鉄道の駅があることが判明。この日はあとはホテルまで向かうだけだったので比較的時間の余裕があったので、一旦この駅でいろいろ情報収集することにしました。
ちなみに以下は翌日14日にポスキアーヴォで入手した地図。ランドヴァッサー橋付近のイラスト地図。
この駅はフィリシュールといって、大変眺めの良い高台にあったのですが、確かに思った通りこの駅はレーティシュ鉄道の駅であることは分かったものの、正直駅ではあまり有益な情報を得ることができませんでした。
しかし、改めて事前にブックマークしたラントヴァッサー橋の場所はこの駅のすぐ近く、この駅からわずか5分のところ。少し戻ることになりますが、早速向かってみることにしました。
予想通りクルマがなんとか1台通れるくらいの道。舗装はされていません。しかしクルマで行く人はそこそこいるのでしょう。対向車が来たらどうするのか、、とか気にせず進みます。
かなりギリギリのところまで行き、一旦クルマを置き、あとは徒歩で移動。クルマを駐車したところから歩いて2分程度、目的地の石橋の真下までたどり着くことができました。感激です!
このあたりはハイキングコースにもなっていて、何人か歩いてここまで来ている人を見かけました。クルマで轍を走っているときに遭遇しなくてよかったです。
ただ残念なのは、実際にこの石橋を電車が走るところを写真に収めたかったのですが、タイミング悪く見ることができませんでした。ただし、ここにたどり着く前に遠くから電車がこの橋を渡っているところは見ることはできました。
さて運良く目的の石橋も見ることができたわけで、ここからアルブラ峠を超えてサンモリッツへと向かうのですが、途中のルートはほぼアルブラ線に沿った道路を行くことになりました。なんどか線路の横を走ったり、実際にその線路を電車が走っているところを見たり、ランドヴァッサー橋以外の石橋を見たり、大変楽しいドライブとなりました。
偶然その2:美しい村「ポスキアーヴォ」へ向かう道がまさにベルニナ線
レーティッシュ鉄道の偶然はサンモリッツへと向かう13日だけではありませんでした。翌日の14日もでした。
なんと宿泊していたポントレジーナから美しい村の一つである「ポスキアーヴォ」へ向かう道がまさにベルニナ線のハイライト区間でした。
初めは宿泊地のポントレジーナに車を置いて、時間があったら半日くらいかけてこの電車に乗ろう、詳しい乗り方などは駅で調べればいいだろう、程度しか考えていませんでした。結局、長い旅行とはいえども今後のことを考えると日程的に厳しくなりそうだったので、このポントレジーナで半日かけてベルニナ線に乗るという案はやめ、美しい村巡り、つぎなる目的地「ポスキアーヴォ」に向かうことを優先にしたのですが、なんとなんと、ポントレジーナからポスキアーヴォへ向かうには電車もクルマもほとんど同じルートを、ベルニナ峠を通過することになります。
しかし本当に残念だったのは当日ベルニナ峠の天候が良くなかったことです。雨こそ降っていませんでしたが、深い霧で峠付近は何も見えませんでした。運転していてかなり怖いレベル。まあそれでも登りは比較的道が広く走りやすかったので良かったのですが、下りは大きなトラックなどでなかなか先に進めず苦労。途中で抜かせてもらったので、どうにかなりましたがそれでもスリリングなドライブでした。
美しい村ポスキアーヴォについては、以下の記事をご参照ください。ベルニナ線の情報、パンフレットや地図はこの村で入手しました。
一方で、ポスキアーヴォからはティラーノまでの道のりは下り坂でしたが道は比較的穏やかで走りやすかったです。
この途中にもクルクル巻きの有名な石橋「ブルージオ橋」があります。運転中にははっきりと見ることができたのですが、意外とこの辺りの交通量が多く、そして良い写真撮影スポットがなく、さらには駐車スペースもなかなか見つけることができなかったので、残念ながらこの橋の写真を撮ることができませんでした。しかし、写真を見るとすぐ近くに駐車場があったことが判明!ショック!
クルクル巻きの端からイタリア領のティラーノまでは10分程度だったと思います。ティラーノの街は通過しただけでしたが、とても雰囲気の良い街のように感じました。ゆっくりと立ち寄って宿泊しても十分に価値がある街だと思われます。
偶然その3:ベルニナバスのルートも通過
この後、ルガーノ湖畔にある美しい村に向かうため、イタリア領の国道に沿って西へと向かったのですが、実はこのルート、ベルニナバスというものが走っているそうです。ルガーノとティラーノ間を走っているようです。
しかし正直、ベルニナバスのルートは退屈なのかなあと思います。そうでもない?自分で運転しなければ面白いのかな?
いずれにしても美しい村巡り主体の移動中に思わぬ世界遺産観光ができました。でも次こそは電車で、ですかね。