今ウィーンにいます。それは今年の3月に当選したウィーンフィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートを聴くために。
公式サイトの抽選を勝ち取る
新年のイベントとして世界的にも大変有名なこのニューイヤーコンサート。1月1日に開催されるものですが、実は12月30日、そして大晦日の31日にも、1月1日と全く同じプログラムで演奏会が行われます。12月30日の演奏会はプレビューパフォーマンス、12月31日はジルベスターコンサート、そして1月1日はニューイヤーコンサートと呼ばれています。
このコンサート、クラシックファンにとっては世界中で圧倒的な人気を誇るイベントの一つなので、チケットを手に入れるのは至極困難を極めます。ツアーなどを通して手に入れることはできるのですが、とにかくプレミアムが半端ないので、航空券ホテル代が含まれるとはいえ、100万円超えのツアーが普通のようです。
一方、ウィーンフィルの公式サイトから、正規で、独自で入手する場合は、世界中を相手に抽選に勝たなければなりません。
僕は8年くらい連続で申し込み、ようやく今年、プレビューパフォーマンスのチケットを手にしたというわけです。一生の運を使い果たしてしまったか!
前日にウィーンフィルのチケットブースでチケットを受け取る
ウィーンへはモスクワ経由・アエロフロートで向かいました。空の旅はとても順調。寒さが懸念されたウィーンの街も思ったほど寒くなかったです。東京の1月くらいの寒さといったところでしょうか。
到着は28日の夜。この日は空港に1泊、翌日シティエアポートエクスプレス(CAT)でウィーン市内の玄関口の一つミッテ駅へ。12月29日のこの日から市内のアパルトマン(AirBnB)で手配)に泊まることなっていますが、まだチェックインができないので、この駅に荷物を預けようと思いきや、コインロッカーがなかったので、ネット情報に従い、Sバーンで隣駅の Praterstern 駅まで移動。
この駅構内にあったコインロッカーに荷物を預けて、Uバーンでオペラ座やムジークフェラインがある Karlsplatz へ。まずプレビューパフォーマンスのチケットを受け取りにやってきました。
チケットは、ムジークフェライン近くにあるオフィスで受け取るようメールにて支持されていました。オフィスにてスマホで受け取っていたインボイスメールを提示するとすぐにチケットを渡してくれました。これで間違いなく明日行ける!
その後、ムジークフェラインまで行き下見を。明日どんな雰囲気になるのか!
プレビューパフォーマンス当日!
そして30日当日、いよいよ本番の日を迎えました。プレビューパフォーマンスはいわば世界で初めてニューイヤーコンサートの曲目が一般公開される貴重なコンサートとも言えるでしょう。
おめかしをしてアパルトマンを徒歩で出発。アパルトマンはリンク内にありムジークフェラインからも徒歩数分と絶好の位置にとっておきました。アパルトマンを10時10分頃に出発。現地到着は15分頃だったでしょうか。天気は曇りがちでしたが時折青空も見える。そして思ったほど寒くないので安心しました。
まだ開演まで40分近くありましたが会場にはすでに多くの観客が集っており、皆お話ししたり写真撮影をしたりと大にぎわいでした。
いざ中へ。コートなどをクロークに預けます。ムジークフェラインのクロークを使うのは初めてでした。一点あたり1ユーロほどの手数料がかかことを今回初めて知りました。
そして中へ。世界で最も有名なこのホール!ここにもすでに多くのお客さんが!そして皆写真撮影!
そういえばとあるネット情報ではプレビューパフォーマンスではまだ会場内のお花が飾られていない、とあったのですがそんなことはなかったです。安心しました。
我々の席は前から5列目の左側。管楽器は見えないですがファーストヴァイオリン、セカンドヴァイオリン、そして本年の指揮者リッカルド・ムーティがバッチリ見える位置です!
本日のプログラム
プログラムは内部の売り子さんから9.5ユーロで購入できます。もちろん記念のものなので買いました。
ちなみにウィーンフィルの公式サイトにて公開されているプログラムはこちら。
いよいよプレビューパフォーマンス開始
そして11時になりました。一部の団員さんはすでにステージ上にいましたが、11時ジャストになると弦楽器の方が一斉にステージ上に入ってきました。
そしてチューニング。と言っても一瞬で終了。いよいよムーティの登場です。昔からウィーンフィル・ムーティのコンビは大好き、特にモーツァルトの交響曲のアルバムが好きで学生の頃とかよく聴いていました。
コンサートは1月1日のニューイヤーと同じように進行されていきます。まずは前半。ポルカ、ワルツとバランスの良い組み合わせ。ヨハンシュトラウス父の「マリエンワルツ」、そしてヨハンシュトラウス息子の「ポルカ・心うきうき」が大変良かったです。マリエンワルツはファーストヴァイオリンの奏法の豊かさが大変印象的でした。
後半。バランス的は前半の方が聴きやすかったですがポルカもワルツも本場の素晴らしさを体感。感動しました。開始1曲目のスッペの序曲が素晴らしかったです。
ムーティの指揮は全体的に躍動的で、その雰囲気がしっかりと音楽に現れており、それでもってウィーンフィル独自の柔らかく美しい音色でもって迫ってきますから、本当にこの団と指揮者の相性の良さを改めて感じました。
プレビューパフォーマンスならでは?
ところでこのプレビューパフォーマンスは、このプログラムで演奏する一番最初のコンサート、だからなのかはわかりませんでしたが、ムーティが一旦舞台裏に戻るタイミングのうち1、2度ほど間違えていたところがあったようです。
通常のコンサートですと、曲間で一旦舞台裏にはけるわけですが、ニューイヤーコンサートの場合は短い曲を多く演奏するため、数曲続けて演奏します。その関係でどの曲とどの曲で間合いを取るのか、があらかじめ決められているみたいでしたが、そのあたりが少しうまくいっていなかったのかもしれませんね。
もちろん大した影響はないのでコンサート自体に全く支障はありませんでした。
定番のアンコールもありました
アンコールももちろんありました。ドナウとラデッキーの定番はもちろんですが実はその前にもう一曲演奏されました。でも内緒にしておきます。
ドナウ開始前にはこれも恒例の団員全員からの新年の挨拶もありました!まだ新年ではないですけどね笑。
最後のラデッキー行進曲は観客全員で拍手で共演。これもまた定番中の定番。しかしこの拍手の仕方も指揮者によってだいぶ違うんですよね。ムーティは終始観客席の方を向いて指図していました。とても楽しかったです。
そして終焉。時間は14時前でした。気がつけば3時間あまりの長いコンサート、しかしあっと今の夢の時間でした。
それにしても大変美しかった。贅沢かもしれないけれどまた聴きたい!来年以降もまた抽選申し込みを続けたいと決意しました。
さて大晦日、年越しはここウィーンで迎える予定です。どんな新年になるのか大変楽しみです。1日はプラハへ移動、こちらでチェコフィルのニューイヤーコンサートを聴く予定です。