2018年7月ブルガリア・ルーマニア・ブルガリア編その3:世界遺産、ボヤナ教会

2018年7月ブルガリア・ルーマニア
2018年7月ブルガリア・ルーマニア

ソフィア郊外の地味な教会ながらも内部のフレスコ画は見応え充分、大変美しい。いずれも色鮮やかではっきりと残されています。このようなフレスコ画はヨーロッパ諸国でも非常に稀有であることを強く実感、場所こそ地味ながらもブルガリア観光必見スポットであると確信しました。待つこと30分、見学時間わずか10分ながらも非常に充実した時間を過ごすことができました。

7番目に選ばれた世界遺産

世界遺産であるリラ修道院の次に向かったのはソフィアの郊外にあるボヤナ教会。こちらも世界遺産に選ばれています。現在は世界中に1000箇所を有に超える世界遺産が存在していますが、このボヤナ教会は世界遺産としては7番目に選ばれたという大変由緒ある世界遺産です。共産主義時代は国の所有でしたが、民主化された後、この教会が位置している街が購入し現在も管理しているということです。ソフィアから近いということもあり世界中から観光客が訪れる名スポットです。

地球の歩き方にも掲載されています。

ソフィア郊外の住宅街にひっそりと佇む教会

ソフィアから公共交通機関で行くことも十分可能です。タクシーでもそう料金はかからないでしょう。実際、ボヤナ教会付近には数多くのタクシーがとまっていました。我々はレンタカーでした。駐車場は入口付近にある広場へ。世界遺産とはいいながらも周りは普通の住宅地。一応広場にはホテル、レストランなる施設はあったのですがせいぜい2軒程度。

それにしてもここに到着するまで特段、教会はここです的な案内看板は見かけませんでした。Google Mapsナビの指示するがまま向かったわけですが、到着ギリギリまで本当にここに世界遺産があるかどうか不安いっぱいでした。

内部見学はガイドツアーのみ、当日現地手配OKも事前予約がおすすめ

現地でも特段入り口はここだ、という案内はないので教会へ入るまで少々迷いました。それでもロスは5分程度。小さな界隈ですので。

このボヤナ教会は敷地内は無料で入れるのですが正直敷地内は大して見どころはありません。ほんとなにもないです笑。つまり内部を見なければ全く意味がありません。

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このフレスコ画が広がる教会内部には1回あたり限定10人までしかはいることができない有料のガイドツアーにて閲覧可能です。このガイドツアーを教会敷地内に入ってすぐ右側にある受付で購入します。

このガイドツアーはネット等で予約することができるようですね。人数が1回あたり10人と大変限定されているため、そして団体客も多いので、確実に教会を見学するには事前予約してほうがよいのかもしれません。しかしそんなことは全く知らずにとりあえず訪れてみた我々は、その日現地にて当日申し込み。結果、20分程度待たされましたが、無事に見学することができました。ガイドツアーは英語、もちろんブルガリア語もあったことでしょう。いずれにしても英語が通じるのは安心です。そういえばブルガリア旅行中に英語が通じなくて苦労した経験はほとんどなかったです。

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ガイドツアー申し込み時にもらったレシート等に番号など書いてあるみたいでしたが、自分たちが申し込んだグループがいったい何番目でどのタイミングで呼ばれるのかさっぱりわかりませんでした。教会入口には係の方がいるのでとりあえずそのレシートを見せて、あとは呼ばれるまで周辺でひたすら待機。怪しい東洋人は我々だけだったので、順番が来きときに係の方が声をかけてくれました。

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鮮やかで美しいフレスコ画群

高さ1メートルくらいしかない小さな入り口をくぐり内部へ。まず手荷物は入ってすぐのスペースのところに置くよう指示されます。ロッカーとかはないので台にそのまま置く感じなのでセキュリティ的に不安を感じましたが、内部には係員と観光客合わせてせいぜい10人程度、内部も狭くて密閉されているのでまあ大丈夫かなあと。教会内は、フレスコ画保存のため、そして今は夏季のため冷房ガンガンでした。

教会内部の写真NG。ということで、実際どのようなフレスコ画を見たのかは、現地教会のおみやげ屋さんで購入したパンフレット掲載の写真の紹介となります。ちなみにこちらのパンフレット、現地語を含む各ヨーロッパの言語バージョンがありましたが、僕は毎度ながらフランス語勉強のためフランス語版を購入しました。以下の内容はこのパンフレットに基づいて書きますご、いかんせん私のフランス語力は初級レベルですので、時折ガイドブックやネット(Wikipedia )も参考にさせていただきました。Wikipedia は非常に丁寧に書かれていると思いますね。

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教会がはじめて作られたのは9世紀。その後、11世紀、13世紀、19世紀に改修等が行われて現在我々が見る物となったということです。教会の建築自体はさほど際立った特徴があるというわけではありませんが、内部にある数多くのフレスコ画が今でも美しく残っていることがこの教会を世界的に有名にしました。

ここにフレスコ画は最初に描かれたのは11世紀、その後、13世紀、16世紀に上塗りされ修復が繰り返されたそうです。我々が今日見ることができるものは、前述の通り後世に上塗りされているものですが、はっきりと記録が残っている1259年に描かれたフレスコ画が原型になっているとのことです。これらのフレスコ画およそ240作品が狭い教会内にひしめいています。確かに所狭しとフレスコ画が描かれているのですがそんな240もの作品があるような広さには到底思えません。本当に小さなスペースなのにものすごく密度の濃く、そして多くの内容が詰まっています。

内部は写真撮影禁止なのでパンフレット写真にてご紹介

フレスコ画群の第一印象は「青」が鮮やかで美しいということでした。しっかりと光が行き届いているのだけれど深い海の深遠な色合い、そんな感じを受けました。

この教会の修復と内部にフレスコ画を書かせたのは、この時代にこのボヤナの街に移り住んだ貴族のカロヤン(Sebastocrator Kaloyan)という人だそうです。なぜフレスコ画が書かれた年やこうしたスポンサーに関して詳しくすることができるのは、この人が寄贈したということを含む情報含む当時の様子を記録したプレートが教会内部北部の壁に埋め込まれているからです。これもまた大変貴重な歴史的資産です。

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フレスコ画の内容は、新約聖書の各場面や聖人のエピソードにまつわるものと多岐にわたっています。最も古い場所の丸天井(クーポラ)には「全能者ハリストス」(Christ Pantocrator)が、続いて主要な祝日やハリストス受難の場面が描かれています。

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その後は数々の聖人に関する描写が続き、そして聖ニコラの生涯に関するエピソードが多く描かれています。聖ニコラは数多くいる聖人のなかでも特段有名で、聖人という概念を持つキリスト教のすべてで聖人となっているということです。また聖ニコラは海運の守護聖人としても知られています。その聖ニコラの航海・海を題材にした絵も見ることができます。海運以外にも商人、銀行家の守護聖人でもあるようですね。

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こうした聖書や聖人関連以外では、ブルガリア皇帝コンスタンティン1世夫妻、このボヤナ教会フレスコ画のスポンサーであった貴族カロヤン夫妻のフレスコ画がありました。

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いずれも色鮮やかではっきりと残されているフレスコ画はヨーロッパ諸国でも非常に稀有であることを強く実感。場所こそ地味ながらもブルガリア観光必見スポットであると確信しました。待つこと30分、見学時間わずか10分ながらも非常に充実した時間を過ごすことができました。

なお、考古学博物館が近くにあったそうですが時間の関係で訪れることができませんでした。しかしこの博物館はかなり充実した内容だったらしいです。この後、トラキア人の墳墓などブルガリア国内の数多くの歴史遺産を訪れ多くのことを学びました。この時はまだ旅の初日ということもあり知識不足でしたが、もしも一通りブルガリアを回った後にここへ来たならば、間違いなく時間を作ったことでしょう。次に来る機会があったら必ず訪れたいです。

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