訪問日時:8月16日午前11時頃
フランス・ドイツ国境を通過してから向かったのは「マウルブロン修道院」。ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州にあるこの小さな村は、ヨーロッパに残る中世のシトー会修道院の中でも、付属する建造物群も含めた総体が、最もよく保存されている事でも有名。
ユネスコ世界遺産にも認定されています。後述しますが、ここは今回の旅行の中で最も素敵で印象に残った場所でした。また個人的には今まで訪れたヨーロッパの世界遺産の中でも最も訪問してよかったなあと思った場所のひとつでもありました。
フランスのストラスブールからは2時間弱で到着。地理関係は以下のとおりです。
とても小さな街なので手持ちのmichelinの地図で発見するのは一苦労ですが、特に迷うことなくたどり着くことが出来ました。
修道院は街のはずれにあります。小さなまちのメインストリートをくぐり抜けて風情ある城壁に囲まれた修道院側に車を停めて観光を開始。
この狭い小さな城門をくぐると、
そこはまさに中世のまちでした。
まちの真ん中にある広場はとても広いとはいえ、村全体にはせいぜい10件ほどの建物しかありません。観光案内所にある模型をみると一目瞭然です。
先ほどくぐってきた門は左下にあります。よく言い尽くされた表現で恐縮ですが本当にドラクエで出てくるような村そのものです。
さあ、この村の中央奥にあるのが、先程も少し紹介した「マウルブロン修道院」です。
ここは、ヘルマン・ヘッセの自伝的な小説『車輪の下』の舞台としても知られているとか。『車輪の下』では主人公ハンスがマウルブロン修道院に併設されていた神学校に通うが、ヘッセ自身、マウルブロンの神学校に通っていた時期があったということです。(Wikipediaより)
こちらの修道院、とても厳かでありひんやりとしていました。それほど観光客もいませんでしたのとても静かに鑑賞することができました。
写真でみると少々の明るさがありますが、実際には天気の影響もあるでしょうか内部はかなり暗かったです。
神聖さはとても感じましたが、こんなところで修行(勉強)するとなると、正直嫌かもしれません(笑)
ただ、今でこそいろいろな宗教的施設は電気の影響もあり明るかったりするのでしょうけれど、ここはあまり修道院内部に照明などが極めて少なかった(というかほとんど見かけなかった)のではないでしょうか。それがなお一層神聖な雰囲気を醸し出している、そして全体的に強い印象を与えているのではないかと思いました。
修道院内部の中庭から撮影。
このように現代の観光産業のあおりをあまり受けずに、中世の面影をそっくりそのまま残している歴史的宗教的施設はヨーロッパ広しとはいえそうないのではないでしょうか。
車以外の交通手段はまずないといえるこの「マウルブロン」ですが、ドイツのこのエリアに行かれた際には、ぜひ訪問することを強くおすすめしたい、そんな素晴らしいまちでした。
さて次は北上、シュパイアーを目指します。(続く)