この旅最後の記録となります。7月の旅行前にどうにか更新できそうか。※だめでした涙
コー地方とはフランス・ノルマンディにある地方のことを指します。セーヌ川の河口からカレーあたりまで、ドーバー海峡と面するエリアです。現代の名称、行政区ではセーヌ=マリティーム県Seine-Maritimeと言います。地域圏で言えば オート=ノルマンディー地域圏です。
意味的にはセーヌの海側という感じでしょうか、確かにセーヌ側の北側から大西洋かけてのエリアに位置しています。セーヌ川河口にあるル・アーブル、エトルタ、そしてこの県においては最も内陸に位置しますがルーアンなど、観光名所もそこそこある県といえるでしょう。これらの街は2016年に訪れています。
オート=ノルマンディー地域圏、セーヌ=マリティーム県にもフランスの最も美しい村がいくつかあるのですが、沿岸部のコー地方にはこれまでフランスの最も美しい村が一つもなかったために、訪れる機会が少なかったたです。しかし、「Veules-les-Roses(ヴーレ・レ・ローズ)」という村が2017年秋より新規加入されたため、この地方を再び訪れるきっかけが生まれました。
すでに、「Veules-les-Roses(ヴーレ・レ・ローズ)」を含めいくつかの北フランスの村々をご紹介済みですが、今回はそれとはまた別に訪れた、どちらかというとこれまでの村や街と比べると大きめなところをご紹介いたします。
パリ・リヨン駅でレンタカー
朝一番、パリ市内リヨン駅にてクルマをレンタル。リヨン駅でのレンタルは初めてでしたが、SNCFのストライキがある割には、レンタカーカウンターはそれほど混雑していなかったし、駅前の道も意外と渋滞などなかったため、運転し始めとしては比較的借りやすいポジションかもしれません。もっとも少しでも進むとパリの朝のラッシュに巻き込まれましたが。
パリ市内を走るならばラッシュ後がいいのは間違いない。
なおパリ市内からノルマンディー地方へと向かうのは何回も経験済み。リヨン駅から向かうとシャンゼリゼ通りを通る必要があります。何度走ってもここはワクワクします。
Fécamp(フェカン)
コー地方の最初の訪問地はフェカンという街。エトルタから北東に1時間弱の場所に位置しています。
場所はこのあたりです。パリ市内から車で向かいますと、多少の休憩込みでおよそ3時間程度で到着します。
フェカン着は11時頃。天候は快晴ですがノルマンディー地方だしまだ午前中なので気持ち肌寒かったです。長袖必要でした。フェカンはエトルタからおよそ40kmの場所に位置しています。
このコー地方の歴史は意外にも古く、ガリア時代(紀元前1世紀頃)に建てられた遺跡が現在でも点在しているということです。フランク王国時代にはいくつもの修道院が作られたということですが、9世紀頃のヴァイキングの襲来によって略奪されてしまったそうですが、それがかえってこの地域における修道院の重要性を高めるきっかけとなり、その後、クリュニー修道院会らによって、フェカンの地に再び修道院が再建されたそうです。
そういえばノルマンディー地方には古い修道院が多かったように思います。2016年にノルマンディーの印象派フェスティバルに行った際に訪れたジュミエージュなどの立派な修道院跡があるのも納得です。
ノルマンディーといえばフランスですがこのあたりは伝統的にワイン栽培ができないエリアだったこともありワイン造りは今でもあまり行われていないようです。そのかわりにシードルなどが有名ではありますが、このフェカンではブランデーが作られているようでした。醸造はこちらのパレ・ベネディクティーヌ(Palais Bénédictine)で行われているようですが、12時から14時30分まで一旦閉館してしまうとか。北部にもシエスタあるんだね…。
とりあえずランチでも食べてもし時間に余裕があれば訪れることに。ここフェカンでランチですが、レストランは決して多くはないものの、TripAdvisorでおすすめのところを数件閲覧、残念ながら上位にランキングする店3軒ほどはランチタイムに開いていませんでしたが、それらに次ぐよい評価のお店を選びました。やはり土地柄お魚かと。とても美味しかったです。
ランチ後、浜辺を少しだけ散歩。良い天気でしたが人ではさほど多くはなかったように思います。
そして、コー地方の特徴といえばなんといってもこの白い絶壁!です。大人気観光地エトルタでもおなじみですね。
このあたりは印象派画家の題材にもよく使われていたエリアです。
Veules-les-Roses(ヴーレ・レ・ローズ)
フェカンの次に向かったのは昨年秋に新しく美しい村に登録された「Veules-les-Roses(ヴーレ・レ・ローズ)」
ご参考:Veules-les-Roses(ヴーレ・レ・ローズ)- フランスの最も美しい村巡り2018 No.1 -★★★★☆
Dieppe(ディエップ)
2日目のこの日はディエップというセーヌ=マリティーム県を宿泊地にしました。土曜日だったので多くの人で賑わっていましたが、なんというかヨーロッパ的な雰囲気をあまり感じない、観光の見どころも少なそうです。
ちなみにネットレベル(要するにWikipedia斜め読み程度です。)で街の歴史を調べてみたところ、第二次世界大戦中の1942年ディエップの戦い、失敗版ノルマンディ上陸作戦だったようです。そういえば戦争に関するミュージアムが市内にあったような気がします。到着した時間が夕方ころだったこと、また疲れていたこともあったので、全く市内観光をしませんでした。もう何度も言い尽くしておりますが、もう少し余裕ある日程調整と事前調査ができればなあと、少々後悔しております。
この日選んだレストランはよかったです。よさげな食事どころは多そうでした。前菜はなんとあん肝!(Foie de lotte?Mariné)すごく新鮮で美味しかったです。フランス人もあん肝食べるのか。メインは地元子羊を選びました。こちらも素晴らしく美味しかったです。
コー地方の灯台「Le Cap de Nez」
カレー近郊にある灯台「Le Cap de Nez」、ドーバー海峡を挟んですぐ対岸はイギリス。ここはドーバー海峡を監視する灯台としてとても重要視されていたようです。
北海から大西洋側に抜けるための重要な海峡ですからね。第一次世界大戦では2回の大きな戦いがあったようです。ノルマンディー地方は両大戦における主戦場でした。ちなみに昨年公開された映画「ダンケルク」はまさにカレーの隣にある実在の町でドーバー海峡を舞台にした映画です。まだ見ていないのでそのうち見てみたいです。
ところで対岸がすぐイギリスということもありこのあたりはイギリスからの観光客も多いようです。町を歩いていて英語を聞く機会が多かったようにも感じました。
とりわけ面白かったのが、道路に時々「Keep Right」と英語で書かれていたことでした。車に関してはイギリスは日本と同じ左側通行ですからね。よく間違える人がいるのでしょう。本土からカーフェリーでカレーに向かい、このあたりを観光している方も多いのでしょうね。ただ僕が運転中に見た限りでは右ハンドルの車はあまり見かけなかったです。運転中でしたので写真は撮れなかったのが残念でした。まあ運転中の撮影は基本ダメですけど。