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2025年、今年のフランスの最も美しい村巡りは、昨年リストに加わったしたものの地域の関係で訪れることのできなかった村を訪れてきました。昨年リストに加わった村は、コート・ダジュール、オクシタニーといった南側の地域から、アヴェロン、カンタルといったやや中部地方、そしてロワール、ノルマンディーといった中部から北側のエリアと点在していていたので、今年は中部から北側の新しい村を4つ訪れることにしました。
しかし、これらのいずれの地域にはすでにフランスの最も美しい村に選ばれている村がたくさんありますので、せっかくですから過去すでに訪問したなかでも特に印象深かった村を再訪してきました。
今回ご紹介するサン=シルク=ラポピー(Saint-Cirq-Lapopie)もそんなとても印象深い村のひとつ。この村には、私がフランスの最も美しい村巡りを開始した初年の2010年に訪れています。当時から美しい村の中でも特に美しく、人気も高い村として有名でした。
あのときはまだGoogleマップアプリが存在せず、ミシュランの紙の地図と悪戦苦闘しながらのドライブでしたが、このサン=シルク=ラポピーへ向かう道は、四方森に囲まれたとても細い地方道をひたすら進まなければならないというハードなルートだったことをよく覚えています。今回も確かに森の中の細い道を進みましたが、以前訪れたときとは違った方角から来たせいもあるでしょうが、以前ほど道は険しくなかったように思いました。
ということで15年ぶりの訪問でしたが、駐車場の形状、広さが変わり有料に放っていましたが、その場所は以前と変わらず、もちろん村の美しさ、賑わいも15年前と変わっていませんでした。15年前、村へ向かう最後の道を曲ったときに突如現れた村の景色に感動が再び蘇ってきました。
この日は15年前とは違って快晴とまでは言えない天気で、季節も当時は5月と違ったこともあって、やや曇りの蒸し暑い機構でしたが、良い写真はたくさん撮れたと思います。
村の詳しい説明は以下を参考にしてください。
サン=シルク=ラポピー(Saint-Cirq-Lapopie)について
サン=シルク=ラポピーは、フランス南西部オクシタニー地方のロット県に位置する、断崖の上にそびえる中世の村です。ロット川からおよそ100〜150メートルの高さにあり、息をのむような景観で知られています。 この村は「フランスの最も美しい村(Les Plus Beaux Villages de France)」の一つに選ばれており、2012年には「フランス人が最も好きな村(Le Village Préféré des Français)」にも選ばれたことで、観光客が大幅に増加しました。
🏰 見どころと歴史
- 中世の建築と城塞跡 村には12〜16世紀の石造りや木骨造りの家々、石畳の路地、アーケード付きの店、さらに断崖の上には3つの城の遺構が残っています。
- ラ・ポピーの岩と城跡 村の頂にある「ラ・ポピーの岩」からは、ロット渓谷を一望でき、中世の要塞の名残である13世紀の塔などが見られます。
- 宗教的建造物 サン=シルク=エ=サント=ジュリエット教会は、12〜16世紀に建てられたロマネスク=ゴシック様式の教会で、四角い鐘楼やバロック様式の彫像、彫刻などが見どころです。
- 文化遺産 シュルレアリスト詩人アンドレ・ブルトンが「ここ以外にはもう居たくない」と絶賛し、夏の住居としていた場所(現在は「アンドレ・ブルトンの家」として公開)。また、画家アンリ・マルタンもこの村の風景に強くインスピレーションを受けました。
- 美術と博物館 19世紀の邸宅を利用した「リニョー美術館(Musée Rignault)」では、印象派や現代アートの作品が展示されています。
🌿 訪れる人への魅力
- 風情ある街歩き 花で彩られた中世の坂道を歩きながら、石造建築やゴシック風のアーチを楽しめます。工芸品店やギャラリーも多く立ち並びます。
- 自然とアクティビティ 崖の上の遊歩道からロット渓谷を眺めたり、ロット川でのカヌーや遊覧船、水辺のトレッキングも楽しめます。
- 地元の工芸と料理 中世から続く陶器や木工などの工房があり、カスレやケルシー産子羊といった郷土料理、カオールのマルベックワインも堪能できます。
- 巡礼の道 サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼路「ル・ピュイの道(Via Podiensis)」の分岐点にもなっており、巡礼者向けの宿泊施設もあります。
📌 なぜ多くの人に愛されているのか
- 中世の趣が色濃く残る村で、要塞都市から芸術家の隠れ家へと変遷した歴史が感じられる。
- 絶景の断崖ロケーションと、まるで時が止まったかのような静かで美しい街並み。
- 有名な詩人や画家と深い関わりを持つ文化的背景。
- カオールやトゥールーズからもアクセスしやすく、川遊びやハイキングも楽しめる立地。
✅ 訪問のヒント
- ベストシーズン: 春〜初秋がおすすめ。花が咲き、気候も穏やか。夏の週末は混雑することがあるため注意。
- アクセス: 村の下にある駐車場に車を停め、石のアーチ門をくぐって徒歩で村へ。
- ガイドツアー: 観光案内所では、城跡、歴史的建物、教会、詩人の家を巡るガイドツアーを提供しています。
サン=シルク=ラポピーは、断崖に広がる中世の町並み、芸術と文学に彩られた歴史、そしてロット渓谷の大パノラマが楽しめる、まさに「時を超えた美しさ」を体現する村です。