興味を持ったきっかけ
今、時間があるうちに少しずつリサーチしているニュース情報と株式市場の動向に関する調査。事の発端は、自分がだいぶ以前に書いたエントリー:
「アルゴリズム・ストラテジスト」:my lifelog yuu-koma.jp
アルゴリズム・ストラテジストもうだいぶ前からMy YahooとかでRSSリーダーを使っていたけれども、今月から、このRSSリーダーをもう少…
に基づくものです。要するに、これを実現するためには、ニュース情報はテキスト、このテキストを何らかの経済学的・金融的なデータに変換する必要があるのですが、そもそも技術は何らかの形で調査すれば見つかるだろうとは思っていたものの、たとえそうした技術があったとしても正直どう活用するべきか、全く想像ができていませんでした。
ということで、自分自身のクラウド・コンピューティング生活への移行と同時並行的に、あまり義務感を持たずに「ゆるーく」情報整理方法を考えつつ日々インターネット中心の生活してきたのですが、少しずつではありますが、最近になって少しずつ情報整理・管理・発見のノウハウが見えつつあった、そんなタイミングで行われたのが、本日の:
第1回ウェブ学会シンポジウム
http://web-gakkai.org/
でした。
リアルタイムで学会に参加?
そんなわけでこんな面白い学会見逃すわけにはいかない、業務中ではありましたが、そんなことを気にせず、別の分析の大量データを処理しつつ、東京大学安田講堂で開催されていた第1回ウェブ学会をリアルタイムで視聴してみました。(まあ、多少は仕事に関係ありますし…)
方法としては、Ustreamのライブ中継とtwitterを同時に視聴。twitterは #webgakkaiハッシュタグをフォロ。ものすごい流速で流れる中、音声のみですが、中継をリアルタイムで聞くといった感じです。
もちろん朝からずっと聞いておきたかったのですが、少々予定があったため、学会を聴き始めた(見始めた?)のは午後のセッションの途中から。
はじめはtwitterだけを別ウィンドウに表示させてただけですが、一応、仕事に関係する点でセッション3に興味があったので、15時くらいからはもう堂々とiPhoneにヘッドフォンつけてUstream中継を聞いていました。
第1回ウェブ学会シンポジウム[午後-3]
面白いのは、質問をtwitterでハッシュタグをつけて受け付ける、ということですね。もう会場にいるとかそういうの関係ないです。テーマもテーマだけに楽しかったです。
興味深かった「セッション3:ウェブと科学」 その1
内容は盛り沢山すぎて、カオス過ぎて?、とても日記にはかけませんが、やはり一番の関心は、まずセッション3での工藤さんのセッション。
ウェブデータを使った統計的自然言語処理
工藤 拓(グーグル株式会社)
そうそう偶然ってご本人はおっしゃっていましたが、先日Google 日本語入力をリリースしたばかり、その開発者さんです。
実は工藤さん、別経路でそのお名前を目にしました。形態素解析汎用ソフトウェアMeCab。こちらの開発者でもあるのです。どうやらGoogle日本語入力にもMeCabなどのテクノロジーなんかも参考にされているとかブログに書いてありましたね。
今仕事の関係でMeCabを使い始めたところでしたから、これまたびっくりすくらいのタイミング。
言われてみれば関連性があるのも想像できます。
そんな偶然性もあったから、工藤さんのセッションに関心を持ったわけです。
工藤さんのセッションの中で特に印象に残ったのは、
「大量のウェブデータを効率よく処理するためのアルゴリズムの選択の重要性」
「凝ったアルゴリズムを使わない」
というGoogleの強い哲学・方向性。この一貫した思想は本当にクリアでわかりやすかったです。
興味深かった「セッション3:ウェブと科学」 その2
そして、もう一つ、印象的だったのはその直後の
10年にわたる国内ウェブアーカイブを用いた社会分析
豊田 正史(東京大学 准教授)
さんの「ウェブマイニング」セッション。こちらもある意味衝撃的なプレゼンでした。
リアルタイム時はプレゼン時の画像を見ていなかったので、雰囲気がよくわからなかったのですが、改めて録画をみると、twitter&音声での盛り上がりが手に取るように分かりますね。
ウェブマイニング、ウェブの時系列分析ということに関するお話。
「Socio-Sense:実社会の射影としてのウェブ」
「Socio-Sense:過去から現在に至るウェブの変遷から価値ある情報を見つけ出す」
というビジョンは激しく同意です。
というのは、まさに自分も経済ニュースの時系列分析を定量的に行って、それを経由して初めて見えてくるという側面にスポットを当てたいのです。いい加減、というと言い過ぎなのかもしれませんが、少なくとも、自身の経験やよくわからない権威ある外国の研究者の概念を疑いもせず引用し、いかにも知ってそうに経済を語り、高い年収をもらっている人たちに、なんらかのメスをいれたいのです。
現在の検索エンジンもそうですが、リアルタイム、少しよく言って未来についての話題は多いのですが、きちんと過去から時系列で流れをたどっていくという視点は、意外と多くないわけで、そこに着目することは大変素晴らしいことだと思いました。
こうした技術は我々も気軽に使えるのか?
とはいえ、こうした技術は、まだあまりにも専門的すぎるわけで到底一般庶民の自分ではどうにもならないのも事実。
そこで、彼らが作成する汎用ツールに期待して、それを利用することで既存のビジネスなり調査を行う、ということ姿勢にせざるを得ないわけですが、実は、これこそ、このようなスーパーエンジニアさんの方向性・理想とするものであることも間違いないとも感じました。
実際、豊田さんも発表でそのことに言及していましたね。
「ズーミングインターフェース」というオンラインツールご紹介していました。ただし、まだ公開できる段階にはきていないようですので、今後の発展に期待です。ただ、ちょっと自分のしたいことには応用できないかもしれないですが…。
最後に
ということで、ネットが既存マスコミを大きく変えようとしていますが、さらにもっと僕らの踏み込んでくる、メスを入れられればいいな、そんなかなうかどうかわからない野望を夢見ながら、少々興奮気味で、こちらのセッションを聴いていました。
いずれにせよ、リアルタイム中継におけるtwitter+Ustreamの力のすごさをまざまざと体感。世界観が大きく変わった。しかも、まるで参加しているようだ、ってそんなレベルじゃないと思います。
iPhoneとtwitterをはじめただけなのに、いつのまにやらこんな今まで全く想像したことのない世界に巻き込またという感じですね。
素晴らしい学会でした。
P.S
ところで、その前のセッションも面白かったのですが、「セッション3:ウェブと科学」で具体的な最先端の技術をまざまざと見せられると、社会学的な、哲学的なディスカッション、ルソーとtwitterがどうだのといった議論は、所詮、具体性のない観念論でしかなく、その後のセッションの登場で、一瞬でかすんでしまったように思いました。そのときはおもしろかったのですが…。
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