毎年恒例の旅行の計画

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そんなわけで、今年もあの季節に行ってまいります。

当初、フランス(南西部のフランスでもっとも美しい村+シャトーめぐり)を予定していましたが、まあいろいろ理由がありまして、今回は東欧にします。いや、最近では中欧っていうみたいですね。

今年のGWは日程がよいのでいつもよりも早めにチケットを押さえておきました。サーチャージがだいぶ下がりましたが、運賃はいつもどおりだったので安いって気はしませんでしたが…。

ざっくりいうと「ハプスブルク帝国」のエリアを中心に「ベネツィア」と「トルコ」と覇権を争っていたエリアも少々行ってきます。塩野七生に影響受けているってこともあります。

具体的にいえば、前半が旧ユーゴエリア(ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、スロヴェニア、ちょこっとモンテネグロ)、後半がハンガリーとスロヴァキア、時間があればポーランド南部にも行けたらなあと思っています。

まずブダペストからヨーロッパに入って、2泊して飛行機でサラエヴォへ。しばらくクロアチアを中心に周遊し、途中ザグレブ経由してオーストリアに入り、そこからはいつものように車を借りて、ハンガリーとスロヴァキアの田舎を回りたいと思います。最終日はせっかくのウィーンですから、オペラなりコンサートなりを鑑賞したいと考えています。

ホテルは最初に入るブダペストと状況がよくわからなさそうなサラエヴォ、最後のウィーンだけ予約して、後はその時の状況に応じて現地で飛び込みで決めることにします。こんな時期なので田舎の安宿にして、旅費を節約したいです。きっと安いよね、、たぶん。

さてさて最も楽しみにしているのは、ボスニア・ヘルツェゴビナの「サラエボ」。この歴史の舞台でたびたび登場するこの街にぜひとも行ってみたいんです。いろいろ感じてみたい、考えてみたい。

中でも、オリンピックスタジアムにはぜひ行こうと思っています。ここには10数年前に起こったボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で亡くなった方がたくさん埋葬されているのです。紛争当時、亡くなられた方の埋葬場所がなく、84年に行われたサラエヴォオリンピックで使われたグラウンド横の補助グラウンドを墓地にしたそうです。

あとは「ホリデーイン」と「スナイパー通り」。ホリデーインは泊まると高いので見るだけですが、ここは紛争の中、数100メートル先が最前線だったにも関わらず、唯一サラエボ市内で営業を続けたホテルだそうです。

また、ここは第1次世界大戦開戦の発端にもなった街でもあるわけです。

旧ユーゴは多種多様の民族からなる国家というけれども、たとえばクロアチアとセルビアの民族の違いって、宗教くらいみたいで、人種的にはほとんど同じだそうです。しかも両方とも同じキリスト教、ただ、前者はカトリックで後者はセルビア正教という違いなのだそうです。

カトリックは言わずもがなローマ法王庁で、なんとか正教というのはおそらく東ローマの影響だと思われる。確かこの2つの宗派の違いって、三位一体説を受け入れるか入れないか、が主な違いだった気がします。マリアを身ごもらせた精霊をどう取り扱うのか、ってことだったような。

この解釈の違いが紛争とかかわってくるというのが、やはり日本人にはなかなか理解できない気がします。東西のキリスト教の統一というは中世以来の大きなテーマみたいなんですが、今現在はどうなんでしょうね。

実際その地に行くと何かわかってくるのでしょうか。わからないにしてもきっと何かは感じるのでしょう。少なくとも自身のアイデンティテに対する考え方は影響を受けることに間違いはないでしょう。

そういえば、最近では、サッカーのほうで日本と関わり合いが深かったりするからちょっと親しみも感じますよね。ストイコビッチとかオシムとか。でもサッカー選手の名前もむやみに出さないほうがいいかもしれませんね。ストイコビッチはセルビア人だしオシムはボスニア人?、、だったような気がします。

とにかく高校生の頃、パルチザン、チトー、ユーゴスラビアの誕生の歴史を習って以来ずっと興味を持っているエリアなのでとても楽しみです。なにより21世紀になってようやく情勢も安定し観光ができるようになったというのは、本当にうれしいです。平和って偉大だなってつくづく思います。

そんなわけで、残念ながらセルビアのほうは足を運べませんが、旧ユーゴのこれらのエリアを歩くことで歴史を感じてきたいと思います。

ちなみに当然ですが、アルバニア付近にはまったく行きませんのでご安心ください。念のためセルビア付近も避けるつもりです。ヨーロッパは意外に狭いから気をつけないと。

ただ、最近のガザ地区の問題がちょっと気になります。エリアは異なりますが、民族紛争は世界中に飛び火しますから。コソボ独立を「支持しない」国は、だいたい民族問題を抱えているエリアなんです。だから意外と関係があったりするんです。

普段は極東の島国で気楽に暮らしていますが、こうした旅行を通して歴史や国際情勢に自然と興味が持てるようになったのはいいことだと思っています。

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