2月2日現在、App Storeのカテゴリー「ブック」の上位を独占している「日経シリーズアプリ」。
全部で6シリーズあるのですが、いずれもなかなかシンプルながらも深く理解できる内容でして、入門としてもいいしある程度知識がある人がちょっとおさらいするにも適しているという、とっても優れたコンテンツだと思います。
なによりもアプリがすごい使いやすい!
「カードブック」形式とこのアプリでは呼んでいるようですが、これが非常にコンパクトだしテンポよく読めるのがとてもいいです。
しかも今は「85円」セールをやっています。ということで僕は全6シリーズとりあえず買うことにしました。
仕事的にこの手の話に接する機会が多いとはいえ、やっぱり苦手意識あるんですよねー、マクロ経済。さすがに知っている内容は多いのですが、それでも忘れてたり実はわかってなかったなんてこともあり、とても勉強になっています。
内容自体はよいがその形式が…
ところが、このアプリ。いろいろな意味で残念なところ、気になる所があるんですよね。
実はこれらをひとつひとつ詰めていくと、なんだろう今日本経済、日本社会に漂っている閉塞感を感じざるをえないんです。
以下、思いついたものをあげてみます。
【登場データが日経新聞のスクリーンショット】
まあこれは本のスポンサーが日経新聞だから?まあコンセプトとして日経を読むことが主体なので仕方ないにしても、こんな紙上の数字を使って分析や考察してる人なんで今時めったにいませんよね。iPhoneで見るアプリなのに新聞の切り抜きを紹介するって魂胆がちょっと残念な感じです。
【定価は800円って高すぎじゃ…】
今セール中なので85円なのですが、そもそもこの書籍定価は800円らしいのです。内容をコンパクトにまとめているのはとってもよいことですが、その分ボリュームは少なめ。正直800円は言うまでもなく85円でも高いんじゃないかって思えるくらい。
【めくる音があるために音楽を聴きながら読めない】
カードブックのサクサク感はとってもいいんだけど、めくるときにわざわざ音がするんです。まあ音くらいはいいのですが、この音のためになんとなんとミュージックの音声が止まってしまうんです。何この無駄な機能…、残念すぎる…。
やはり感じるあの閉塞感
少なくともiPhoneやスマートフォン、電子書籍に関していわゆる「現代」の感覚を持っていればこんな仕様にはならなかったと思いませんか?
例えば音の問題。電子書籍って代表的なオフラインアプリのひとつですよね。あわせてミュージック(前で言うところのiPod)も言わずと知れたオフラインアプリの代表格。
地下鉄に乗ってる時に音楽を聴きながら電子書籍を読む、なんてiPhone使ったことある人なら誰だってやってるしすぐに思いつく発想のはず。
そしてセールをしているとはいえその値段設定や本誌の内容にすら新聞のスクリーンショットを載せるという方針。
もちろんiBooks、iCloudなんかとは全く無縁なわけです。
さらに値段設定。
いくら85円セールとはいえども定価の設定には疑問を持たざるをえない。虚偽表示に近い気もしますね。実はこの点について指摘していたレビューもありました。同じようなことで問題になっているアウトレットモールを思い出しました。
こんな閉塞感を感じっぱなしで日本経済はよいのか
今月になってFacebook上場のニュースが飛び交い、facebookの好調ぶりがいろいろと明るみになってきています。
その一方でこの数日で10-12月の決算、そして2011年度の見通しが次々と発表されていますが、Appleやソフトバンクなどが過去最高益を達成するなか、日本の製造業の大苦戦が非常に目立ってきています。
なんだかこれと同じ匂いを感じる、同じ閉塞感を感じるのは気のせいでしょうか。
なんだか経済を教えてもらっているのに、教えている側がビジネスわかってないような…。
いろいろと考えさせるアプリでした。
ただ、本書の内容はとってもよいと思います。85円を出す価値は大いにあると思いますのでオススメです。音楽聴きながら読めませんけどね(笑)