訪問日時:2017年9月15日、午前9時頃
イントロダクション
いまやフランスから始まった「最も美しい村」協会は、世界中に広まっています。スイスの最も美しい村協会はそのなかでも比較的新しくできた協会です。2017年9月は転職のはざまの有給消化を大いに利用して3週間のヨーロッパ旅行を行いました。前半のメインはスイスの最も美しい村巡り。時間は十分にあった(それでも結局慌ただしかったのですが)、ということで1回の旅行で全27の村を制覇することができました。
多様な文化圏を持つ村たち
ご存知の通りスイスには大きく分けて3つの文化圏があります。東側がドイツ語圏、西側がフランス語圏、そして南側がイタリア語圏となります。なお公用語としてもう一つロマンシュ語というものがあります。これは最も東側、オーストリア・イタリアに近いあたりでわずかに使われているということです。残念ながらこのロマンシュ語圏にはスイスの最も美しい村に登録されているところがなかったので、今回は訪れていません。
さて毎回悩む美しい村の連載方法ですが、今回は例えばワロンの最も美しい村(https://www.yuu-koma.jp/?cat=901)のように実際に訪問した順番ではなく、文化圏ごとにそしてそれぞれの文化圏における村をアルファベット順で紹介していきます。他の地域とはまた異なる、文化圏ごとの「違い」が上手に伝えられればいいなと考えています。
そしていつものように投稿の一番下には村の位置情報、(あくまでも私見の)村の評価表を掲載していますので、興味をお持ちでしたらこちらもご参照ください。
スイス・イタリア語圏の美しい村
はじめはイタリア語圏の美しい村を紹介します。イタリア語圏で選ばれている村は5つあります。
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今回ご紹介の村「アスコナ」はマッジョーレ北部にあるリゾート地
さて本編最初の村は「アスコナ」です。場所はスイス南部。スイス南部からイタリアの北部にかけてはコモ湖、ルガーノ湖、そしてマッジョーレ湖といった美しい湖のある湖水地帯。リゾート地として人気のある観光エリアとして有名です。アスコナはマッジョーレ湖北岸に面する美しい村です。
美しい村では珍しく地球の歩き方にも紹介されている村。というのはアスコナのすぐ東隣にロカルノという大きな街があるからでしょう。こちらもマッジョーレ湖畔にある観光地。大きな街のそばなのでアクセスしやすいということで紹介されているのだと思います。
ちなみにロカルノといえば世界史オタクとしては当然聞いたことのある街の名前ですね。(内容を触れるとあまり公の場で記録に残したくない名前等出てきますので、詳しくはネット等でお調べください。)
ということで、アスコナ訪問は前泊地ロカルノのすぐとなり、距離にして3kmほどだったので、2017年9月15日の朝一番の訪問となりました。午前9時頃に到着。村の中央には大きな駐車場が、地上にも地下にも十分なスペースがありました。かなりのキャパシティがあるので昼、夕方に訪問しても駐車できるような気がしました。もちろん朝一番ではガラガラ。
この日は大変天気もよく、そしてこれまで訪れたエリア(ここに至るまですでにいくつかのドイツ語圏、イタリア語圏の美しい村に訪問済み)と比べて温暖なエリアだったため、湖畔沿いに気持ちよく朝の散歩をすることができました。
この村の歴史について簡単にご紹介。実はこのあたりは先史時代より人間が住んでいたと言われています。そして、中世の頃には、重要な要塞として機能していたようです。当時は4つのシャトーがあったそうですが、残念ながら現在はいずれも残っていないということです。以下の写真でもその尖塔を確認する村のシンボルの教会、こちらのすでに1264年には存在しており、16世紀になって再建されたということです。公式サイトのページにそのように書かれていました。
それにしても公式ページがこの半年で大幅にバージョンアップしてかっこよくなっています。
しかし、正直な感想としては、素敵な観光地であったことに間違いないですが、いわゆる中世的な風情を感じさせるような場所は少なかったと思います。古い街並みを味わうのならばむしろロカルノのほうがよかったような気がしました。とはいえ村の雰囲気は抜群だし公共交通機関のアクセスも良さそうなので、毎度ながらの私の勝手評価は総合で★4つとさせていただきました。