訪問日時:2013年5月16日午前12時頃
こちらの村は、ヨーロッパ本土にあるフランスの最も美しい村の中では最も行くのが難しいといっても過言ではありません。
当初は訪れる予定がありませんでした。
しかし、旅も終盤、時間にやや余裕ができてきたこと、さらには、ここで頑張ればこの旅が終わるまでの間に、ヨーロッパ本土の美しい村を制覇することができるかもしれないという欲から、この村に片道3時間半かけて向かってみることにしました。
とはいえども、アルプスの夏は短い。フランスのローヌ・アルプ地方、サヴォア地方にあるこの村は、1年のうちに7ヶ月は雪に閉ざされているといいます。5月中旬にはなっていましたが、もしかすると道が封鎖されているかもしれない。しかも、この日は大雨…。
不安いっぱい、それでも一か八かクルマを東へと走らせました。
方角はイタリアのトリノ・ミラノ方向、スイスのジュネーブへも行くことができる方角。
タイトな道のりなのでところどころで休憩をしながらのドライブ。途中、かつて1992年に冬季オリンピックが開かれたアルベールビルの近くを通過します。
と、このあたりのサービスエリアでトイレ休憩をしているときに、運悪く地元警察からの尋問に捕まってしまいました。
実はこの日はなんと2回目、朝方、高速道路の料金所でも止めらたんです。
急いでいてイライラはしていましたが、協力しないわけにもいかないので、拙い英語を交えながら、ただの日本からの観光客だとアピール。
最初の尋問ではクルマに積んであった荷物をすべてチェックされました。もっともアヤシイ物は一切ないし、基本、田舎の旅なので変な人もやってこないためそんなものを持ち合わせるリスクもほとんどない。
当然ながら一切お咎めもなく開放。
一方で、2回目の尋問は簡単な質問のみ、すぐに開放されました。
2回の警察の尋問により予想外のタイムロスがありましたが、幸いな事に天気は東に向かうにつれて少しずつ良くなっていたので、とても気が紛れました。
その後、イタリア国境付近で高速道路を降りて、D1006という一般道にて目的地ボヌヴァル・シュル・アルクへと向かいます。
ここからは村まで一本道。もう迷うことはありません。道路の舗装はところどころ荒れていましたが、道幅は広くコーナーや勾配もそれほどきつくない道でしたので、運転はしやすかったです。
村へ続く道は、どうやら封鎖されていないようです。よかった…。
村に近づくに連れて、路肩に残る雪が目に飛び込んでくるようになりました。このあたりで標高はおよそ1,500m。
村の手前ではご覧のとおり。立山黒部アルペンルートを思い起こさせます。
そして出発から4時間、ついに標高1,800mにある雪に閉ざされた美しい村「Bonneval-sur-Arc(ボヌヴァル・シュル・アルク)」に到着!
ゴルフたん、よくがんばった!
もう観光とかどうでもよくて、ここまで辿りつけただけで感動!
村の教会へと続く細い道を抜けて、
教会前の小さなスペースに駐車しました。正面の建物はチーズ屋さんでしょうか。でも今は開いていません。
ゲレンデマップでしょうか。きっとスキーシーズンには観光客で賑わうのでしょう。雪に囲まれた村は、それはきっと美しいのでしょう。
ここまで来るのにクルマですらすれ違わなかったわけですから、当然ですが、観光客など誰もいない。僕ひとり。
見所なんてほとんどないです。ただ、村の景色や路地を眺めながら歩くだけです。
気温は5月とはいえ一桁台ですが、それほど寒さを感じませんでした。
宿泊施設かな、集合住宅かな?
こちらは間違いなくホテルだと思います。この季節でも泊まれそうな雰囲気。
可愛らしいネコさんがいました。寒いからなのかなとってもモフモフしてますね。
ひと通り村を散歩して再び車のある場所へと戻ってきました。
到着がちょうどお昼だったのでここでお昼ごはんに。といってもお店などまったくありませんので、出発前に近くのスタンドで買ったこちらのサンドイッチがこの日のお昼。
ご覧のように気圧の関係でパックがパンパンに膨らんでいました。
このサンドイッチ、なかなか美味しかったです。
壮大なアルプスの景色と素朴な村の景色に別れを告げ、再び来た道を戻ります。
当初は諦めていたこのアルプスの美しい村への訪問。勇気を振り絞って来た甲斐がありました。
そして、あらためてこの旅行中にヨーロッパ本土すべての美しい村ができるという自信を持つことが出来ました。
公式サイト:Bonneval-sur-Arc