今更感ですがチョイモビデビュー。とても楽しかったです。ちょいちょい遊んでみたくなるEVカーシェア。
当初はワンウェイ型のカーシェアの実証実験としてスタート
チョイモビとは、横浜市がかつて試験的にワンウェイ型=乗り捨て型の超小型EVのカーシェアで、数年前まで実証実験をしていました。地元企業の日産の協力のもとです。とても期待していたのですが結局その実験は終了。残念ながら体験することができないでいました。
公式ウェブサイトはこちら:チョイモビ
どうしてワンウェイ型のときにチャレンジしなかったのか、それは講習にでなければいけなかったからです。平日しか行っていなかったようなので諦めました。でも当時はそんなに忙しくはなかったのですが…。
しかし終了してからまたしばらくして、ラウンドトリップ型=往復型のカーシェアリングとして復活いたしました。ラウンドトリップ型とは借りた場所と同じところに返さなければいけない、という意味、でもこれだと魅力が半減してしまいます。それでもこの超小型のかわいいEV自体は十分乗る価値があります。EV自体はリーフ、テスラに次いで3車目。
さてこの日は前日日曜日に横浜みなとみらいで私が所属するオーケストラのコンサートがあり、終日盛り上がっていたたため、有給を取得していました。思ったよりも朝の目覚めがよく、そして時間も持て余していたので、みなとみらい周辺をこのチョイモビでドライブして遊ぶことにしました。
手配はウェブサイトで簡単に。30分前から手配可能
乗り方、クルマの手配方法ですが、今どきとは思えないデザイン・フォームのイケてないウェブサイトから簡単に申込することができます。ウェブサイトの指示に従いあらかじめID登録が必要、そしてクレジットカード登録も必要です。実はIDは登録済みでしたがクレジットカードはまだでした。車の手配の前に簡単に登録完了。ついでに住所もIDをつくった時から変わっていたので変えようとしたのですが、なぜかできませんでした…。
確かにウェブサイトはいまいちでしたが、びっくりするくらい簡単に手配完了。予約後は30分以内にクルマに乗らないと自動的にキャンセルになってしまうという仕組み。案外よい仕組みのような気もいたします。とりあえずぶらっと利用するには最適だと思いました。
ウェブで申し込みした場所から今回借りたチョイモビがある場所までは徒歩5分と近くではありましたが、いかんせんはじめての試みなので、ステーションの場所(チョイモビが留めてあるところ)を探すまでの時間、クルマを動かすまでの時間など、はじめは戸惑って時間をロスしてしまう恐れもあったため、予約後すぐにステーションへと向かいました。
僕が手配した場所は、「ステーション:コレットマーレ(JR高架側)」というところのチョイモビ。ちょうどランドマークタワーの正面です。しかし、このステーション:コレットマーレには、2台のチョイモビがあるので要注意、ランドマークタワーの正面の駐車場の入口と、すこし脇に進み文字通りJR高架近くの歩道脇に。僕が手配したのはこちらの高架近くのもの。少々見つけづらかったです。ここには大きな駐車場があるのですが、2台とも駐車場内にはなく、歩道からすぐに見える位置に停めてありました。
ちょっと慣れないとクルマが動かせない
ステーション探しも苦労しましたが、それ以上に苦労したのがクルマの動かし方。一応ウェブサイトのpdfをダウンロードして軽く眺めておきましたが、実際このとおり動かすのが難しいというか。
例えば電源を入れる、ハンドブレーキを解除するとか。それ以外にはウィンカーの操作。左なんですね。でもこっちのほうが慣れてるかも。とはいえ実はこのウィンカーも若干曲者でして、左右どちらを動かしてもダッシュボード上の表示は非常灯、つまり両サイド点滅だったので本当に外から見てしっかりと左右別々にウィンカーが表示されているのかがわからなかった。そこで、ウィンカーをつけたまま一旦車を降りて前後の黄色ランプの点滅具合を確認することにしました。きちんと両側、まず右ウィンカー、そして左ウィンカーとチェック。問題なく黄色ライトが点滅していることを確認。
なお説明書は社内のダッシュボード(ハンドルの左側)にもありました。結構これに助けられました。
運転免許証でエントリーはとても便利
しかし貸出確認方法は社内右上のカードリーダーに免許証をかざすだけで簡単に可能。例えばタイムズカーシェアだと専用のカードが必要。これも使いやすいのですが、それでもやはり免許証だけで始動できるのはは非常に便利です。この運転免許証でエントリーできるのは素晴らしい仕組みです。この技術、普通のクルマでもできるようにしてほしいかも。
ドアがかわいい!
面白いのはドアの開閉も特徴的で面白いです。なんていうのでしょう、ランボルギーニ型です笑。最初はよくわからなくて戸惑いましたが、これスペース狭くても乗り降りできて便利ですね。両側を開けるとバンザーイって感じ、ちっこいのでとても可愛い!ちなみにこのドア、ロックはかかっていないんです。
確かに一時的に下車して中に荷物をおきっぱなしにすることはできませんが、いわゆる鍵は登録者の運転免許証なので問題なしです。またドアはもちろん締まりますが窓はないので、エアコンなどありません。もちろんナビもありません。ただしスマホスタンドはありました。USBでの充電は可能です。(電力は強いし)。
運転性能はグッド
さてさて肝心の運転性能・運転の感触はどうだったのか。予想以上に快適でした!説明書にはアクセルには遊びがない、と書いてありましたが、むしろ日本車にありがちな無駄な要素はなくイメージ通りストレートに加速できたと感じました。スピードも結構出ますね。平地ならばパワー的に問題になることはないでしょう。上り坂だと厳しいのかもしれません。(今回はみなとみらい周辺しか運転しませんでした。)
難があるとすればブレーキでしょうか。慣れれば大丈夫ですが、結構しっかりと踏み込まないと聞かない感じです。このチョイモビ、かなりスピードが出るので要注意です。はじめは少し怖かったです。車体も小さく安全性も普通車と比べると著しく劣るので、スピードの出し過ぎには要注意です。
無料駐車スペースは最大限に利用すべき
ひとつ反省点といえば、事前にしっかりと無料の一時駐車スペースを把握していなかったこと。普通の駐車場に停めてしまいました。僕が停めたのは横浜美術館の駐車場。90分500円と近隣と比較して安かったとはいえ、実は美術館構内になんと無料スペースがあることを後で知りました涙。もっとも無料の駐車スペースは少ないです。普及しない一因なのかとも思いました。
普及は難しいのかもしれない
最後にこの仕組は普及するのか、について考えてみたいです。個人的には厳しいのかとあらためて思いました。
ところで東京はどうでしょう。実は東京にはトヨタとタイムズが協同で行っているHa:moというEVの乗り捨て型カーシェアサービスがあります。ところがこれが使いにくい。というのはタイムズカーシェア会員になりステージ2以上のグレードを得てそれを維持しないと行けないからです。さらに、そこそこカーシェアを利用しないとステージ2になれるほどポイントはたまらない。ほんとひどい仕組みです。この点では横浜の方がまだ使い勝手がいい。実際にこのHa:moはどの程度利用されているのでしょうね。走っているのも停まっているのも見かけたことないです。
他の国ではどうなのでしょう?あまり事情を詳しくは知りませんが乗り捨て型のEVカーシェアはパリにあります。autolibと呼ばれるものです。と思って今調べたらなんと今年で廃止だった…。あれま。
パリで電気自動車AUTOLIB’に乗ろう! | O’Bon Paris | Easy to be Parisian
Autopartage à Paris et en Île-de-France ? 100% électrique | Autolib
どの程度普及しているのかはわからないのですが、パリで利用している人を見たことはあります。一応わたくしアカウントを持っております。
さて、個人的に思うに、パリで乗り捨て型のサービスが普及する一つの理由として、路上駐車の制度が発達していることが挙げられるのではないでしょうか。すでに路上駐車のスペースがあればこれをカーシェア用の駐車スペースへと比較的簡単に変えることができると思うのです。
しかし翻って日本はどうでしょう。日本にはヨーロッパのようなパーキングメーターを利用した路上駐車の習慣があまりないです。そのためかヨーロッパの大都市と比べると、無駄にクルマの停車が多い気がします。ということで乗り捨て型のカーシェアのためには、普通の駐車場に専用のスペースを作るしかなさそうですが、これも現実的ではなさそうです。ある程度開けておかなければならないことを考慮すると、明らかに駐車場の稼働率が下がるからです。駐車場は基本的に個人法人の所有なのでビジネス的側面をより考えなければならないからです。
わたくし個人的には都内でも横浜でも、こうした超小型EVによる乗り捨て型のカーシェアが発達して欲しいところです。
↑といろいろ書いてしまいましたが結局パリでもうまく行かなかったのか…。残念な限り。