試乗会に当たりました!
ダメ元で申し込んだこちらの試乗会:
箱根ターンパイクMODEL S 特別試乗会 | http://my.teslamotors.com/jp/event/hakone
一度は外れてしまったのですが、希望者が多かったせいなのでしょうか、当初よりも時間を延長して試乗会の枠が増えたため、追加当選という形で、めでたくテスラの試乗会に参加することになりました。
申し込みはどのような感じだったか
まず申し込みのウェブサイトに行き、所定のフォームに必要事項を記入しました。
すると、数営業日後にテスラの担当者からインタビューの電話がかかってきました。入力内容に間違いがないか、希望日に間違いがないかはもちろんのこと、そもそもテスラという会社、この試乗会をどういう経緯で知ったのか、テスラにどう思っているのか、現在の所有車はなにか、買い換える予定はあるのかどうか、その際にはテスラは購入リストに上がるのか、などなど10分程度のインタビューでした。
テスラの担当者(女性)の方は、非常にはつらつとしていて、話し方もしっかりしており、質問そのものの質ややりとりなどから判断して、非常に知的でとても感じのよい印象でした。
ただ、このインタビューにまじめに答えすぎた?正直すぎた?せいかはわかりませんが、実は一度はずれてしまったんです。もちろん厳正な抽選とはおっしゃっていましたが、そうはいってもある程度の購入見込み客でないと試乗会を開くメリットもないでしょうから、あくまでも私の個人的な意見ですが、多少なりともこのインタビューを通した「セレクション」は行われていたと予想されます。
多少ウソでもいいから「試乗の感触によっては購入を前向きに検討したい」くらいの社交辞令でも突発的に言っておけばよかったのに、そういう世渡り上手なスキルが相変わらずないなあ、なんて思っていた矢先、先日の火曜日夕方、試乗時間を延長した関係で、「復活当選」との連絡をいただいたのでした。ある程度のふるいにかけられていた可能性はあるとしても、かえって正直でよかったのかもしれない(笑)。
テスラ(TESLA)とは?
テスラとは、[highlight]正式名称「Tesla Moters, Inc」[/highlight]、アメリカ西海岸のシリコンバレーに拠点を置くバッテリー式電気自動車を製造・販売している会社です。
テスラ 企業情報 | http://www.teslamotors.com/jp/about
創業は2003年、創業者であり現CEOでもあるイーロン・マスクは、シリコンバレーでも非常に有名な起業家のひとりです。イーロン・マスクは決済システムPayPalの共同設立者でもあるのですね。アップルのスティーブ・ジョブス亡き後のカリスマ経営者といっても過言ではないでしょう。最近はそんな彼のカリスマ性の影響なのか、アップルからのテスラに移転する人も多いのだとか。
アップル辞めてテスラにいった150人があげる転職理由 : ギズモード・ジャパン http://www.gizmodo.jp/2015/02/150_5.html
なおイーロン・マスク、ペンシルバニア大学で物理学、ウォートンスクールでビジネスの学位を取得しているとか。なるほど、こういったエンジニアリングにも深く理解できる素地をもっているということですね。ちなみに大学院ですが、初めはスタンフォード大で高エネルギー物理学を専攻する予定でしたが2日でやめてしまったそうです。やめてしまったとはいえ、そう簡単にこの分野を専攻することはできませんので、きわめて優秀なエリートであると言えるのでしょう。
それにしてもPayPalの共同創始者、いわゆる「PayPalマフィア」のその後は本当に華麗で驚きです。
図 | フィンテック革命、春本番へ 金融業界に新風吹く:日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85048860Q5A330C1000000/より
テスラの何が魅力なのか
テスラの魅力とは何か。個人的には、[highlight]「クルマのスマートフォン化」[/highlight]を世界で最も先進的に行っているところだと思います。テスラ曰く、
“普通の自動車は、購入したときがもっとも価値ある状態ですが、テスラ車は、無料ワイアレス ソフトウェア アップデートを通して進化し続けます。アップデートの度に、新機能が追加され、パフォーマンスとオーナーエクスペリエンスが向上します。”
ソフトウエア6.2 | テスラモーターズジャパン http://www.teslamotors.com/jp/blog/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%A262より
こういう発想はこれまでのクルマにはなかったところで、もっとも面白いところ。
車内のダッシュボードから、現在このクルマにインストールされているソフトウェアのバージョン情報、そしてアップデート内容を確認することができます。
ソフトウェアアップデートは、[highlight]docomoの回線(無料)を通してワイヤレスで行うこと[/highlight]ができます。ちなみに自宅などのWiFiにも繋ぐことも可能です。この回線はdocomoの電波が入っていれば常につながっているので、ソフトウェアアップデートがある場合には、バックグランド処理で少しずつデータをダウンロードされるとのこと。
ただし、インストールする際には、必ず所有者の許可を取る仕組みになっているので、勝手にインストールされることはありません。メジャーアップデート等大きなアップデートの場合には、インストールに2時間くらいかかることがあるそうです。運転中、あるいはいざ運転しようという時はそんなに待つことはできないでしょう。しかし、[highlight]インストール時間の予約設定が可能とのこと[/highlight]なのでとても安心。多くのユーザーさんは深夜に行うように設定しているようです。
アップデートの連絡は、例によってその車内のダッシュボード上に表示されるようでして、これが楽しみで仕方がないとテスラユーザーは思うそうです。まさにiPhoneのようですね。
そういえば、テスラは以前、Model Sの出火事故対策として、通常ならリコールして行うであろう対処を、[highlight]ソフトウェアアップデートで対処してしまった[/highlight]ということがありました。
テスラ社の見事過ぎる常識破りのアフターサービス?|?大西宏 http://www.huffingtonpost.jp/hiroshi-onishi/post_8210_b_5673518.html
いざ試乗会へ
さてさて、非常に前置きが長くなってしまいましたが、ここから試乗について書きます。4月4日、当日は雨予想も出ておりましたが、午前より天気は回復傾向に、箱根に到着する頃には雨はすっかりやんでいました。箱根までの道のりも順調、絶好の行楽日和の先週とはうってかわって渋滞は全くなし、箱根まで予想以上にスムーズについてしまいました。
試乗は14時からですが、だいぶはやい12時に、集合場所である箱根ターンパイク、スカイラウンジに到着。
メールでの案内では詳細な集合場所等の連絡はなく、とりあえずこのスカイラウンジに来てとしか指示されていませんでしたが、2Fへあがる階段の前にこうした垂れ幕がありましたので、どうやら2Fにいけばよい感じ。そして、2Fのカフェテラスへ向かうと、予想通りその一角にテスラの方々がいらっしゃいましたので、そちらに向かいました。そして試乗前の簡単な手続き、といっても、免許の提示や個人情報の登録を済ませ、試乗に関する注意事項に同意して終了。iPadによる手続き、10分程度でした。
まだまだ14時までたっぷり時間があるので、軽くラウンジ1Fのフードコートでおそばを食べ、少し周りの景色を見つつ時間を過ごします。
いざ試乗
さて14時。いよいよ試乗の開始。ターンパイク、スカイラウンジの一角にテスラ車が3台並んでいるスペースに案内され、いざ開始。運転席には私が、助手席にはテスラの方が、後部座席には私の妻が乗りました。初テスラです。
と、そのまえに手荷物を後部のトランクへ。見てびっくりすごい大きくて広い。
ちなみにボンネット側にも荷物が入ります。電気自動車なのでエンジンないのでここにエンジンや(従来の)バッテリーなど入れておく必要がない。実はボンネットいらないような気もします。デザインの関係か何かで残しているだけなのでしょうか。
まずは5分ほどテスラの方からの説明。その後、いざ運転開始。
まずは一体どうやって始動させるのか。これがはじめはさっぱりわかりません。実は運転席に座った瞬間、[highlight]その乗った人の重みでスイッチが入る[/highlight]、ということのようです。続いて、P=パーキングからD=ドライブモードに切り替えます。これは、ブレーキを押しながらハンドル右側にあるレバーボタンを下に倒すだけでOK。これでブレーキを離すとゆっくりと動き始めます。
ちなみにP=パーキングにするにはこのレバーの先のボタンを押すだけでOKです。
テスラの運転の最大の魅力:そもそも存在しないはずのエンジンブレーキがあるもうひとつの理由
さあ発信準備完了、恐る恐るアクセルを踏みはじめ加速開始。順調な動き出しです。
ところで当たり前ですが出発地点は駐車場、ここをすぐに出て右折して道路に入ります。ということで、駐車場出口にさしかかりアクセルを一旦離した瞬間、体験したこともない抵抗感が!なんと[highlight]エンジンブレーキが思った以上に効く[/highlight]のです。
しかも、このテスラModel S、エンジンブレーキが[highlight]MT車よりもはるかに強く効く[/highlight]。従って、10%もの強い下りの傾斜が続くターンパイクであっても全くブレーキを踏むことなく運転できるのです。むしろアクセルを踏みつづけないと減速してしまうくらいです。
エンジンブレーキをかけるときは、アクセルを離すというよりも、[highlight]アクセルは踏み続けるが、その踏み方の加減をわずかに変化させることによって、エンジンブレーキの微調整をするイメージ[/highlight]でした。非常にデリケートな調整が必要で少し慣れないと難しい感覚でした。
今回の試乗場所、集合場所が箱根芦ノ湖付近であり、試乗は山道で行うことはわかっていましたから、普段MT車乗りとしては下り坂走行、すなわちエンジンブレーキ関連の度合いがどの程度なのか、試乗前から一番気になっていたことでした。どうしてもAT車(テスラは当然AT車)だと、下り坂での運転でブレーキを多用することがMT車より多いから心配していたんです。
結局、全く心配するまでもなかったということになります。
それにしても、なぜあえてMT車よりもエンジンブレーキを効くようにしたのでしょう。しかし、よくよく考えてみると、電気自動車なのでエンジンを積んでいないわけですから、[highlight]そもそも電気自動車にはエンジンブレーキなど存在しないはず[/highlight]。
一般に、ガソリンエンジンにおけるエンジンブレーキとはエンジンの高回転になればなるほど大きくなる抵抗力のひとつ。急な下り坂では、この抵抗を逆に有効に利用することで、下り坂を安全かつ快適に走行できるようになります。クルマを運転する人にとっては既におなじみの概念。従って、電気自動車でも同様の機能があったほうがよいに越したことはなく、テスラも、当然ながらこうした安全面を意識して、本来電気自動車にはないエンジンブレーキ的な抵抗力をあえて導入をしたと思われます。
しかし、当然ながらブレーキと言うのは抵抗力ですから、エネルギーのロスにつながります。テスラの面白いところは、[highlight]この失ったエネルギーを「電気」に変換させてバッテリーへの充電に活そうとしたこと[/highlight]、しかも、[highlight]通常のガソリン車のエンジンブレーキよりもデフォルトで強めに設定[/highlight]することで、より充電できるような設計にしているのです。
なお、テスラ内のダッシュボードから、このエンジンブレーキの効き具合のモードを変更することができます。デフォルトではやや強めの“Standardモード”で、少しそれを緩和するモードがもう一つありました。(名前を失念してしまいました。)
アクセルの微調整による新しい運転感覚
果たしてこのテスラは、運転そのものが楽しいのか、楽しめるのか、やはり運転好きとしては最も気になる点。
電気自動車がエコであること、未来の姿のひとつであることは重々承知です。しかし、クルマなので運転そのものが楽しければ意味が無い、ここだけは譲れないところでしょう。
正直、プリウスに代表されるエコカー、日産の電気自動車リーフ、いやいわゆる日本で普及しているオートマ車全般、運転していて全然面白くない、乗りたくない、ということを日頃から強く思っています。テスラも当然ながらオートマ、従って、僕がこれまで知っているようなオートマ車的な運転感覚であれば、いかにテスラのコンセプトが素晴らしくても、おそらく乗る気には慣れないんじゃないか、それが一番の心配事でした。
しかし、このエンジンブレーキを微調整するというアクセルの微妙な緩め加減ファクターによって、[highlight]これまでのMT車にもない新しい運転感覚が体験できる[/highlight]、見事なまでに僕が事前に抱いていたAT車特有の心配を打ち破ってっくれました。前述しましたが、敢えて通常のガソリン車よりも強めのエンジンブレーキがデフォルトでかかるようにしたのは、おそらくこうした運転の楽しさを実現するためでもあったのではないか、と思います。
ゲーム感覚でエコドライブ
さらに、このエンジンブレーキによる充電がどのくらい行われているのかを、運転席正面ダッシュボードの上のディスプレイでドライバーは常に確認することができます。
運転席ダッシュボードディスプレイにある波型のチャートは、実はバッテリーの発電-充電モードがどう切り替わっているのかを表しているものだったのです。
そして、メーターの左側にある円形のゲージは、「発電モード」なのか、「充電モード」なのかを示すもの。
例えば下の写真だとオレンジ色のゲージが中心より上側に伸びていますが、これはアクセルを踏んでいる状態であり、バッテリーから電力が供給されている[highlight]「発電モード」[/highlight]であることを示しているのです。
逆にこれが下側に行くとゲージの色が緑色に変わり、今度は逆にアクセルを緩めている、もしくは踏んでいない状態、すなわちエンジンブレーキが効いている状態で、これが[highlight]「充電モード」[/highlight]を示していることになるのです。
今は発電しているのかそれとも充電しているのか、[highlight]このバランスを意識しながらの運転がゲームっぽくてとても面白い![/highlight] もちろん発電をしないと進みません。かと言って、充電を意識し過ぎると今度はエンジンブレーキが強すぎて心地よく運転できなくなる。こうした感覚を直接体感できるのがとても楽しかったです。
わずか4秒程度で100km/hまで加速可能
テスラModel Sのひとつの売りでもあるこの性能。
さすがに一般道なので100km/hまでは出せませんが、1秒弱ほどアクセルを全開に踏み込むことで、この超絶加速感を体感してみました。やってみてびっくり、スムーズ過ぎるのに物凄い加速は想像を絶しました。楽しすぎて癖になりそうで怖いです(笑)
ちなみに今回の試乗車はシングルモーターでしたが、最新のデュアルモーターだと3.4秒で100km/hに達するそうです。
この加速感は、一流のレーサーであれば可能なのかもしれませんが、一般にはMT車ではまず出せないと思います。詳しくはわからないので勝手な想像ではありますが、おそらく電気自動車ならではの特徴を活かして、最適なギア比、最大トルクの最適化を行いながら加速をしているのでしょうか。こういう手法はなんとなく電気自動車が得意とするところのような気もします。もし、そうだとするとガソリン車には再現できない加速なのかもしれません。このあたりの技術的な背景については、時間があるときにゆっくりと調べてみたいものです。
自動運転について
このところ話題の自動運転についてもテスラは積極的に研究開発しております。2月のソフトウェア・アップデートでも、その機能に関するアップデートがありました。
これについても、試乗のとき担当の方に話を聞いてきました。
「実は既にテスラの[highlight]ハードウェア側では自動運転に対応済み[/highlight]。ただし、ソフトウェアがまだまだ追いついておらず、引き続き開発を続ける」とのこと。いかにもテスラらしい回答でした。自動運転に関しては、今年中にアメリカでハイウェイ限定での使用に向けた開発が続いているようです。
そういえば自動運転に関して、2015年4月1日のこのネタが面白かったですね(笑)。
その他気がついたこと、聞いてみたこと
音について。電気自動車なので静かではあるのですが、それでもいろいろな音がしています。しかし、それらが風を切る音だったり、タイヤと道路の摩擦の音だったりと、とっても自然な音なんです。ちなみに今回の試乗車はタイヤが太めだったため、地面との摩擦の音は結構聞こえました。それでもガソリン車と比べればずっと静かなものでした。
続いて充電について。電気自動車にとって一番気になるところは充電ステーションの普及具合、そしてフル充電までの時間。テスラは公式的にはフル充電で500km近く走れるとしているため、家で充電さえしておけばちょっとした旅行ならば大丈夫そうな気もしますが、果たしてどうなのか。
これに関しても、非常に面白い回答をいただきました。「弊社製品の充電に関しては、[highlight]お客様ひとりひとりの用途に応じてカスタマイズで相談に応じて答える[/highlight]ことにしています。」と。ちょっとはぐらかされた感もありますが、日本企業ではまずありえない回答、個人的に結構こういう対応が好きです。
そうはいっても、やっぱり充電ステーションは気になるところ。都心であればある程度安心ですが、地方でもいくつかあるようです。ただ普及はまだまだだとか。ただ、最近になって充電ステーション位置情報検索アプリをリリースしたそうで、それを充実させることで対処していきたいと話していました。
そして、もうあえて触れるまでもないのかもしれませんが、前方座席中のディスプレイ。その大きさに圧感されます。基本的にはiPhoneみたいなものです。車関連のアプリ、ブラウザなどが使え、また地図(現在は音声なしのグーグルマップ、近く対応予定とのこと)も表示可能。
なかでも[highlight]後部カメラ映像の表示[/highlight]がすごくよかったです。これだけディスプレイが広いので、とても見やすいです。
ただ、UI自体のデザインはちょっとイマイチかなあと思いました。もっともこのへんはそのうち改善されてアップデートすればよいだけの話でもあります。
それ以外に、印象に残ったことといえば、「通常のクルマの総部品数は約30,000個に対し、[highlight]テスラModel Sは約10,000個[/highlight]である」、「運転席のディスプレイではウェブサーフィンできるが動画はアメリカの規制により見れない。日本でも対応の予定は今のところない。」といったところでしょうか。
ところでテスラはおいくら?
肝心のお値段ですが、一番安いエクステリア、インテリア、オプションの組み合わせでもこのお値段!
ベンツEクラス、CLSクラスよりもずっと高いです。高級車です。にしても、非常に高価なECサイトでの買い物ですね(笑)。ウェブサイト上からの注文が可能でしょうけれど、結局申し込むと担当から電話連絡は絶対にくるとは思います。そのほうが安全ですしね。
テスラの経営状況
そんな超高級車しか販売していないテスラの経営状況を簡単におさらいしておきましょう。やはり新興企業らしいというのかずっと赤字。なので損益で判断することはあまり意味が無いでしょう。やはりキャッシュフローを見るべき。
そんなキャッシュフローですが、財務活動によるキャッシュフロー以外は基本マイナス。増資や借り入れ等ファイナンスをして手に入れたキャッシュを、非常に積極的に設備投資に回すという、いかにも西海岸のベンチャーならではの経営といえるでしょうね。こうした経営ができるのも、投資家から非常に高く評価されているからならではのことでしょう。
TSLA Cash Flow | Tesla Motors, Inc. Stock – Yahoo! Finance http://finance.yahoo.com/q/cf?s=TSLA+Cash+Flow&annual より。
それでも、2013年12月期の営業キャッシュフローは黒字化しているんですね。しかし、2014年12月期は、営業キャッシュフローが再びマイナス(–57,337千USドル)になったとはいえども、大きく借り入れをしため、[highlight]財務活動のキャッシュフローが大きくプラス(+2,143,130)[/highlight]。ただ、設備投資も前年比4倍近く(–990,444千USドル)行っています。攻めてますねー、確かにいろいろな新規事業に関するニュースも飛び交っていました。
将来性は果たしてどうなのか。アナリスト予想を見る限りでは、今期からは[highlight]EPSが黒字化[/highlight]、そして[highlight]売上高は50%から70%の成長[/highlight]。非常にその将来性が期待されているようです。
TSLA Analyst Estimates | Tesla Motors, Inc. Stock – Yahoo! Finance http://finance.yahoo.com/q/ae?s=TSLA+Analyst+Estimates
実際に、この4半期も過去最高の売上台数のようです。四半期で10,000台超え、前年同期比55%の成長率とはさすがです。
Tesla sells record 10,030 cars in Q1 2015, up 55% year over year | http://venturebeat.com/2015/04/03/tesla-ships-record–10030-cars-in-q1–2015-up–55-year-over-year/
やはり期待大の注目企業であることには間違いないでしょう。あとは日本でどのくらい普及するのかを注目していきたいですね。
現時点でのどのくらいの規模?
ちなみに既存の主要な完成車メーカーととテスラの現時点での企業規模を時価総額で見てみます。
図 | Yahoo Financeよりyuu-koma.jpが作成
日本円にして約3兆円ほどの規模。世界最大のトヨタ自動車(約26兆円)や第二位のフォルクスワーゲングループ(約14兆円)にはまだまだはるかに及ばないとはいえ、この数年の売上高成長率50%程度が数年に渡って続くとするならば、数年後にはヒュンダイ、日産だけではなく、本田、GM、フォードなどを追い抜いてしまうのかもしれません。
まとめ
わずか試乗時間は15分程度でしたが、いろいろなお話も聞けて、非常に充実した試乗会でした。心配された天気も曇りではありましたが雨に降られることもなく、快適なドライブができました。
テスラの将来性、コンセプトの素晴らしさについてはおおよそ事前予想通り、意外だったのは[highlight]心配していた運転そのものがとても面白かったこと[/highlight]です。予想以上の楽しさがありました。
ということで、ますますテスラ・モーターズのファンになってしまい、これはとても欲しい!と素直に思いはしましたが、やはり[highlight]値段がとても高い[/highlight]ことが最大のネック。エコカーに対する補助金が適用できるとはいえども、この値段では厳しい。
特に都会においては、クルマを持つ人乗る人が少なくなってきている、ますますシェアエコノミーが発達するであろう時代ですから車自体保有するインセンティブがますます小さくなってきていますし、クルマがまだまだ必要な地方では、そもそも販売ディーラーが近くにないこと、充電ステーションがまだまだ不備であること、さらにはこうした先進的なコンセプトを都会ほどは簡単に受け入れてもらえないことなど、課題はとても多いでしょう。
従って、テスラが普及するには、まだまだ難しいと思います。
しかし、将来性はとても高いとは思っています。間違いなくガソリン車よりも地球環境には優しいはずです。
[highlight]ネックのコストについても改善の可能性は大いにある[/highlight]と思っています。今後、より量産化手法が進化すると、製造コストが下がり今よりもずっと安い値段で購入できるようになるかもしれません。通常の完成車で使用される部品が3万に対し、このテスラModel Sはわずか1万ということですから、単純に組み立てに要する複雑さやコストが削減できる可能性は大いにあります。さらに技術革新も進めば、電気自動車の部品そのものが安くなる可能性だってあります。
そして、[highlight]今はまだ「先進的すぎて」理解されにくい発想も、いつのまにやら慣れてしまって常識になる可能性[/highlight]だってあります。あのiPhoneだって、日本で発売されたばかりのころは、日本人向けではない、絶対にはやらない、等々言われまくったわけです。私は2009年初頭にiPhoneを購入しましたが、その当時周りで持っている人はごく僅かでした。それが、今では電車で見かけるスマートフォンの多くはiPhone、iPhoneでなくてもAndroid、携帯電話を見かけるほうが稀になったくらいです。わずか4、5年でこの状況ですから、もしかするとこれから5年後の東京オリンピックの頃には、テスラのような電気自動車、自動車のガジェット化が当たり前の時代が来てもおかしくないと思います。
それにしても、[highlight]2020年って、すごいいいタイミング[/highlight]だと思うんですよね。世界が最も注目するイベントのひとつが、ここハイテクの街東京で行われるわけですから。いろいろな先進企業にとって、これほど絶好のアピールの場はないはず。それに向けて、今から世界中でいろいろな動きが始まりつつあると思うのです。
2020年の自動車事情も踏まえつつ、このテスラの動向については引き続きモニターしていきたいと思います。