訪問日時:2017年5月3日、午後5時頃
直前に訪れたスペインの最も美しい村訪問から、およそ1周間ほど経ってからの訪問です。 今回ご紹介するトルヒージョは、エストレマドゥーラの中心にある古い街です。カセレスの東46kmのところにあります。リスボンとマドリードのちょうど真ん中に位置しています。
美しい村の中には、ときどき「地球の歩き方」にも掲載されているところがありますが、このトルヒーリョもそんな村のひとつです。
駐車場探しは少々苦労しましたが、中心部マヨール広場の南側、徒歩数分の場所に公共のパーキングがあります。トイレもありました。クルマで訪問する場合にはここを利用すると良いと思います。国道N521沿いなので、行きやすいし見つけやすいはずです。
なおこの駐車場の上は公園になっています。この公園の周りに路上駐車するのもよいでしょう。僕はそうしました。ただ、この路上駐車、パーキングメーターが一切周りになく、結局無料でそのまま停めてしまったのですが、本当にそれでよかったのかはわかりませんでした。いずれにしても、お金はかかりますが有料の公共駐車場に停めたほうがよいでしょう。
トルヒーリョの歴史をいつものように簡単にご紹介。
先史時代からこのあたりには人が住んでいましたそうですが、街として機能し始めたのはローマ時代の植民都市としてから。その後はイスラム教徒の支配下となり、現在見ることのできる城や城壁はこの時代に原型が作らえたということです。
フランスの最も美しい村が、中世時代のバスティード、特にアキテーヌの村々は、イギリスとの争いの中で築かれた城郭都市が多いのですが、スペインの最も美しい村の場合は、なんといってもイスラム教徒との争いの中で築かれた城郭都市が多い、というのが特徴ですね。
このように歴史もありかつ当時の街並みも一部残っていることから、このトルヒーリョは、エストレマドゥーラ州の文化遺産にも登録されているということです。
さて、もうひとつトルヒーリョを有名にしているのが、ピサロと言った多くのレコンキスタドール(征服者たち、主に中南米大陸を征服した人たちのことを指す)を排出したことです。村の中央にあるマヨール広場には、そのピサロの騎馬像があります。
到着したのは夕方5時、といってもまだまだ十分明るいのですが、マヨール広場にあった観光案内所へ行き、地図と簡単な街の案内をしてもらいました。まずは広場に面する教会から。 特段内装に大きな特徴があったわけではありませんでしたが、なんとなく行ったことはないですが南米にあるキリスト教の教会のような雰囲気がしました。レコンキスタドールの出身地ということで、なんらかの先入観がそういう思いを引き起こすのか。
続いて、教会裏の坂道を登りました。このあたりは古い石畳の道が続き、その両脇には小さな露店が連なる、とても雰囲気のいいエリアでした。
我々が向かったのは、かつてイスラム教徒が築いたとされるアラブ城へ。中は入れたようですが、単なる展望台のようだったので、周辺の城址を散歩する程度に留めておきました。
この城址からみた村の眺めがすばらしかったです。
その後は村で一番高い塔を持つ教会へ。
もちろん塔の一番上へ。ここからの眺めがこの街では間違いなく一番美しいでしょう。
ところで、ポルトガルのアレンテージョやそこからスペインのエストレマドゥーラをドライブしていたときにとても良く見かけたのが、コウノトリです。モロッコでもよくみました。
このトルヒーリョでもコウノトリは健在。教会の塔の上に大きな巣を作って違和感なく暮らしていました。日本ではなかなか直接見ない鳥のため、実際に見るとその大きさに少々驚いてしまいます。
エストレマドゥーラの乾いた雰囲気、砂漠にあるオアシスのような、またメキシコあたりの風景を連想させる、そんな古都トルヒーリョは魅力満載でした。文句なしの5つ星(当サイト基準)です。