ヨーロッパ(大陸)でのドライブは、日本とは反対側、つまり右側通行に慣れるのに人によっては時間がかかるようですが、それ以外は特段国内でいるのと同じような感覚で運転できるのではないかと思っています。戸惑うのは、スピード感とあとは土地勘ですかね。わからない土地、英語表記があるとはいえ慣れない言語による道路標識、確かに戸惑要因ではあります。
そしてもうひとつ我々日本人に馴染みがない概念として「ラウンドアバウト」というものがありますね。慣れないと戸惑うのですが、一旦慣れてしまうとこんなに合理的かつ便利なシステムはないと思います。
だいたいどこのヨーロッパ諸国でもこちらの標識で「ラウンドアバウト」が表されてます。ちなみにフランスだとちょっと標識が違います。でもしくみは全く同じ。
ではいったいどのような仕組みなのか。
そんな「ラウンドアバウト」がどういう仕組みかを説明する前に、日本では見かけないこの標識の意味を理解しておく必要があります。
これ「前方優先道路・徐行」という意味です。
決して「一旦停止」ではないことに注意。
実は「ラウンドアバウト」って、結局のところ、この「前方優先道路・徐行」と「左回り」が融合されたもの、これ一発で理解可能って思うんですよね。
そこでもう一度ラウンドアバウトの入り口を見てみましょう。
※ハンガリー・ブタペストのラウンドアバウト
例外もありますが、だいたいのところでは「ラウンドアバウト」の標識とセットで「前方優先道路・徐行」があります。
ラウンドアバウトにおける前方というのは、ラウンドアバウトの中そのもの。つまり、
- 前方=中のひと優先 → 入る前に徐行
- 中は左回り(イギリスは右回り)
- 一旦中に入ったら、自分が優先なので入ってくる人に気を使わなくていい
ということになります。もっと実践的な感じで言い換えると
- 中に入る前に徐行して左前方を見る → 中にクルマがあるかチェック
- 左側からクルマが来てたら一旦停止する
- 左側からクルマが来てなかったら一旦停止せずそのままラウンドアバウトへ入る
- 中にはいったら中にある車以外は気にせず自分が進みたい方向に進む
そう思って、あらためてこちらのアニメーション(wikipediaより)を見ると、なぜ一旦停止しているクルマがあったりそのままラウンドアバウトへ入っていくクルマがあったりするのかが理解できるのではないでしょうか。
例えば下から来る青いクルマは、そのまま一旦停止せずに中へ入ってきます。その直後右側から来る黄色と緑のクルマはきちんと一旦停止して既に中にいる青いクルマが通過するまで待っていますね。
(追記:右側から来る黄色のクルマのウィンカーも注目、ラウンドアバウトでの左折の典型例です。)
多少の慣れはもちろん必要ですが、日本人がこのラウンドアバウトが苦手なのは、その仕組そのものではなく、繰り返しになりますが、「前方優先道路・徐行」という標識が存在しないことが大きいのではないかと思います。なにがなんでも「一旦停止」というのがある意味弊害じゃないかと思っているくらいです。
さてさて、そんなラウンドアバウト、最大のメリットは、
「非効率な一旦停止がない」
これに尽きると思います。混雑しているときには仕方ないにしても、そうでないときは極めてスムーズに移動することが出来るのです。日本の運転で嫌なのは、無意味に信号に捕まったり一旦停止させられたりしていちいちクルマを停めなければいけないことだと思っています。
またその他のメリットとしては、必ず交差点で徐行、そして優先権のルールも明確であるため、事故が減るという統計が出ていること、これも挙げられると思います。
十字路交差点やトラフィックサークルと比較しても、ラウンドアバウトは安全性が高く、従来型十字路交差点をラウンドアバウトに変えたアメリカ合衆国のある場所の調査では、自動車事故が40%減少、軽傷者80%減少、重傷者・死亡者90%減少[要出典]という結果を出している。(wikipediaより)
あとラウンドアバウトで便利なのは、Uターンがしやすいってことですねー。
ぐるぐる一周してしまうので、目が回っちゃいそうになりますけど(笑)見知らぬ土地で道を間違えることもたくさんありますので、本当によく使わさせてもらってます。