先日、木場にある東京都現代美術館にいってきました。
ちょうど大学院で東京に来た時に一度訪れて以来の訪問。
ちょっとバブルな香りもする大きな建物なのですが、広い敷地に趣向を凝らした作品が程よく展示されているので、自分の中では都内にある美術館でもとても気に入っているところのひとつでもあります。
特に特別展、こちらがとっても素晴らしかった。
トーマス・デマンド展
東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/134/1
これといって予備知識もなかったのですが、チラシやポスターに掲載されていた作品がすっごく素敵だったし、
「トーマス・デマンド(1964年生まれ)は、被写体となる状況を自ら制作して撮影する構成写真で知られる、ドイツ現代美術界を代表する作家の一人」
という作風も面白そうだったので立ち寄ってみることにしました。
常設展とあわせて1,000円なので安いほうかも。
まずはルートにそってなんの知識もなく鑑賞。あたりまえですけど、チラシやポスターに掲載されている作品の素敵さをまったく裏切らない、実際の作品はそれ以上の魅力がありました。
作品自体は30点ちょっと、ひと通り見終えてさあ帰ろうとしたところに、このような作品の解説が書かれたパンフレットがおいてあったのであらためて手にしてみると…、
デマンドは主に政治的、社会的事件が起きた現場の風景を、写真をもとに厚紙で精巧に再現し、それを撮影します。
このパンフレットには、ひとつひとつの作品にどういった「意味」があるのか「社会性」があるのか、具体的に意味や社会性が解説されていたわけではありませんが、この作品がどういった場面を撮影したものなのかについて詳しく解説されているので、想像するには十分な内容。
まったく知識がなかった最初の鑑賞時は、
「ひとつひとつ模型を作ってから撮影するってすごい手間だなー」
「すっごくきれいー」
くらいな感覚、いい意味でいえば純粋に作品を楽しむことができたわけですが、あらためて展示を一から見るとまた違った見え方がしてとても興味深い。
僕は、音楽でもそうなのですが、芸術作品ってあれこれうんちく語られるのはあまり好きじゃなくてあくまでも自分の直感でありのままに鑑賞して楽しみたいって考えるほう。
しかし、作品の背後にある考えや動機を知っての鑑賞も面白いものだなあってあらためて思いました。
彼の作品にはどのような「意味」や「社会性」があるのか、知りたい方はぜひとも美術館に足を運んでみてください。