2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」 3-5章:オルナンとクールベ美術館、印象派展

2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」
2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」

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訪問日時:2016年7月21日、午後3時頃

画家クールベの故郷へ

フランシュ・コンテ地域圏紀行が続きます。今回ご紹介するのはジュラ県にある小さな街「オルナン」を訪れたときのお話。

以前この地域圏に来たときはフランスの最も美しい村訪問の真っ最中でした。スイスにあるレマン湖の南側の一部はフランス領になっています。その場所にイヴォワールという美しい村に選ばれている村がありました。

その後、レマン湖の西にあるジュネーヴ、ジュネーヴはスイスですね。そこから高速道路に乗りレマン湖の北側にあるローザンヌへ、そこから北に向かうとふたたびフランス領、ジュラ県に入ります。ジュラ山脈を谷間をブザンソン方向に向けて進んでいくと、ロードというこちらもまたフランスの最も美しい村に選ばれている小さな村があります。

このローザンヌ・ブザンソンを結ぶ道は、別名「クールベ街道」とも呼ばれています。(オルナン市内のクールベ街道の様子)

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その名は、フランスの印象派の画家たちに大きな影響を与えたと言われる「ギュスターヴ・クールベ」に由来しています。というのは、この地方にある「オルナン」という街が彼の生まれ故郷だからです。

以前美しい村巡りをしているとき、上で紹介したロードを鑑賞した後にその時の宿泊地であったブザンソンへ向かっている途中にこのオルナンという街を通過。しかし、時間の都合上立ち寄ることはできず、その時はそのまま通り過ぎざるを得ませんでした。

クールベ美術館、ノルマンディ印象派展関連のイベントがここでも

今回、グルメツアー企画であれこれ調べていたところ、ジュラ県内にもミシュラン2つ星オーベルジュを見つけたことから、ここへの宿泊を含め、ジュラ県巡りの一環としてオルナン再訪を決意。

しかし、さらにもう一つ新たな訪問動機がこの旅行中に発生しました。それは、この旅の前半ノルマンディーで印象派フェスティバル巡りをしていたときに生まれたもの。

そのフェスティバルを巡る中で、クールベは、ジュラ県という内陸部出身ですが、パリで絵を勉強したあと、バルビゾンへ移り住み、その後、ノルマンディーへ、そこで印象派の魁となった外光派のブーダン、そしてモネといった印象派として活躍していく若い画家の世代に多大な影響を与えた画家であった、ということを知りました。

そして、なんと関連した特別展が、彼の生まれ故郷オルナンにあるクールベ美術館(彼の生家だそうです)でも開催されていることのことでした。

特別展のサイト:Courbet et l'impressionnisme

クールベは、1819年、オルナンに裕福な地主の子として生まれました。絵は地元のカトリック系の中学校で習い始めたそうです。21歳になると、父の勧めでパリのソルボンヌ大学へ行き法律家を目指しますが、彼自身は父の意に反し画家を目指すようになりました。

ちなみに彼の生家がクールベ美術館となっています。当時の家を利用しつつも、2011年に拡張工事をして今のような建物になったようです。

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美術館のプロムナードの様子。

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前述したように、クールベは印象派の先駆者のひとりだと言われています。

印象派は、これまでの伝統的な写実主義、アトリエにこもって絵を描くというスタイルから、新しい芸術の道を切り開くべく、すなわち外に出て絵をその流れの中心にいたのがクールベでした。ちょうどクールベがノルマンディーへ移り住んだときには、ブーダンが外光派と呼ばれる手法、いわゆる外で絵を描くスタイルを始めつつありました。

クールベは、そんな彼らとともに活動することで、彼自信の、自然豊かな森や山の中で育つことで培ってきた、柔らかくも力強い画風と、ブーダンたちの、ノルマンディーの海岸の景色からインスピレートされる色調豊かで明るい色使いを主体とした画風、これらが影響しあい融合されていく中で、後のモネやルノアールといった印象派画家の画風につながっていったと言われています。

今回の特別展ではこうした経緯などを伝えることが目的だということです。

特別展のサイトより:Courbet et l'impressionnisme

残念ながら写真は撮影はNGでしたので、内部の様子をお伝えするため、ウェブサイトの画像を引用させていただきました。

オルナンの街を散歩

美術館鑑賞後は、オルナンの街の中を少し散歩してみました。散歩とってもとても小さな街なので、ただ歩くだけなら1時間もかかることはないと思います。街の中を川が横切る光景はとても素敵でした。

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観光客はそこそこ、いや小さな街にしてはまずまずいた方だったのかもしれません。

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観光案内所もありますので、こちらを利用すればより楽しい旅ができることでしょう。自然を活かしたアトラクションなどもあるようでした。

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我々は40分程度散歩、これでオルナン観光は終了。

最後に駐車場ですが、美術館直ぐ側の公共スペースに停めることができました。この建物の裏側です。写っていませんが写真の左の方にクールベ美術館があります。駐車場は無料でした。

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この日の観光はこれで終了。このあとは宿泊地アルボワに向かいました。その様子は第二章のグルメ編で詳しく描かせて頂きました。

そして、第三章はまだまだ続きます。(次回へ続く)

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