久しぶりの更新ですが、元気でやっています。たしかに東京でも大きな揺れでしたが、建物には被害もなく、そして私の家も本などが散らばっていた程度で、PCをはじめとする精密機械も無事でした。
あの大地震から1週間がたちました。震災直後電車が完全にストップ、都心で働く私も徒歩による帰宅を余儀なくされました。私のオフィスから自宅までは24km程度、しかし予想以上に冷静でいられたのは、
- 普段車を乗っているので都内の道をよく知っていた
- マラソンで体を鍛えていた
- 同様に24kmという距離がどのようなものなのかすぐに想像できた
- iPhoneをWiMAXで利用できた
- Twitterによる交流、情報収集が常にできた
からだと思います。やはりマラソンの効果は大きかったなあと思っています。以前だったらこの距離に愕然としていたかもしれません。
改めて実感した価値観の違い
さて、震災後の生活、なんだか町の見方、人との接し方がガラリと変わった気がします。いい意味でも悪い意味でも「日本人らしさ」を垣間見ることができた1週間でした。
非常事態における行動の仕方、対処の仕方、人との接し方、そして仕事に対する考え方。
そのなかでも最も戸惑ってしまったのは、「SNSに慣れ親しんでいる、ネットに慣れ親しんでいる」人と「情報はテレビ中心、新聞中心」の人たちの感覚の違いです。
被災状況などの受取り方も全然違うんですよね。
例えば私の場合、twitterを通して知り合った仲間、特に昨年夏に開催した「粒谷区立管弦楽団サジタリウス」を通して知り合った仲間のうち、何人かは実際に被害を受けられたのですが、そのうちの一部のメンバーの投稿を通して現地の様子を知ることができます。
これが思った以上に自分たちを安心させてくれるんです。
現状はまだまだ大変だと思うのですが、日々少しずつ日常に向けて復旧している彼らの「姿」をtwitter上で確認することで、逆にこちらが勇気付けられるくらいです。
しかしその一方で、街を見渡せばあちこちのスーパーをはしごして食料品や日用品を買い占めている人の姿も多く見られるわけです。普段あまり車を乗らないにも関わらず今日も街のガソリンスタンドは車の大行列が絶えないという話もtwitterから流れてきます。
そして、「この三連休はなにもできなくなっちゃったなあ」という意見、会社でも身の回りでも多く聞かれました。
情報の量とスピードの違い
SNSもさることながら、とにかくいろいろと情報が伝わるのも早いしまとまってくるのも早い。ここ最近トレンドになってきてる「クラウド」を活用した情報発信も多くなりました。その代表といえば例えば、
- 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html
- グーグル社員、勤務時間の20%で地震被災者を技術支援 国際ニュース : AFPBB News http://t.co/Z8TMaWx
でしょう。Google DocsやMapあらゆる「共有」ツールを駆使して様々な情報を集約、発信しています。本当にこちらのサイトの日々の更新には目を見張ります。今は毎朝ここを見るのが習慣になりました。
大事な情報が自然と選ばれ洗練されていく様子
福島の原発も非常に心配される状況ではありますが、そもそも放射能、放射線とはどのようなものなのか、それはどのように人体や環境に影響をおよぼすのか、最悪の自体を想定した場合に自分たちの住んでいる街はどうなるのか、そしてどう行動するべきなのか、ネットでは情報が交錯はするものの、冷静な専門家による分析もなされ、わかりやすく解説され始めています。
福島原発の放射能を理解する http://t.co/9rAiBFT
ネットはたしかにデマが多いのですが、特に速報性の強いメディアはそんなデマが収束するスピードもとてつもなくはやい。さらにtwitterに慣れている人は適切に公式RTができ、かつ信ぴょう性の薄い情報について、誰が発信しているのか等「信頼できるソースはどこか」を明らかにするという意識が強いので、なおさら洗練されやすい環境にあるのでしょう。
そして、私自身も含め、みな学習している様子、twitterによる情報発信が進化しているのではないか、そんなふうにも感じます。
原発に関する情報はひとつの例かもしれません。
こちらに関しては無理解によるデマも多く、混乱状態のなか、流速の早いメディアにおいてやがて大事な情報が自然と選ばれ洗練されていく様子をこの長いようで短い1週間で数多く目撃しました。
また、どうやらテレビ等では福島や茨城の方でも甚大な被害にあっていることをあまり報道していないようです。しかしtwitter上ではいち早くこれらの地域の被災状況も伝わってきます。
うちの会社でもいらっしゃいましたが、今でも茨城県や千葉県の一部で大きな被害にあっているところがあることを知らない人は多いようです。
人とふれあうことによる安心感、そして情報交換
まだまだ大震災前の状況に戻るには長い時間がかかりそうですが、ふさぎこんでいても仕方ありませんし、かえって日本が消沈しているように世界が受け取ってしまってもなんのメリットもありません。正直直接的にお手伝いすることができない我々にできることは、とにかくいつもどおりの生活をしているということをアピールすることだと思います。経済的にもいいことはまったくない。
また、こんな時こそかえって多くの仲間と一緒に食事したりお酒を飲んだりしたほうが安心できます。僕も先週末震災直後に何人かの仲間とあってとても心が救われました。
さらに人と直接会うことによって、いろいろ交錯している情報を再確認できるのも大きな強みです。あたりまえですが、同一のソースを見ていても各々解釈や考え方が違う。それを確認しあい、さらに自分の理解を深めることも大切だなあと思いました。
計画停電もまだまだ続く見込み、以前の生活に戻れる日は来るのか、いまのところ全くの目処は立っていませんが、もう起こってしまったことは仕方が無いので、現実を受け止めつつも過剰に気にせずいつもどおり行動できるように心がけたいと思います。
P.S 節電生活が意外と快適です。停電は厳しいですが…。