静かな森のなかにある美術館、世界有数のゴッホのコレクションがここに。
訪問日時:2015年10月30日、天気:晴れ
念願のクレラー・ミュラー美術館
世界的なゴッホのコレクションが集結していることで知られる「クレラー・ミュラー美術館」。ここへの訪問は長年の夢でした。これまでなかなか機会に恵まれず訪れることができないでいましたが、ついにその夢が叶う日がやってきたのです。
「クレラー・ミュラー美術館」は、エレーナ=クレラー・ミュラーという方が生涯をかけて作り上げた美術館です。ここにあるコレクションは、彼の夫アントン=クレラー・ミュラーが、1907年から1922年の間に買い集めた11,500展ものコレクションが元になっています。この所蔵数は20世紀の個人所蔵の中でも最も多い数だとのこと。
クレラー・ミュラー美術館が開館したのは1938年のこと。美術館の原型はベルギー人建築家アンリ=ヴァン・デ・ヴェルデによって設計されました。さらに1970年には、オランダ人建築家のヴィム・クィスト設計の別館が新たに加わりました。
この美術館の主要なコレクションは、なんといってもゴッホ。[highlight]「夜のカフェテラス」「アルルの跳ね橋」[/highlight]といったゴッホの代表作を含むおよそ90もの作品を所有しているようです。それ以外にも、モネ、スーラ、ピカソ、モンドリアンといった画家の作品もあります。庭にはロダンやムーアの作品も展示されています。主に19世紀後半から20世紀にかけて活躍した偉大な芸術家の作品が数多くある世界でも有数の美術館の一つに挙げられると思います。
公式サイト:クレラー・ミュラー美術館 http://krollermuller.nl/jp
そんな素晴らしい美術館ですが、ネックはその立地。
オランダはさほど広くない国とはいえ、たとえレンタカーを借りていてもどの主要都市からも遠いため行きづらいのです。計画が立てづらいです。長年来れなかったのもこの地理的な理由によります。しかし、今回はここをメインに観光ができるよう日程を工夫しました。
広大な国立公園
ゴーダを出発しておよそ1時間半ほどで、この美術館のある森に到着しました。
ここは「デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園」というとても広い公園になっています。敷地内にはクルマのまま入ることができますが、入り口で車専用の入場券を買わなければいけません。ここで、合わせてこの公園内にあるクレラーミュラー美術館をはじめとした施設の入場券をセットで買えます。
チケットを購入して、いざ紅葉で大変美しい森の中に入っていきます。
広大な敷地、徐行運転が原則ですが、クルマだと入り口から5分弱でクレラーミュラー美術館近くの駐車場に到着しました。既に入場料を払っているのでここでの駐車は無料です。
ちなみにこの公園内はレンタサイクルもしているようです。これを借りて中を一日中散策も楽しそうです。自転車を持ち込んでサイクリングを楽しんでるご家族連れもたくさんいました。
ついに美術館の中へ
さあ最大の目的の美術館へとまっしぐら。
入り口で既に購入済みのチケットを提示して中へと入ります。
日本人の観光客もいたので、おそらくツアーでの定番ルートになっているのでしょうか。後日聞いたのですが、3年前に私たちの両親もここを訪れたようです。
ここには多くの画家のコレクション揃っていますが、まずは何もいってもゴッホでしょう。早速ゴッホの展示室へと向かいました。
遠くから見ても傑作揃いなことがすぐわかります。人もそう多くなくて鑑賞しやすかったです。なお写真撮影はOK。ただしフラッシュはNG。ヨーロッパの美術館はこういうところがゆるくてよいですよね。
以下で、いくつかゴッホの作品をご紹介。一番の人気はやはりこの作品「夜のカフェテラス」でした。一番の人だかりができていました。といってもたかだか数人程度なので鑑賞に困ることはありません。
続いては「アルルの跳ね橋」。ここを見入っている人はあまりいなかったような気がします。日本で特に有名なのかもしれません。
ミレーの種まく人をモチーフにした名前も同じ「種まく人」は、一番最初にこのゴッホギャラリーに足を踏み入れた時に見ることができる作品のひとつ。
その他のゴッホ作品も非常に質が高かったです。クレラーミュラー氏の選定眼は素晴らしいとしか言いようがありません。
他の作家の作品としては、前述しましたが、モネやスーラといった印象は作品、そしてキュビズム時代のピカソのものがありました。一部ブラックの作品もあったと思います。いずれも質が高くて驚きました。
さて、この美術館、解説がシンプルで丁寧なのも魅力的。
別のウォールでは、ゴッホの作品売上額の年譜などもわかりやすく整理して紹介していました。とてもよいインフォグラフィックでした。
ゴッホファンならずとも訪れる価値のある素晴らしい美術館であることに街街ないでしょう。長年の夢が叶い、感無量でした。
それにしても、いいところにはいい作品が揃っている。こういう美術館に訪れることができるのは、まさに欧州旅行の醍醐味。思えばこうした体験がしたい、もともとヨーロッパ旅行に興味を持ったきっかけを思い出しました。これこそ原点でした。
公園内のその他の施設
充実した美術館鑑賞を終えたところで午後の1時。お腹がすいたので、公園内の別施設にあるビュフェレストランで昼食にしました。ここまではクルマでの移動です。なにせ広い敷地ですから。
本日のお昼はサラダビュフェに。
よくわからないオランダ風クレープ的なもの。お肉の煮込んだものをクレープと共に食べるスタイル。オランダでは代表的なものなのでしょうか。味は微妙でした。
なお、このレストランはビュフェ形式ですが、メインの多くは都度オーダーして作ってもらうスタイルでした。日本のフードコートのように注文時にこのようなアラーム付きの機械が渡され、一旦お支払いをした後しばらく席で待機。料理ができあがるとこのアラームがなってカウンターまで再び取りにいくスタイルでした。
こういった機械って海外だとホントになるのか不安になるのですが、今回は大丈夫でした(笑)。
食事を終えて、最後にもうひとつ教会?らしき建物を遠くから見学。
この内部を見学するにはガイドツアーに参加する必要があります。実は入口の時にガイドツアーも申し込んでいたことが後でわかりました。しかしゆっくり美術館を鑑賞してしまったので、指定された時間を過ぎていたのでした。無念。
そして、デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園を出発。
この日の観光はこれまで。ここからおよそ3時間かけて再びドイツへ、ハノーファーを目指します。ここで友人と落ち合う予定。時間間に合うかな。(続く)