ドイツと飛び地巡り2015年秋 番外編1:ドイツの運転事情「アウトバーン」
観光編以外にも数回にわたって、ちょっとした小ネタを書いてみます。第一回目は「ドイツの運転事情、道路事情」についてです。
ドイツと言えばやっぱり「アウトバーン」
なんといってもこれですよね。まずはこのアウトバーンについて書いてみます。
「アウトバーン(Autobahn)」とはドイツ語で高速道路の意味。アウトバーンといえばドイツの高速道路のことを差す、という思っている人が多いと思いますが、実は同じドイツ語圏のオーストリア、スイスでも高速道路のことをアウトバーンと呼びますので、必ずしもドイツの高速道路を差す固有の呼び方ではありません。しかし、以下ではアウトバーン=ドイツの高速道路として書いていきます。
アウトバーンは、もともと第二次世界大戦前、ナチスドイツの国策の一つとして建築されたものでした。となると、軍用の輸送目的のため?と思ってしまうのですが、実際には、トラックや自家用車などの新たな自動車交通手段を改善し、そこからドイツの勢力圏に道路交通を通じた経済・文化的影響力を波及させることに重点が置かれていたとのこと。当時の軍用の輸送力は鉄道には劣っていたようで、自動車道路はまだ輸送の主力とはみなしていなかったようです。
アウトバーンは、世界で初めての本格的な高速道路ネットワークでした。この建設が、ドイツを後年、世界屈指の自動車大国に成長させていく過程での大きな礎になったことは間違いないといえるでしょう。
(以上、wikipediaをもとに一部加工して作成)
本当に制限速度はないのか
アウトバーンといえばまず何と言っても[highlight]「制限速度なし」[/highlight]の印象がとても強いですよね。基本その通りですが、一応、推奨速度130km/h(※制限速度ではありません)というものが設定されています。
※推奨速度は、青い四角、白抜き文字で表示されます。
とはいえ、アウトバーンの全部が制限速度なしではありません。
- 大きなジャンクション付近
- 大きな都市の近隣
- カーブやアップダウンがきついところ
- 工事区間
などを中心に制限速度が120km/hないし100km/hになることがあります。そして、実は結構この制限速度区間に遭遇します。
特に、今回走ったところがたまたまだったのかもしれませんが、アウトバーンは工事が多かった印象を持ちました。ヨーロッパのいろいろな国の高速道路を経験しましたが、特にドイツは多かった方ではないでしょうか。
一体、何km/hまで飛ばせるのか
実際にどの程度までスピードは出せるのでしょうか。
クルマの性能に依存
200km/h以上を出せるかどうかは、クルマの性能にかなり依存すると思います。やはり、ポルシェ、Audi、ベンツ、BMW、このあたりのクルマがレンタルできたのであれば、200km/h以上を出すことは十分可能だと思います。ちなみにとにかく抜かれるクルマはAudiだらけだったので、Audiはこれら車種の中でも特にスピードが出やすいクルマなのかと思います。
※2010年の時はBMWを借りることができました。
コースレイアウトにも依存
これも当たり前の話ですが、アウトバーンのレイアウトにも依存します。かなり長い直線、下り坂、そして空いている場合であれば、非常にスピードが出せます。もちろんそんな区間は実際には多くはありません。でも確実に存在します。僕もそういうところでは、ちょっと頑張ってみて200km/hを出してみました。なお、道路の幅は十分に広いです。
制限距離無制限区間の平均速度は150km/h前後
実際に走っている感覚だと、トラックやバスなどの大型車を除いて150km/h前後で走っているクルマが多かったです。したがって、160km/h以上で走っていると追い越し車線に移動することが多くなります。さらに180km/h以上で飛ばすと、時折もっと速い車(ほとんどがAudiです!)来ますので、その場合はその都度走行車線に戻る必要がありますが、ほぼ追い越し車線をずっと走行している感じです。
結局、すぐに前の車や制限速度区間に速く追いついてしまう
ということです。制限速度なしで飛ばしていてもすぐにこうした制限速度区間に着いてしますし、速く走れば走るほど遅い車に突っかかってしまうケースも増えるため、実際にアウトバーンを走ったドライバーは、予想以上に飛ばせない印象を持つのではないでしょうか。結局のところ、[highlight]平均速度150km/hに落ち着く[/highlight]のだと思います。
日本では体験できないスピード感を味わえますが、やはり、150km/h(それでも十分速い!)で走り続けるのが精神的にも楽で安心だと思います。
その他の特徴
その他に気がついた点を書いてみます。
アウトバーンは無料なの?
全線無料です。オーストリアやスイスのように「ヴィニエット」は入りません。
サービスエリアはどうなっているの?
もちろん50kmくらいに1つは設定されていますが、フランスやイタリアほど多くない印象です。サービスエリアは、ガソリンスタンド、パーキング、売店、レストランなどが併設されています。パーキングのみのエリアも結構存在します。このあたりは他のヨーロッパ諸国と同様です。
※今回の旅で、サービスエリアに立ち寄った際にいただいたカリーブルスト
アウトバーンのマナー
非常に良いと思います。
- 追い越し車線にずっといるクルマはいない ← すぐに速いクルマ(Audiやポルシェ)が迫ってきます
- 遅い車は積極的に右側(走行車線)に寄り、道をゆずる
- 必ず左側から抜く
- 車線変更がスムーズにできる、強引に割り込まれたくらいで怒る人やクラクションを鳴らす人は皆無
日本人も見習うべき点がたくさんあるでしょう。
いずれにしても、日本の高速道路とは比較にならないほど快適なドライブができると思います。ただし、スピードには慣れが必要ですので、結構勇気も必要です。