タイトルが長くなりましたが、2017年ゴールデンウィーク旅行記の記録、「スペインの最も美しい村」シリーズの次は世界遺産巡りです。今回は、17の世界遺産を訪問してきましたが、このうち6つは一度訪れたことがある場所でした。したがって、新規訪問先は11箇所となります。ですが、全17箇所を順次ご紹介していきます。
まず第3部で最初にご紹介するのは、ポルトガル北東部にある「コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群」です。
コア渓谷とは
イベリア半島には、数多く存在する後期旧石器時代の作品が発見されています。コア渓谷に残る岩絵遺跡はその代表的なひとつとして知られています。
コア渓谷の絵画は25,000年前から発展していったと言われています。絵画が書かれて時代は大きく2つ – 後期旧石器時代、そして第二鉄器時代 – であったとされています。
見学するにはガイドツアーで、事前予約が必要
さて、このコア渓谷に残る岩絵ですが、同じく世界遺産に認定されているアルタミラ洞窟やラスコー洞窟などとは対照的に、現存する岩絵のうち3つのエリア(Canada do Inferno, Riberia de Piscos, Penascosa)が一般公開されており、ここをガイドツアーで見ることができます。
ガイドツアーは、9時00から12時30分、そして14時から17時の間に行われるようです。ツアーの時間は3時間程度なので、午前、午後それぞれ1回ずつでしょうか。お休みの日は、月曜日、1月1日、5月1日、12月25日となっています。
ただし、もちろん事前予約が必要。メールか電話で可能のようです。メールが便利でしょう。ツアーの時間は3時間程度だということです。
なお、事前予約が要ることは一応ここへ来る前に何となく知っていたわけですが、正直、公式サイトを現地で、しかもスマホで見ただけだったので、どう予約してよいのかさっぱりわかりませんでした。(結局メールして聞く以外なかったみたいです。)
公式サイト(英語あり):http://www.arte-coa.pt/
こちらのほうが見やすいか:https://www.visitportugal.com/pt-pt/content/museu-do-côa
結局のところ、このガイドツアーの予約は、電話またはメールで行うようです。あるいは、現地のコア博物館(Museu do Côa)の窓口へ行って直接予約することもできます。
現地の博物館を、地図と写真をご紹介しておきましょう。まずは場所から。この博物館は、Nila Nova de Foz Coaという街の郊外にあります。
この博物館への道については、案内板等が一応ありましたがかなり目立たないので、以下に場所のリンクを張っておきます。
僕は実際にこの方法にならざるを得なかったのですが、日程が合わず断念しました。しかし、いずれにしても現地おすすめしません。なぜなら当日予約ができればまだ御の字ですが、ガイドツアーの回数が少ないので、その日のツアーに参加できない恐れがあるからです。
そうなるとまた後日戻って来ることになりましが、いかんせんこのあたりは特に観光地もないので、時間を潰すのが難しい。よって(特に日本人のように旅行期間が短い場合には)大きなタイムロスにつながる、ということで、やはり事前予約がよいと思われます。
ガイドツアーで実際の岩絵を見ることができるのは、Nila Nova de Foz Coaという街(僕が最初に訪れた街)の南にあるMuxagataという小さな街からのツアーとなるようです。そこまではおそらくクルマで行くことになるのでしょう。もっともこの博物館まで行くにはクルマ以外の方法はありません。
博物館自体は予約無しで観覧OK
さて、僕は日程の都合が合わず本物の岩絵を見ることができるガイドツアーを断念しましたが、そのツアー申込みの窓口となっているコア博物館(Museu do Côa)は4ユーロ程度で見学することができます。
ここでは、コア渓谷の岩絵の分布(どこに描かれているか)や岩絵が描かれた経緯・理由についての解説パネルが8つほどの部屋に展示されていました。解説は英語もありました。
そもそも人類がコア渓谷に定住していたのは、今から30,000年前から10,000年前だと言われています。それはこのあたりにあった洞窟の跡などから推定されるようです。そのときには馬などの大型の草食動物も住んでいました。そのため、洞窟内の壁画にはこうした動物の絵が数多く描かれたいたとされています。
後期旧石器時代の絵画に関する最初の説明は、19世紀中期ころから始まりました。ちょうどこのような遺跡が発見された初期の頃となります。なぜこうした絵画が書かれたのかには諸説あるようです。
自分が展示や現地で購入してきたパンプレットなどの情報からの理解では、狩猟がうまくいくよう、といった呪術的な目的から、狩猟が成功したことを祝うお祭り的な目的まで。あるいは、洞窟に絵を描く事によって、自分たちのテリトリーを主張していたなど、そんな考えもあるようです。
しかし、いずれにしても、後期旧石器時代の人々は、洗練された美しい芸術作品を作り出すための十分に発達した能力を有していたということには間違いないだろうと考えられています。
博物館のテラスから見るコア渓谷の眺めが最高でした
さて、こちらのコア渓谷の博物館ですが、その屋上のテラスからコア渓谷の景色を一望することができます。素晴らしい景色です!お見逃しなく。
また、博物館内にはとっても素敵なレストランもありました。ガイドツアーとこのレストランを利用すれば十分1日を過ごすことができると思います。
Nila Nova de Foz Coaという街の様子
なお、この渓谷の入り口にある街「Nila Nova de Foz Coa」もいかにもポルトガルらしい雰囲気のきれいな街でした。
僕はこの街で昼食をいただきましたがとてもよかったです。その様子については別の記事で紹介予定です。
ホンモノの岩絵こそ見られませんでしたが、コア渓谷の素敵な眺め、そして美味しい地元のレストランも満喫でき、とても満足の行く滞在となりました。(続く)