2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」 1-6章:印象派フェスティバル ル・アーブルのアンドレ・マルロー美術館

2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」
2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」

印象派フェスティバル最初の会場

前回ご紹介した印象派フェスティバルのイベント訪問記事の第一弾が、初日の宿泊地ル・アーブルにある「アンドレ・マルロー美術館(MuMa – Musée d’art moderne André Malraux)」です。

ここで行われていたイベントはこちらになります。

Eugène Boudin, l’atelier de la lumière

MuMa, Musée d’art moderne André Malraux, Le Havre, du 16 avril au 26 septembre 2016

美術館の場所は、市街地エリア南西側の港付近にあります。

印象派に多大な影響を与えた外光派ブーダン

そして、今回の主役は「ユジェーヌ・ブーダン(Eugène Boudin)」。

彼は「外で絵を書くのがいいよ!」というスタイルの外光派の一人であり、後の印象派の画家に大きな影響を与えたと言われています。モネに外で絵を描く、ということを教えたのだそうです。外光派を皮切りに外で絵を描くになったことから、彼らの描く絵はこれまでの絵画と比べるととてもカラフルなものとなりました。しかし、当時はまだ斬新過ぎるということで、初期の頃、絵はほとんど売れなかったということです。

ブーダンの絵の多くは故郷ル・アーブルの港、海岸線、ビーチを描写したものが多く、色合いは明るくて柔らかな水色が多い印象、また夕暮れ時のこれまた柔らかい印象がある海の描写もとても美しかったです。ゆっくり見たのは初めてかもしれません。

本展覧会の中心は、もちろんブーダンなのですが、1860年代に彼とともにノルマンディーに住み海や港の絵を外で描いていたモネやルノアールなどの作品も一部展示されています。

この日に訪れてきたばかりのル・アーブルからほど近いエトルタの絵も多く展示されていました。

こちらの展示を先に見ていたら、エトルタの印象も随分と変わったのかもしれませんね…。

またモネ以外の印象派でシスレーの絵もいくつかありました。ワタクシ、シスレー大好きなんです。

オルセー美術館に次ぐコレクションの数々

このMuMaには彼の作品が325展と豊富にそろっています。オルセー美術館に次ぐ規模なのだそうです。ちなみに彼の生まれ故郷オンフルール、彼はオンフルールで育ちそこで絵を学び画家になりました。彼の名を冠した美術館「ブーダン美術館」があります。ただし、ル・アーブルのMuMaのほうがコレクションが多いとのこと。なお、そこでも印象派フェスティバルのイベントが行われていたので、ル・アーブル訪問の2日後に行きました。

ブーダンは1898年にパリでなくなるですが、その2年後に彼の作品が彼のお兄さんによってこのMuMaに寄贈され、現在に至ります。MuMaでは彼の最初の回想展を彼の死からわずか8年後の1906年に開催しています。またブーダンは、このル・アーブルで育ち絵を学んだ、20世紀初頭に活躍したラウル・デュフィ、ジョルジュ・ブラックといった画家にも影響を与えたと言われています。

この展覧会には、MuMa所蔵の絵が中心ですが、一部は、このフェスのために他の美術館、例えばオルセー美術館などから借りてきているものもありました。このあたりのある種の本気度は、このフェスティバルをより面白くしている要因だと思います。

とりわけパリのオルセーは混んでいますからね。ここはヴァカンスシーズンとはいえどもパリ程は混んでいない、いやむしろとても空いているので、ゆっくりと鑑賞が出来ていいです。

初日から大充実の予感の印象派フェスティバル、到着初日ル・アーブル観光はこれにて終了。まだまだ旅ははじまったばかり。(続く)

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