訪問日時:2017年4月30日、午前10時頃
今回のリスボン観光で一番印象的だったところ。アルメニア人石油王の膨大なコレクションに圧巻。
リスボン観光初の本格的美術館鑑賞へ
リスボン滞在最終日に訪れたのは「グルベンキアン美術館」です。リスボンは9年ぶり2回目の訪問でしたが、その時は全く美術館鑑賞、特に絵画中心の美術館鑑賞を行うことができませんでした。
グルベンキアンとは、イスタンブール出身のアルメニア人で、石油王として財を成し、晩年をリスボンで過ごしたという大富豪。芸術品のコレクターとしても著名だったそうで、彼の死後、その膨大のコレクションはポルトガルに寄付されたということ。そんな彼のコレクションを集めて1969年に設立されたのがこの美術館だということです。
Calouste Gulbenkian Museum: websiteはこちら
この美術館のある敷地は美術館を管理しているグルベンキアン財団の敷地の一角にあります。なおグルベンキアン財団は美術館の他にもオーケストラ、バレエ団などを所有するなど数多くの芸術活動を行っているようです。こうした財団がポルトガルに存在することは知りませんでした。非常に興味が湧いてきます。
近現代アーティストの作品を集めた「Modern Collection」
はじめに我々が訪れたのは財団敷地の北側にある「Modern Collection」の棟へ。ここにはポルトガルに関係のある近現代アーティストを中心とした常設展(もしかして特別展だったか?)をやっていました。
規模も大きくコレクションも多くありました。ひとつひとつの作品、芸術家のことは詳しくわかりませんでしたが、見ごたえはとてもあり大満足でした。アートの世界は幅広い。まだまだ勉強が必要です。といいますかそんなに勉強したことないので、なんとかしたいとは思っています。
グルベンキアンの遺産を集めた「Founder’s Collection」
続いては「Fonder’s Collection」の棟へ。ここは最初に訪れた「Modern Collection」の棟から少し離れた南側に位置しています。
こちらに関してはガイドブック(地球の歩き方など)でも掲載されるなど情報も多く、そして先程の「Modern Collection」よりも人が多いです。やっぱり現代画はわかりづらいからでしょうね笑。
チケットは先程「Modern Collection」の方で購入した共通チケットで入れました。(もちろん最初に買うときにFonder’s Collectionのほうも行くかと聞かれます。)
さてさてとにかくこのコレクションが膨大過ぎて、個人のコレクションということに本当に驚かされました。
まず入口を通過すると、古代エジプトの考古学関連コレクションから始まり、続いて、中国やイスラムの陶器やガラス細工の膨大なコレクションが集まる広い部屋へと導かれます。このコレクションの量も質もすごい。
さらに展示は続き、少し薄暗い部屋にはこれまた膨大な中世バロック時代の宗教的絵画やレリーフが目白押しです。
そして、ルーベンスやレンブラントの作品も見ることが出来ます。
次の絵はルーベンスの「Portrait of Helena Fourment」という作品ですが、ルーベンスの作品でこういうポートレートはあまり見かけたことがないかもしれない。
このあたりはバロック時代の家具、絵画などのスペース。
彫刻も大変充実しておりました。幅広いです。
さらに時代は進み、19世紀の印象派の作品群へ。ルノアール、マネ、モネなどのコレクションを揃えておりました。
日本や中国のコレクションも数多く存在しました。
最後のコーナーでは、アールヌーボー関連の作品が。ラリック(箱根にもありますね)のコレクションが中心。1895年から1937年に造られた合計169展を所蔵しているとのことです。
圧巻のコレクション、非常に魅力的な美術館でした。間違いなく今回のリスボン観光で一番印象的だったところです。これまで数多くのヨーロッパの美術館を訪れてきましたが、ここは個人的にトップ5にはいる質、面白さ、だと思いました。ただし、とにかく広くコレクションが多いので、混まないうちに、体力のあるうちに、午前中の観光をおすすめします。
ウェブサイトも充実
ところでこの美術館、ウェブサイトも非常に良く出来ています。展示作品の解説ページがかなり膨大です。そして見やすいです。
WebSiteはこちら:
Discover | Founder’s Collection | Calouste Gulbenkian Museum
事前にどのような作品を見ることができるのか、あるいは一度鑑賞を終えた後、気になった絵を確認したい場合にはとても便利でしょう。