photo by Keta – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5
photo by Fernando on flickr: Plaza Santillana del Mar
今年のテーマは、「バスクとバルと美しい村」。
今回はスペインの北部、バスク地方へ
はじめてのヨーロッパでのドライブは2006年のフランス・ロワールの城巡りがはじめでしたから、それからもう10年が経つのですね。このレンタカーを利用した旅行をきっかけに一気に行動範囲が広がり、そして、20代はほとんど運転してこなかったにも関わらず、運転の本来の楽しさに目覚めるきっかけにもなりました。
もちろん今回のGWもドライブができる地域を選択。やはり運転も楽しめてかつ歴史も満喫できるとなると、どうしてもヨーロッパが選択の最有力候補になります。
本年は[highlight]「スペイン・バスク地方」[/highlight]へ行く予定です。
バスクとは、スペインの北部とフランス南西部にまたがる地域で、独特の文化や言語を持つことで有名です。また、WIkipedia情報によれば、バスク州の「1人あたり所得はスペインの州の中でもっとも高い」、「1人あたりのGDPはスペインの平均よりも3割近く高く、欧州連合(EU)の平均よりも4割り程度高い」、「失業率はスペイン全体の失業率を大きく下回っている」など、経済水準は比較的高い地域でもあります。
このような文化的、経済的理由から、現在では高い自治性を保持していますが、スペインからの独立意識がとても高い地域ともいえます。かつては反政府勢力(ETA)などの拠点としても知られ、時折テロなども起こしたこともありました。しかし、フランコ独裁政権崩壊後、自治権を認められたことやその後の経済発展もあり、この10年余りは弱体化しつつあり、2008年5月、ボルドー市内でETA幹部が
逮捕されたことにより徐々に終息に向かってきていると言われています。ということで、普通に観光する分には問題はないでしょう。
バスクで訪れる場所は、ビルバオ、ビトリア、ドノスティア(サン・セバスティアン)といった主要都市とその周辺の小さな村や世界遺産。スペイン内戦で大きな被害を受けた街、ピカソの作品名としても有名なゲルニカにも行こうと思っています。ゲルニカには「ゲルニカの木」くらいしかないかな?
また、バスク地方はフランス側にもまたがっています。いわゆるフレンチ・バスクと呼ばれるところ。ここは以前「フランスの最も美しい村巡り」で訪れたことがありますが、一部、工事でゆっくり観光でいなかった街があったこと、また2014年に新規で追加された村があるので、それらに訪問する予定です。詳しくは後述します。
2011年に訪問したバスク地方の美しい村「アイノア」:https://www.yuu-koma.jp/?p=7295
ちなみにスペイン側でもバスク地方はフランス語が通じる?もっとも英語でなんとかなる気もしますが。簡単なバスク語(あいさつとお礼程度)はメモしておき話せるようにはしておきたいです。
ドノスティア(サン・セバスティアン)は2016年の欧州文化首都
バスク地方でも訪問が楽しみなのがドノスティア(サン・セバスティアン)です。
Keta – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5
街の紋章がとっても素敵。
公式サイト:http://www.donostia.eus/より
ウェブサイトのドメインが.eusなのですね。
さらにドノスティアは、今年2016年、「欧州文化首都」に選ばれています。特設ウェブサイトを発見。
市内の美術館(Musée San Telmoなど)を中心に至る所で関連イベントを行っているようです。ある程度ウェブサイトで調べておき、あとは現地のインフォメーションなどを利用する感じでよいでしょう。バスクはしっかりと日程を取るつもりなので、この街は必ず宿泊したいと思います。日程は現地で微調整、ホテルの場所は出発前にある程度目処をつけておくいつものパターンでいきます。
「欧州文化首都」とは、1983年から始まった制度で毎年ヨーロッパの2都市が選ばれ、選ばれた都市では映画、芸術、音楽など様々な文化的イベントが開催されるとのことです。
欧州文化首都の制度概要
- EU 加盟国の中から、毎年「欧州文化首都」として都市を選定し、年間を通じて様々な芸術文化に関する行事を開催する。
- 当制度は、EU の文化政策において重要視されているEU 域内の緩やかな歴史的・文化的共通性と多様性を重視する「多様性の中の統合」という理念と密接に関連しており、域内の文化的共通性と多様性を同時に表現しようとする特徴を持っている。
- また、地域政策の観点から、地域活性化と観光客誘致が期待され、地域の経済的な発展の契機として位置づけられている。
- 更に長期的な文化活動を通じて、市民の連帯意識の向上や政治参加を促すことが期待されている。
この調査によれば、一部の都市ではありますが、選定した年に観光客が一時的に増加することによる短期的な経済的効果(ex: 1989年から2011年までの宿泊客数の増加率が、開催の前年より11.4%増加)や、これまではあまり認識されていなかったが、欧州文化首都に選ばれることによって実は文化的にとても魅力的な街だと認識されるというメリットがあるようです。街によっては選定をきっかけにインフラが整備・強化されることもあるようです。
もっともサン・セバスティアンに関して言うならば、バスク地方でも屈指の観光都市なので、知名度、文化的認識度はあまり影響がなさそうな気もします。例えばプラハ、ブリュージュ、ブリュッセルなどのような街は、選定される以前より既に多くの観光客が訪れていたので、特段重要視もしていないとのことです。でもとりあえずどのような雰囲気なのかは興味深いです。そういえば、サン・セバスティアンは「美食の街」としても有名らしいのでこちらも楽しみいっぱいです。
「スペインの最も美しい村協会」の村々へ
photo by Fernando on flickr: Plaza Santillana del Mar
スペインを選んだもう一つの目的がこちら、美しい村巡りスペイン版を開始します。
以前発足したばかりのときにこのブログでも取り上げたことがありますが、やっと本格的に訪れる機会が来ました。バレンシア、テルエルあたりに登録されている村があるようなので、前半のステージで訪れてみようと思います。
photo by Felix on flickr: Panorámica de Valderrobre desde el castillo
旅行期間を通して20弱の村を訪問予定です。
2014年に新しく追加されたフランスの最も美しい村「Navarrenx(ナヴァラン)」
2014年1月にレユニオン島にある村を訪問し、フランスの最も美しい村コンプリートを達成したのですが、なんと2014年7月に「Navarrenx(ナヴァラン)」という村が新しく追加されたため、厳密にはコンプリートでは無くなってしまいました。しかし、この村はフレンチバスクからすぐに行けるところにあるので、今回の旅行で行こうと考えています。ここさえ行けば正真正銘の完全制覇です。
ウェブサイトがとても素敵でした。おそらく観光にとても力を入れているのでしょう。ちなみに「フランスの最も美しい村」への登録は、自ら立候補して申請する必要があることを考えても、その意気込みを感じます。素晴らしい。訪問がとても楽しみです。
世界遺産巡り、通算200箇所目達成なるか
photo by Trevor Huxham on flickr: Teruel Museum / Museo de Teruel
今回も世界遺産に登録されているところを数か所巡る予定です。以下の7箇所は訪問したいと考えています。
- アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区 – (1998年、文化遺産)
- 歴史的城塞都市クエンカ – (1996年、文化遺産)
- ビスカヤ橋 – (2006年、文化遺産)
- アラゴンのムデハル様式の建築物 – (1986年、2001年拡大)
- アルタミラ洞窟 – (1985年)
- バル・デ・ボイのカタルーニャ・ロマネスク様式教会群 – (2000年)
- ビスカヤ橋 – (2006年)
一番訪問が大変そうなのは、間違いなく「バル・デ・ボイのカタルーニャ・ロマネスク様式教会群」でしょう。このためだけにわざわざピレネーの山奥まで行くつもりです。わざわざ行く価値があるかはさっぱりわかりません。それでも今後二度と行くことがなさそうなので頑張ってみます。
頑張るもう一つの理由は、「世界遺産訪問通算200箇所達成」がこの旅行でかかっているから。たかが世界遺産、されど世界遺産。こちらは完全制覇等々は考えてはいないものの、歴史的価値、観光価値のあるのは事実なので、今回も可能なかぎり訪れることにします。
食文化調査:スペインバルとワイン
というと少々オーバーですが、南西フランス、南イタリア訪問で感じた現地の料理の素朴さとその良さを、スペインでも改めて感じてきたいです。以前、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路、ドライブ旅行をしていた時、田舎であまりバルを満喫できなかったので、今回はしっかりと体験してくる予定です。
日本でもスペインバルがいくつかありますが、イタリア料理と同様にアレンジしすぎ感があるので、実際にはそうではないことを確かめられればと思っています。
レストランと違ってスペインバルは、特に田舎の場合、メニュー等がないことが多そうなので、どういう物があるのかを事前に勉強しておく必要がありそうですね。地球の歩き方には写真付きでいくつかメニューが載っているのでこれを参考にはしますが、なんとなくあてにならない予感もしています。
バル・タパスもよいですが、やはり地元の料理をしっかりとレストランで味わうことも欠かせません。特にバスク地方はスペインでも有数も美食エリアと聞いています。バスク地方は、沿岸部と内陸部、そしてスペイン側とフランス側で異なる食文化を形成しているようです。魚からお肉、生ハム(シャンボン・ド・バイヨンヌ)やチーズ、発泡性のワイン(チャコリ)やシードル、デザートもチョコレートにガトーバスクなど充実しているのでしょう。
2011年に訪れたバイヨンヌの市場より yuukoma on flickr
なかでもドノスティア(サン・セバスティアン)は、美食の街で有名だとか。ここではたっぷりと美味しい食事を満喫したいです。レストラン事前調査しておきましょう。
あと忘れてはいけないのがワイン。バスクのすぐ下のエリアであるリオハは、スペインでも有数のワインの名産地。
この地域のテンプラリーニョはとても有名。4年前にも味わったリオハのワインにまた巡り会えるのが楽しみでしかたがないです。今回はお土産で買って帰りたいですね。
プリペイドSIMは空港にありそう
SIMフリーiPhoneに差すプリペイドSIMはもはや旅の必需品。どうやらスペイン、バラハス空港には到着口を出たすぐのところで手に入りそうです。こちらのサイトを参照しました。夜遅くなければ大丈夫そうです。
しかし、フレンチバスクの時はどうしよう。ドノスティアあたりでフランスでも使える安いSIMはあるのでしょうか。
旅の準備はガイドブックにはない情報を事前にウェブでできるだけ集めること
最後に。バルセロナとその周辺、マドリードとその周辺、そして南部のアンダルシア以外の地域の情報は、日本語のガイドブックでは非常に少ないです。しかし、実は日本で見ることのできる外国のガイドブックも、日本のものほどではないしても、バスクや北スペインの情報はほとんどありません。
もちろん現地のインフォメーションにいって聞くなりあるいはホテルのコンセルジュに聞くなどするわけですが、やはり限られた時間の中ではネットでの事前情報収集が欠かせません。航空券やレンタカー、そしてホテルを手配することに関しては、もうほとんど手を煩わすことなくスムーズに進みます。ということで、時間をかけるのはこの観光地の事前調査です。
まだ2ヶ月弱時間があるので、日々の忙しさの合間を縫って、出来る限りいろんなことを調べようと考えています。