ベルリン・フィルは4年ぶりくらいでしょうか。ようやくこの日を迎えました。
こちらのチケット、購入したのは5月、もう半年前なのですね。毎回フジテレビさんが主催しているベルリン・フィルの日本公演では、一般発売の前に事前優先受付(抽選)のご案内をいただいておりまして、今回もそちら経由での申し込み。倍率は不明ですが、幸いな事にSS席40,000円のチケットを入手。
どちらかというと「高い」この値段が妥当かどうかはともかく、この半年間とても楽しみにしておりました。
サントリーホールはかなり久しぶりです。
この日の演奏曲はブーレーズの「ノタシオン」そして、ブルックナーの交響曲第7番。
まずはブーレーズ、ノタシオン。
いかにもブーレーズ的な。もとは彼が若い時に書いたピアノ曲をオーケストラに書きなおした曲であり、現在でも継続してオーケストレーションを続けているとのこと。
正直、よくわかりませんでした(笑)、しかし、独特のお区域のある立体的なサウンド、様々な音の効果、音色を楽しむことができました。
実は私、密かにブーレーズのピアノ曲好きなんですよね。よくわからなくてもその世界観が好き。なんか夜中に静かな部屋で気持ちを無にして聴くのにはなかなかいいんですよね。ノタシオン、録音あったら買ってみようかな。
そして20分ほどの休憩を挟んで、いよいよお待ちかね、メインのブルックナー7番。
生で聴くブルックナーは生涯2回目。大オーケストラの交響曲の大家といえばマーラー、そしてブルックナーなわけですが、僕はその音楽、サウンド、雰囲気、いずれをとってもブルックナーのほうが好きです。というかどうしてあんなにマーラー好きが多いのかよくわからないくらい…。
1時間を超える大曲ですが、ずっと聴き入ってしまっていたので、あっという間の1時間、もう一回すぐこの場で聴きなおしたい!と素直に思いました。お尻はちょっと痛かったですけど(笑)
ベルリン・フィルならでは力強さはもちろんですが、やはりいつもラトルを聴いて感じている「丁寧さ」を、このブルックナーでも感じることができました。
本当にラトルの仕事は細かくて丁寧。これだけの大曲にもかかわらず、曲の至るところまで、その意思や考えを、タクトはもちろんのこと体全体でオケ全体に伝えることができているのが、ただ客席から見ていても見るだけで伝わってくる。本当に素晴らしい指揮者です。
最後の終わり方のタクトさばきも見事。余韻の長さも完璧にコントロールしていました。なんといいますか、お客さんに対しても指揮をしていたような感じでした。観客全員もラトルをしっかりみていて、ラトルがタクトを下ろすまで、息を呑んでオケを見守っていました。
そのため、フライングで「ブラボー」という人はゼロ、聴衆側の雰囲気もすごく良かったと思います!
ところで、パンフレットにはハース版を使用、ということで、2楽章のクライマックスのところでシンバルが無い、という話でしたが、昨日の公演ではシンバルありました。結局ノヴァーク版だったのかな?もっともハース版でもシンバルは「アドリブ」と書いてあるみたいなので、アドリブで使用したのかもしれません。
素晴らしい演奏を満喫した後は、近所のおなじみ「おれんち」で軽くお食事。
一生忘れることのできない一日を過ごすことが出来ました。