第一回 Bitcoinをはじめてみました No.1 の続きです。
7. 取引所はウォレットではないです
ビットコインの取引を行うには、それぞれ選択した取引所に日本円もしくはビットコインを入金しなければなりません。
はじめての場合は当然ながらビットコインを持っていませんから、日本円の入金となります。この際には、各取引所が行う個人認証をクリアしなければいけません。海外の取引所はともかく日本の取引所であれば、例えば運転免許証やパスポートの写真をアップさえすれば、問題なく個人認証をクリアできると思います。取引所それぞれですが、少なくとも1日もあれば終わるレベルでした。
ここで大事なのは、取引所とウォレットは違う概念だということです。
確かに取引所で取引する場合には、取引所に日本円もしくはビットコインを入金する必要があります。そういう意味ではウォレットに近いような気もします。
当然ながら取引所に預けた資産は自分自身のものですが、この資産がさらされるリスクのうち、取引所自体がサイバー攻撃を受ける、破綻してしまう、もしくは不正利用されることによって、自分自身の資産が毀損あるいは喪失してしまうリスクは、自分自身ではコントロールすることができません。このリスクは取引所しか管理を任せる以外ありません。
我々がコントロールできるのは、せいぜい取引所の選択、そしてそれぞれの取引所へアクセスするためのIDやパスワードの管理程度です。
ということで、基本的に多くの取引所では、各人が独自のウォレットを必ず持つように推奨しています。通貨やビットコインを必要以上に置きっぱなしにせず、適宜ウォレットへと移管するように促しています。
Mt.Goxのケースを正しく理解するには、こうした性質や背景を理解しておく必要があります。この事件はあくまでも取引所から不正にビットコインが引き出されてしまったということであり、ビットコインの仕組みそのものがハッキングされたり、破綻したわけではなかったのです。特に日本のマスコミ報道の影響なのでしょうか、この点を誤解している人が多いように感じます。そんな私も、正直今回勉強するまで、この事件を正しく理解していませんでした。
要するに、ビットコイン取引参加者が、取引所への預けておく資産と自身のウォレットへ置いておく資産の管理を適切にしておけば、たとえ取引所が破綻したとしても、被害を最小限に食い止めることができるわけです。だからこそ、必ず各人がウォレットを自分自身で責任持って管理することが大事、他人を完全に信用してはいけないということです。
当然ながら、各人のウォレットもサイバー攻撃を受ける対象になりえるでしょう。しかし、それは自分自身の範疇で管理可能なものであり、完全自己責任の部類に入るものです。したがって、仮にもしサイバー攻撃を受けて自身のビットコインが失われたとしても、誰も攻めることはできませんから、取引所破綻による資産喪失と比較するとはるかに納得いくはずです。
その他、リスクに関しては、以下であらためて議論していきます。
8. 交換所にはウォレットを用意してくれるところが多いが使わないことにしました
結論からいいいますと、上で説明したように「資産保全は自己責任が原則」、これに鑑み、いわゆる交換所的なサービスで多いウォレット機能を備えたところは利用しないことにしました。取引も含めてすべて自己責任で行うことにしました。また、手数料も高く、さらに交換価格が市場価格と乖離しており自身の裁量で決定できない点も使わない大きな理由となりました。
ちなみにビットコインATMなるものもあるようです。試しに使ってみたくはなりますが、せいぜいどのくらい割高なのかを確認する程度でしょう。
9. ウォレットを作成してみました
十分な下調べができましたので、早速行動に移してみたいと思います。まずはウォレット作成です。
私は、当初自分の端末にソフトウェアをインストールすることも検討したのですが、最終的には、比較的導入が簡単で使いやすそうなBlockchain.infoを選択しました。
Blockchain.info | https://blockchain.info/ja/
いろいろセキュリティー面で脅されてはいるものの、世界的にも使用者が多く最も信頼できるウェブウォレットのひとつということで選択しました。
「何を使っているのか」を公開するのはよくないのかもしれませんが、今のところはまだ少額の取引しかしないと思いますので、気にしないことにします。
そうはいっても、このウェブウォレット、物凄いセキュリティー管理だと思います。パスワードはかなり長くしないと”very strong”って言われませんし(私は20数文字にしました)、2段階認証にも対応しております。Google Authenticator対応はとてもありがたいところ。従って私が自分の端末にソフトウェアをインストールして管理するよりずっと安心のような気もします。
ところで、このBlockchain.infoのウェブウォレットですが、iOSやAndoroidにも対応しています。これはセキュリティー的に気になるところですが、これこそ旅行時に簡単に使えますね。
将来どのようにビットコインが発展し、旅先で使えるようになるのかは未知数ですが、このBlockchain.infoのウェブウォレットは、このiOSアプリを用いることで、ある種のプリペイドクレジットカード的な利用ができることになりますから、旅行用に少々の残高を貯めておくと便利なのかもしれません。
そんな当初の目的通り旅行先での用途を踏まえても、ウェブウォレット形式のBlockchain.infoの選択は正解だったと思います。
10. 取引所を選んでみました
取引所を選ぶ上で自分が重要視したのは、
- 日本円対応が容易であること
- 取引量がそれなりにあること
- 手数料が安いこと
「1.日本円対応」は、日本居住者にとっては必須ですね。「2.取引量」ですが、これが少ないと取引が成立しない可能性が高まりますので、期待通りにビットコインを売買することができなくなるわけです。「3.手数料」、これは一番シンプルながら最も大事な理由ですね。
具体的にどのような取引所を検討したのか、私は次の3種類を検討することにしました。
「BTCBox」
まずは、日本で一番取引量があるとされるBTCBox。Mt.Gox破綻後1週間程度で立ち上がった取引所のようです。
BTCbox | https://www.btcbox.co.jp/
日本円対応の取引所の中では、取引量も多いといった感じ。ただ、売り買いともに0.2%の手数料が発生するところが気になるところです。
二段階認証対応。Google Authenticatorが使えます。
「coincheck」
続いて検討したのは、coincheck。比較的新しい取引所のようです。
coincheck | https://coincheck.jp/
これはFacebookでの認証が可能なので認証手続きはもっとも簡単だと言えます。そして、今のところはキャンペーン中につき手数料が0%なのはかなりお得かもしれません。
将来的には上がるようですが…。いまのところ、新しいこともありBTCBoxよりも取引量がやや少ないですが、シンプルなUIと認証のしやすさでこれから伸びていくの可能性も大いにあると思います。結構期待してます。
二段階認証対応。Google Authenticatorが使えます。
「Quoine」
最後は、Quoine Exchange、シンガポールの法人でアジアを中心に展開している取引所。
Quoine exchange | https://www.quoine.com/
非常にハイセンスなUIが特徴。会社のメンバーも外資系金融などで経験豊富な方が多いようです。
特徴は成行注文であれば手数料は0.5%なのですが、指値注文であれば手数料が0%であること。丁寧に指値で売買すればおそらくこれが一番得なのかもしれません。また、ざっと板情報を見る限りでは上記2つの取引所よりもビットアスクスプレッドが小さい印象がありました。
ただし、BTCJPYの取引量はまだまだ少なそうです。どうも前述2取引所のように出来高を公開していないところが気がかりでもあります。
ちなみにここは二段階認証ありますが、SMSでの対応となります。
とりあえず、今回は手数料を重要視して、手始めにcoincheckとQuoineでビットコイン取引を始めてみることにしました。
次回は、第三回 Bitcoinはじめてみました No.3