あの「うなぎ 尾花」へ行った同じ日のことです。
葛飾区郷土と天文の博物館|プラネタリウム
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というところに行ってきました。
いま、このような上映を行なっておりまして、こちらを見に行ってきました。
とっても面白かったです!(企画してくれたうにちゃん、どうもありがとう!)
プラネタリウムそのものは立派で迫力ありましたし、映像は最新のデジタル技術が駆使されていてとっても綺麗、内容もしっかりとしたものでした。
ちょっと場所が不便なんですけれども、ここは大変におすすめの場所に間違いありません。
子供の頃を思い出しながら
さてさて、この「シンフォニー・オブ・ユニバース」を拝見ながらその他にもいろいろと思うこともありました。
まず、自分自身の思い出。
天文や宇宙、こういうの子供の頃から大好きでした。憧れていましたね。小さい頃はこのような本や図鑑をよく読み、地元で開かれた天文教室みたいなものにはたくさん通っていました。
従いましてここで流れた内容自体は子供の頃に身につけた知識で十分通用するものでした。
実際、大学では物理を、素粒子理論というものを専攻していましたが、特に「量子重力」に興味を持っていたので、当然ながら量子力学や一般相対性理論、そして統一理論の候補のひとつとも考えられている「ストリング理論(超ひも理論)」などを勉強していました。
そんな専攻を選んだのも、子供の頃にこの日に見たような天体教育や知識が影響しているのは当然のこと。
本当は風邪がなおりかけで疲れていて眠るかとおもいきや、こうした思い出に浸りつつ、そして映像自体の面白さに見入ってしまい、結局一睡もしないでずっと見入っていました。
アインシュタインに触れていなかった
そんな僕自身の思い出とかはある意味どうでもよくて、本当に言いたいことはここから。(長文駄文毎度ながらスミマセン…)
それは「理論」的な側面について。
上映の内容が理論的に間違ってるとかそういうことではありません。その内容は現代の科学による理解に沿った正確なものだったと思っています。
一番気になったことは、この「シンフォニー・オブ・ユニバース」の中で「アインシュタイン」の名前が一度も登場しなかったことでした。
現代の人類の宇宙観、宇宙についての認識についてを語る上で「ガリレオ」は当然ながら「アインシュタイン」もゼッタイに欠かすことができないはずです。
映像の中で「ハッブル」は紹介しているんです。であれば「アインシュタイン」だって紹介したっていいじゃないかなあ…。
なんとなく「理論」的なことが説明しづらいため、触れにくいのは理解できるんですけどね…。
「どうしてこのようなことがわかったのか」の説明が少ない?
この施設って博物館なので、プラネタリウム以外にも展示品があります。プラネタリウムがある隣のスペースには宇宙の歴史、星の歴史、太陽の歴史に関する展示物がありました。
ひとつ例をあげると、そんななかに太陽の内部構造についての解説のコーナーがあり、そこではこういう図をもとに説明がされていました。
※ Wikipedia「太陽」より引用
同じくWikipediaからの引用となりますが、このコーナーには、上図とあわせて当然ながら以下のような説明書きがなされていました。
太陽はほぼ完全な球体であり、その扁平率は0.01%以下である。太陽には、地球型惑星や衛星などと異なり、はっきりした表面が存在しない。
太陽は、中心核(太陽核)・放射層・対流層・光球・彩層・(還移暦)・コロナからなる。可視光にて地球周辺から太陽を観察した場合の視野角と概ね一致するため、このうち光球を便宜上太陽の表面としている。また、それより内側を光学的に観測する手段が無い。太陽半径を太陽中心から光球までの距離として定義する。光球には周囲よりも温度の低い太陽黒点や、まわりの明るい部分であるプラージュと呼ばれる領域が存在することが多い[8]。光球より上層の、光の透過性の高い部分を太陽大気と呼ぶ。プラズマ化した太陽大気の上層部は太陽重力による束縛が弱いため、惑星間空間に漏れ出している。海王星軌道まで及ぶこれを太陽風と呼び、オーロラの原因ともなる。
※ Wikipedia「太陽」より引用
こうした説明は子供の頃に図鑑などで見たものと同じ内容だと思います。
本格的な内容でかつ現代の科学に基づいた理解を、子供でもきちんと理解できるように書かれていることはとても素晴らしいと思います。
それでもやっぱりしっくり来ないことがある。
それは「どうしてこのようなことがわかったのか?」ということ。その説明はどこにもない。
「なぜ」の背景にある理論についての言及がない
日本の教育ってどうしてもこの手のものが多いんです。「事実を正確に伝えること」に関しては素晴らしいのに、「なぜこの事実が判明したのか」ということがあまり伝わってこないんです。
今の太陽を例にとると、
「どうして観測機も飛ばしていない(おそらく飛ばせるわけない)にも関わらず太陽の内部構造があたかも内部を掘り下げて調べたかのごとくわかるのか」
これに明確に答えられますか?
Wikipediaに答えがすぐ載っていますのでもったいぶらずに早速引用させて頂きますと、こうあります。
太陽は光球より内側が電磁波に対して不透明であるため、内部を電磁波によって直接垣間見ることができない。太陽内部についての知識は、太陽の大きさ、質量、総輻射量、表面組成・表面振動(5分振動)等の観測データを基にした理論解析(日震学)によって得られる。理論解析においては、太陽内部の不透明度と熱核融合反応を量子力学により推定し、観測データによる制限を境界条件とした数値解析を行う。太陽中心部の温度、密度等はこのような解析によって得られたものである。
※ Wikipedia「太陽」より引用
要するに「理論解析」より判明したということのようです。その理論解析の基礎となっているのはやはりというか量子力学、そしてもちろんその他基礎物理が用いられているようですね。
この「理論解析」自体を理解するためには、大学、大学院レベルの物理の知識がいるので一般の方が理解するのはとても難しいと思いますが、少なくともここまで触れないと「なぜわかったのか」ということに対する回答にならないでしょう。
「想像」し「予言」する力の源はなんとなく伝えてもいいのでは
こうした「理論」があるからこそ、直接みなくても、直接太陽に穴を掘らなくても内部構造が理解できるということは、軽くでもいいから触れてほしいなあと思いました。
そして、こうした理論を利用して「想像」「予言」をしてきた人類の、先人の偉大さも伝えてほしいなあと思ったわけです。
だからやっぱりどんな方法でもいいから「アインシュタイン」には触れてほしかった。
少なくとも「宇宙の年齢は137億年である」と映像内で伝えているのであればなおさらでしょう。
どうして宇宙の年齢がわかるんだろう、それに真摯に答えるためにはその背後にある理論を導いた「アインシュタイン」「一般相対性理論」への言及はゼッタイにあるべきだと思うんです。
確かにこの手の理論って伝えるのが難しいし、考え方によってはかえって混乱するから触れないほうがいいという考えもあるかもしれない。
それでもやはり「なぜ」の背後にある事実、人類の偉大なる成果は何らかの形できちんと子供たちに伝えてほしい、これこそ今回のプラネタリウムや博物館鑑賞で一番感じたことでした。