ドイツと飛び地巡り2015年秋 番外編2:クルマに関する小話

ドイツと飛び地巡り2015年秋
ドイツと飛び地巡り2015年秋海外ドライブ関連

観光編以外にも数回にわたって、ちょっとした小ネタを書いてみます。今回も「ドイツの運転事情、道路事情」の続きです。

ドイツと飛び地巡り2015年秋 番外編1:ドイツの運転事情「アウトバーン」https://www.yuu-koma.jp/?p=9506

人の出口とクルマの出口のドイツ語はちょっと違う

海外旅行の時、特に英語圏以外の場合、「入口」「出口」の現地語表記は知っておいたほうがいい、ということは旅行好きな方たちならよくご存知かと思います。例えばフランス語なら“ENTRÉE ”、“SORTIE”ですし、イタリア語なら“ENTRATA”、“USCITA”ですね。英語圏でもイギリスなどでは出口を“WAY OUT”と言ったりもします。結構国によって違うんですですよね。

さてドイツ語では、入口を“EINGANG”、出口を“AUSGANG”と言います。

ところが、ドイツの場合、クルマの出入口については若干言い方が変わります。[highlight]クルマの入口は“EINFAHRT”、クルマの出口は“AUSFAHRT”[/highlight]と言うんです。

“fahren”はドイツ語で運転するという意味。ということで、このような言い方になるのでしょう。(ちなみにこの写真撮ったところがオランダ国境にも近いのでオランダ語の「Uitrit」もありますね。)

“GANG”と“FAHRT”だから大した差はないのですが、実は以前にベルリンでこのことを知らなくて駐車場からなかなか出られなかった経験をしたことがあります。ベルリン中央駅からレンタカーを借りた時です。その時はドイツで借りるのが初めてだったのですが、中央駅の大きな駐車場から出ようとした時、ずっと“AUSGANG”と書かれている方向に行っても全く出口にたどり着けませんでした。

何故だろうと不思議に思っていたところ“AUSFAHRT”という案内を発見、これでようやく出ることができました。

なんだかどんくさい話ですが、ヨーロッパの駐車場は狭いこともあり、時々どこがクルマの出口なのか、車内からだと分かりづらいことがあるので意外とありえなくはないことだと思います。ということで、レンタカーを借りる際はクルマ版出入口の表現を知っておくと便利でしょう。

なお、ドイツ語圏以外の国では人とクルマの出入口の表現は同じだったと思います。

黄色い菱型の正体

ドイツに限らずヨーロッパ各地で一般道を運転していると、この「黄色い菱型」のマークを頻繁に見かけます。

日本では見ないですね。

これは、今走っている道路が[highlight]「優先道路」[/highlight]であることを表す道路標識です。直線道路を走ってる時や交差点に入る時によく見かけます。交差点に差し掛かると自分から見て左右の方向からクルマが入ってくるように見える訳ですが、自分が走っている道にこの黄色い菱型マークがある場合は、こちらに優先権があるため、一応侵入車の様子を確認しつつも、そのまま徐行や停止をせずに走り続けることができます。

なお、自分が走っていない方の道には、赤い逆三角形マークがあります。こちらは逆に「前方優先道路・徐行」という意味。このマークもヨーロッパでは頻繁に見かけます。特に「ラウンドアバウト(ロン・ポワン)」の前にほぼ必ずあります。

これについては以前blogでも書きました。

日本にはあまりない標識「前方優先道路・徐行」は非常に大事! - ヨーロッパドライブ豆知識 ? https://www.yuu-koma.jp/?p=8117

日本の道路ってヨーロッパのようにどちらに優先権があるのかをはっきりと示す標識が少ない気がします。

昨年道交法が改正され、日本でもラウンドアバウトが可能になったようですが、まだまだそのルールが徹底されていないようでトラブルも多いとか。したがって、普及までの道のりはまだまだ長そうです。しかし、こうした黄色い菱型と赤い逆三角形標識がもっと普及すれば、ラウンドアバウトのルールはすぐ理解できるし、なによりも[highlight]優先権がはっきりするため、運転のマナーが向上するのではないか[/highlight]と思っています。

燃費表示が100kmあたり○リットルが多いわけ

ドイツ車を含む外車乗りの人ならば、クルマの燃費表示のデフォルトが上の写真のように「7.6l/100km」というようになっていて、ちょっと

ややこしいと思った経験があるかもしれません。

日本だと「20km/l」という表示が一般的。しかし、ドイツでは「7.6l/100km」という表示が一般的でしょう。

これはなぜか?あらためて考えたのですが、実はドイツのように「7.6l/100km」、すなわち「100kmあたり○リットル」という表示が多いのは、[highlight]日本よりも長距離移動が多いことに起因する[/highlight]からではないでしょうか?

例えば、日本式でいうところの「15km/l」(1リットルあたり15km走る)クルマがあったとします。ドイツ式で言い換えると「6.7l/100km」(四捨五入)ですね。同じ数字を分母分子逆にして言い換えただけです。

ここで、このクルマに乗って400km先までドライブすることを考えます。このとき一体どのくらいのガソリンが必要でしょうか?

まず、日本式を用いた計算では、[highlight]「400km ÷(15km/l)」[/highlight]を計算することになります。

一方、ドイツ式を用いた計算では、[highlight]「6.7l/100km × 400km=6.7l × 4」[/highlight]を計算することになります。

どちらも小学校レベルの計算ですが、どちらの方が暗算しやすいかを考えると、[highlight]ドイツ式のほうが暗算しやすいのではないでしょうか?[/highlight]

日本式では割り算を行わなければなりません。しかし、ドイツ式では掛け算ないし足し算で事足ります。足し算や掛け算のほうが暗算はずっと楽なはずです。

おそらく日本では「効率」を表す数値をすぐ知りたいがために「1リットルあたり○km」という表示が好まれるのでしょう。しかし、ドイツでは、日本人ほど暗算が得意でないという影響もあるかもしれませんが、クルマはあくまでも遠くまで移動することが主目的であり、したがって、目的地までたどり着くためにはどのくらいの燃料が必要かを先に知りたいから、「100km走るには○リットル必要」という表示が好まれるのではないでしょうか。

僕も初めはこの分母分子が逆な表現はしっくりこなかったのですが、ヨーロッパドライブを始めて長い距離を移動するようになった時、確かに今では100km走るには○リットル必要」という表示の方が、どこで給油したらいいか等の計画を立てやすいなあと思います。

なんでしょうね。実用よりも、性能とか高機能なことをまず主張する日本のメーカーと、あくまでも実用を重視するドイツのメーカーの文化との違いのようなものも感じます。

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