2016年GW スペインの旅 No.17:バスク地方の小さな街「ゲルニカ」

スペイン・バスクの旅2016年GW
スペイン・バスクの旅2016年GW

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念願叶う訪問。バスクの小さな街へ。

訪問日時:2016年5月1日、午後1時頃

あのゲルニカの現場へ

「ゲルニカ」、おそらくこの言葉、地名を知らない人は少ないと思います。言わずと知れたピカソの代表作「ゲルニカ」、ゲルニカとはスペイン・バスク自治州にある小さな街。スペイン内戦時代の1937年4月26日、フランコによる反乱軍鎮圧を目的とした空爆がこの小さな村を襲いました。

このことは当時のヨーロッパでも大々的に報道され、国際社会から数多くの非難を浴びました。そんな非難や抗議の一環として描かれたのが、有名なピカソの作品「ゲルニカ」です。

ゲルニカは、バスク自治州の主要都市ビルバオの東、クルマで1時間弱の場所に位置しています。街にたどり着くには、高速道路を降りてから、少々癖がありアップダウンもある一般道を30分ほど進む必要があります。Googleマップで見ても道が入り組んでおり、そして緑の地帯が多いことがわかるかと思います。

なお、ゲルニカの街には鉄道の駅があるので、ビルバオからのアクセスは良いのかもしれません。(私はクルマでの旅なのでこの辺りの情報は調べていないのでよくわかりません。)

そして晴天のなか街へ到着。今回のスペイン旅行、意外と寒いことが多かったのですが、このバスク地方は湿度も高く気温も高かったため、ここは半袖での観光が可能でした。

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駐車場は、街の中心からほど近い場所に大きいところがあったため、特段苦労することはありませんでした。

平和で穏やかなゲルニカ

ゲルニカはバスク地方の小さな町、休日ということもあって開いているお店はほとんどなく、せいぜい飲食店くらい。それでも飲食店すらあまり多くない印象。日差しの強い午後でしたが、風は爽やかでとても静か、居心地は最高でした。

路上駐車の多い通りを進み市庁舎のあるフエロス広場へ。

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こちらが市庁舎です。もちろん今日は祝日なので閉まっています。しかし、当たり前のように国旗が掲揚されている光景、ヨーロッパ、いや世界ではごくごく自然な光景と言えるでしょう。

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ところで、(各所の観光を終えた後)帰り際でしたが、小腹が空いていたので、バル(カフェ)で、このバスク地方発祥のピンチョスをいただきました。

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これが見た目以上に美味しい!ピンチョスはビルバオのグッゲンハイム美術館でも頂きましたが、ここでも美味しかった。2日後に訪れる予定のサン・セバスティアンがとても楽しみです。

観光には大変力を入れている様子

小さい待ちながらも世界的な知名度バツグンのこの街には、世界中からたくさんの観光客が訪れるようです。その関係もあるでしょう、とても観光に力を入れている雰囲気が伝わってきました。観光をどれだけ重視しているのかは、

観光客も多かったと思います。これは市庁舎のあるフエロス広場前にある観光案内所でもらった地図。

非常に見やすくてよく出来ています。ゲルニカ訪問時には必ずここを訪れましょう。ただし、シエスタ訪問時は閉まっていますので要注意。

ビスカヤ県議会

ゲルニカは、小さい街ながら博物館は数多く、いずれもそう大きくはありませんが、十分見る価値のある博物館がいくつかあります。我々はそのうちの「ビスカヤ県議会(Bizkaiko Batzar Nagusiak Juntas Generales de Bizkaia)」と「エウスカル・エリア博物館(Euskal Herria museoa)」の2箇所を訪問しました。ただし、シエスタで閉まる前だったので、かなり駆け足の観光となってしまいました。

はじめに向かったのは、「ビスカヤ県議会」、入場無料、入り口でパンフレットを貰ってから自由に観光ができました。非常に観光客が多かったです。

まず、ここで一番有名なのは、バスクの象徴といえるこの木、とても有名なのだそうです。写真のものは、2代目の「ゲルニカの木」、1700年に植えられたものでもうすでに枯れているのですが、このような形で大事に保存されています。

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一方で、うっかり現在の木を見逃していました。いや実際は見てるはず、見てもそれと気がつかなった…。これを書くために見ていた現地でもらったパンフレットを見てその存在に気がつきました。

ということで、現在のゲルニカの木の写真が残っていませんでした。休日(メーデーでした)で混んでいた、(言葉からするとドイツからの)団体客でごった返していたんですよね。ちょっと残念でした。

ところで、ここは「ビスカヤ県議会」という名前からもお分かりの通り、議会場なのですが、実はバスク自治州ビスカヤ県の議会場なのです。その議会場の内部を見ることができました。

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ビスカヤ県で最も大きい街「ビルバオ」に県議会があるわけではないのが面白い。これにはれっきとした理由があります。このゲルニカは、まさにバスクの象徴ともいえる重要な街であり、かつ伝統もある、というのがその理由とのことです。この県議会上の由来は中世の頃に遡るそうです。

この議会場も非常に素晴らしい内装で印象深いですが、その議会場の隣りにあるステンドグラスの間も大変美しくて豪華です。

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このステンググラスは1985年にビルバオの企業から寄贈されたそうです。

エウスカル・エリア博物館

続いてやってきたのは、ビスカヤ県議会のすぐ隣りにある「エウスカル・エリア博物館」、バスク地方の民族博物館です。ここは撮影禁止なので、パンフレットと簡単な文章でしか紹介できません。県会議場は14時からシエスタなのですが、ここは幸いシエスタは14時30分から。ということでわずかの時間でしたが観光することができました。

ここはかつて中世の頃は街を守る塔だったそうですが、19世紀になってモンテフエルトという貴族のお屋敷となり、現在は一般市民や観光客に開放、バスク地方の歴史や文化を伝える博物館となりました。展示品で印象的だったのは、バスク地方でさかんなスポーツの一つ「バスク・ペロタ」の紹介corner、そしてバスク出身の作曲家の紹介コーナーだったでしょうか。

作曲家のコーナーには、あのモーリス・ラヴェルの展示がありました。もちろんラヴェル以外の作曲家にも展示がありましたが、すみません、知らない方たちで記憶に残っておりません。なお、それぞれの作曲家が作った曲のサンプルをヘッドフォンで聴くことができました。ラヴェルについては「道化師の朝の歌」の管弦楽曲版を聴くことができました。

なお、ラヴェルはスペイン・バスクではなく、フレンチ・バスク出身なのですが、この2日後に実は彼の生まれ故郷に行きましたので、また後の投稿で紹介する予定です。

ゲルニカのレプリカ

さて、エウスカル・エリア博物館がある通りからほど近いところに、あの「ピカソのゲルニカ」のレプリカ・レリーフがあります。この街のひとつの名所にもなっているといっても過言ではないでしょう。

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大きさは実物大?いやそれよりも小さかったイメージがあります。

ちなみに、マドリードのソフィア王妃芸術センターにある本物は写真撮影禁止だったはず。写真撮影ができるのはもしかしてここだけかもしれませんね(笑)。

このあとの予定を考慮すると、ゲルニカの街歩きは以上といったところ。再び中央広場に戻り、駐車場へと向かいました。

再訪は必要かと

それにしても、今回、いやいつもなのですが、かなり強引で欲張りな日程にしてしまったこと、ゲルニカ到着が13時だった(14時から16時までシエスタになるため、この2時間の間一切観光ができない)こともあり、あまりゆっくりすることができませんでした。本当に地方ではシエスタやっかいです。

しかし、あらためて現地で取得したパンフレットや地図を見ると、ゲルニカ、そして近くのビルバオはもっともっと見ておけばよかったところが多いことがわかりました。

例えば、最初に通ったフエロス広場にあった「ゲルニカ平和博物館」とか。ここも14時から16時までシエスタで入れませんでした。

これは絶対に再訪が必要かと思います。このあと紹介しますサン・セバスティアン、そして、以前に紹介したカンタブリアの観光は、あらためて仕切りなおしたいと思います。ちなみに強引な日程の元凶はサン・セバスティアンのホテルの少なさ、高さもあったんですけどね。

スペインの万里の長城にちょっとだけ寄り道

この後は、同じくバスク州にあるヴィトリアへ向かう予定でしたが、少しだけ寄り道、ゲルニカから20分ほどのところにある「サン・フアン・デ・ガステルガチェ教会」という絶景スポットに行ってみました。その光景から、海の上に浮かぶスペインの万里の長城とも呼ばれているとかいないとか。

ところがここはとても人気スポットでとても混んでいた、かつ駐車場がこの島(橋)からかなり離れていたため、しかたなく崖の上から眺めるのみの観光となりました。

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クルマを離れたところに停めて、さらにこの小さな島にある教会まで歩いて行ったら日が暮れてしまいそうだったからです。なかなか時間に余裕のある日程は立てられないものです。欲張りだから行けないのでしょうけれど…。

少々寄り道となりましたが、予定通りヴィトリアの街を目指します。1時間30分ほどかかりそうです。(続く)

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