2017年4月 スペイン西部とポルトガルの旅 第4部:その他の訪問地編No.12 -マドリードのソローリャ美術館

2017年4月 スペイン西部とポルトガルの旅
2017年4月 スペイン西部とポルトガルの旅

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訪問日時:2017年5月5日、午後3時頃

2017年のスペイン・ポルトガル旅行の最終日はマドリード滞在。

クルマはアトーチャ駅ですでに返却。午後1時くらいにクルマを返して一度ホテルへチェックイン。観光できる時間は半日弱と限られていましたが、これまで行ったことがなかった美術館に行こう、と選んだのがこの「ソリーリャ美術館」。

ソローリャは19世紀バレンシアに生まれたスペイン外光派の画家。外光派といえばフランスはル・アーブル出身のブーダンが有名ですが、スペインにも外光派画家がいたことは今回はじめて知りました。少し市内中心から離れた静かな区画にこの美術館はあります。たしかプエルタ・デル・ソルからバスで向かった気がします。

外光派に関してはこちらの投稿などをご参考にして見てください。

2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」 1-6章:印象派フェスティバル ル・アーブルのアンドレ・マルロー美術館

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美術館は小さな洋館のなかにあります。まず入口を入り、お庭を通過して建物の入口へ。入口でチケットを買います。

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最初に通される部屋は、陶器のコレクションがずらりと並ぶパテオ(家の中にある庭みたいな広場)。アンダルシア地方の光のイメージを感じさせる展示、だとチケット購入時にもらったパンフレットに書いてあります。まだこのパテオは建物の外、離れというべきところにあるのですが、こちらを一通り鑑賞してから続いて建物の中へと入ります。本格的な絵画鑑賞の始まりです。チケットのチェックはこの建物に入るときにされます。

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まず最初の部屋へ。人も少なく静かで落ち着いていました。

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さてソローリョ作品ですが、フランス・ノルマンディ出身のブーダンの作品と比較すると、明るい雰囲気には共通しているものを感じますが、タッチやコントラストがはっきりとしていて、色彩もより強い印象を受けました。

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ところでこの美術館、各部屋には、それぞれの部屋に展示されるすべての作品の解説が書かれているボードがあり、しかも各解説が適切な長さなのがさらに素晴らしかったです。こうした解説パネルはどの美術館でもよく見かけますが、現地語や英語で長いものが多いので、なかなか現地で読んで理解するのは難しかったりしますよね。

たとえばこちらの絵を例に見てみますと、スペイン語ではなく、勉強のため&自分が読めるフランス語で恐縮ですが、簡単に訳もつけてみました。(一部難しかったので意訳しています。)

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解説パネルはこちら。中央部右側に上の写真の作品の解説があります。

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Le bain du cheval, 1909

Huile sur toile

Il s’agit probablement de l’une des toiles les plus important du peintre, œuvre du Sorolla le plus apprécié et populaire, celui de la la lumière éblouissante, des plages de Valence.

Sorolla réalise un tableau monumental à partir d’une scène quotidienne légère : un jeune homme, probablement fis d’un pêcheur sort de la mer en tirant le cheval qu’il a conduit dans l’eau pour le rafraîchir. La lumière intense, les éclats sur la peau de l’animal et du jeune homme, les reflets de l’eau sur la plage de sable montrent la maîtrise et le plaisir de la peinture que Sorolla avait atteint en 1909, I’une des meilleurs époques de sa production.

(おおよその訳)

この作品は、ソローリャの作品、絵画の中でも最も評価されそして人気のある、眩しい光、バレンシアの海岸の眩しい光を表現した作品です。

ソローリャは記念碑的作品を、日常の柔らかい光でもって実現しました。描かれている若い男は、おそらくキラキラと輝く海面上に馬を引きながら現れた漁師の息子でしょう。強調された光、この動物とこの若い男の皮膚の輝き、そして海面の水から発せられる反射からの輝きは、この絵の見事さと喜びを表現しています。ソローリャが、この作品を描いたのは1909年、彼の最盛期の頃の作品です。

一部うまく訳せなかったものもありますが、このくらいの流されあれば現場にいてもある程度は理解することができると思います。(英語版ももちろんこのくらいの長さなのでそれをご想像ください。)

この解説パネル、各部屋ごとに少し構成が違うのもまた面白い点。こちらの部屋ではこのように実際の配置とともに確認することができる仕様になっています。

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なお、この美術館は洋館を改装して作られたものなので、インテリア自体を楽しむこともできます。

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ゆっくり鑑賞しても1時間あるいは1時間半程度で鑑賞が可能。何度も訪れているマドリードですが、こんな素敵な美術館もあったことにあらためて知り、幸せいっぱいです。今回は半日観光でしたが、またマドリードを訪れる機会があったらこのような小規模でここちのよい美術館を中心に訪れてみたいなと思います。(続く)

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