訪問日時:2018年5月8日、午後2時頃
美術館巡り最後の巻。
最近のパリはもっぱら特別展巡りが中心
美しい村巡り、これだけフランス旅行をしているとパリを訪れる機会は自然と増えるもの。何回目かは忘れるくらい。ほぼ毎回フランスを訪れるたびに立ち寄っています。
もちろん今でも主要な観光地、シャンゼリゼ、エッフェル塔、ルーブル美術館、ノートルダム大聖堂など、を訪れることはあるのですが、最近は、とりわけパリ市内に点在する比較的小さめな美術館:例えばジャックマール・アンドレ美術館、マルモッタン美術館などで開催されている特別展(フランス語でExposition、ちょっと英語と違う)を巡るのが楽しみになっています。
どのような特別展が開催されているかという情報は、主に「パリ市観光局公式ガイド」というウェブサイトから取得しています。
URL: パリ市観光局公式ガイド
あとは直接各美術館のサイトを見たり、観光関連のツイートを見たりして探すことが多いです。
マイヨール美術館でレオナール・フジタ特別展
今回最初に訪れたのはマイヨー美術館で開催されていたレオナール・フジタのこちらの特別展。
この美術館に訪れるのははじめてでした。区画的にはオルセー美術館の南側といったところでしょうか。サンジェルマンデプレの西側にあたるエリアですね。路地裏に良さげなレストランやカフェがありながらも主要な観光名所があるわけではないので比較的人は少なく落ち着いているところがよいです。ちなみにお気に入りのショコラティエ「Jacques Genin」はこの美術館の近く。
冊子に日本語がありました。現地語で勉強したいとも思ったのですが半ば強制的に渡されたのでまあよしとしましょう。
混雑具合、思ったよりも人がいたと思いました。後述しますがこの日は祝日だったせいでしょうか。SNSでつながってるパリ在住の知人のお話では初日は空いていたそうです。個人的にはこうした特別展っていつも地元の人で人気なのかなあと感じていました。昨年秋に訪れたマルモッタン美術館の特別展、たしかに大変人気の高い印象派関連の特別展でしたが、大変混み合っていたのでこうした印象を持っていました。
とはいえフジタの特別展はそのときほどの混雑ぶりではなかったです。
日本画風の雰囲気を線の細いタッチを醸しながらも、しっかりと西洋的な技術も踏襲し、独特の雰囲気を表現している彼の絵には何度も感動させられますね。
ちなみにこの作品:
確か昨年冬に開催されていた千葉にあるDIC川村記念美術館での特別展でも展示されていました。常設の作品もあったはずです。また箱根のポーラ美術館にもよいコレクションがあったと記憶しています。ここでもかつてフジタの特別展を見たことがあった気がします。思った以上にレオナール・フジタの作品に触れていたことをあらためて確認しました。
付近でランチタイム
さてレオナール・フジタ展を鑑賞し終えたところでランチタイム。よいところはないか、いつものようにTripAdvisorで近隣検索。
さすがの区画といいましょうか、よいレストランがたくさん検索されてきました。なかでも特に評判が良さげなレストランが2件、うちひとつはミシュラン一つ星に選ばれていました。しかし両方ともこの日のランチタイムはお休み。残念。
そんななか選んだのはこちらのお店。TripAdvisor的にはまずまずの評価も目立たない路地裏に位置している、そしてまだ早い時間帯だったせいか、店内は客ゼロ、僕だけでした。夕方までたっぷり時間があるので軽くワインを飲みランチメニューを注文。
ランチとはいえどパリ市内にしてはなかなかリーズナブルなお値段、味も決して悪くなかったです。人気界隈のありふれたレストランと比べらたらずっとよかったのでないでしょうか。
プティ・パレ、パリ市立美術館でオランダ人画家の特別展
続いて訪れたのはプティ・パレにあるパリ市立美術館。
ここでは、アムステルダムのゴッホ美術館、デン・ハーグ美術館、そしてここパリ市立美術館の共催で、1789年から1914年までにパリを舞台に活動していたオランダ人画家の特別展が行われていました。対象となっていた画家は以下の通り。
- Gérard van Spaendonck (1746 – 1822)
- Ary Scheffer (1795 – 1858)
- Johan Barthold Jongkind (1819 – 1891)
- Jacob Maris (1837 – 1899)
- Frederik Hendrik Kaemmerer (1839 – 1902)
- George Hendrik Breitner (1857 – 1923)
- Vincent van Gogh (1853 – 1890)
- Kees van Dongen (1877 – 1968)
- Piet Mondrian (1872 – 1944)
大まかな感想としては、印象派前夜から近代抽象画までの歴史をカバー、それぞれの時代を生きたこれらの画家たちは、その時々の影響を受けつつも、独特の雰囲気を醸し出していた、それを感じることができたのが最も面白かった、という点です。個人的には、Maris、Breitnerの作品が特に好きになりました。
ところでパリ市立美術館ですが、特別展を終えて無料スペースに飾られていた絵の中に、クールベ作品が結構ありました。なかなかの充実度でかつ質が高く迫力のある絵が多い!
クールベについては、昨年2年前に彼の生まれ故郷オルナンを訪れています。
オルナン訪問時の自分の日記:2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」 3-5章:オルナンとクールベ美術館、印象派展
わざわざ前半のノルマンディ印象派フェスティバル鑑賞後にジュラ地方へ、彼の作風が印象派誕生のきっかけになった、ということを学んだ旅でもありました。
終戦記念日のパレード
ちなみに本当は朝一番でパリ市立美術館に行きたかったのですが、この日は終戦記念日(第二次世界大戦でドイツが降伏した日)でフランスは祝日でおやすみ。そして午前中はシャンゼリゼ通りで大統領のパレードが行われるためシャンゼリゼ周辺で交通規制がありました。その関係で午前中はシャンゼリゼにあるプティ・パレあたりも封鎖されており、美術館に入ることができませんでした。
番外編:パリでの駐車場、いまはGoogle Map アプリで簡単に検索可能!
この日はコンピエーニュからパリへ。終日パリに駐車していました。駐車場をどこにするのかは難しいところですが、最近のGoogle Map アプリは、周辺の駐車場検索もできます。目的地周辺にて検索ボックスに Parking と入力するだけで周辺の駐車場を検索してくれます。
しかも、前述したとおりこの日は終戦記念日、パリ市内で記念式典があったこともあり、市内の一部が交通規制がかかっていました。しかし、こうした当日の交通規制と工事区間も含めた情報はほぼリアルタイムでGoogle Mapは反映してくれるようになっています。
おそらく更新頻度はパリなどの都会でないと高くはないでしょうが、ルート検索でも完全ではなさそうでしたがある程度はこの交通規制を考慮しているようなので大変助かります。
今回の旅行の美術館巡り編はこれにて終了。もう少しだけ2018年5月フランス小旅行記録は続きます。