訪問日時:2019年4月30日、午後2時頃
モデナの次の目的地は同じくエステ家の下で発展したフェッラーラでした。世界遺産です。ルネサンス時代にはフィレンツェと並び称された街並みは、エステ家によって切り開かれました。この時代にはイタリア中から多くの芸術家がこの街に集ったいうことです。
一旦ボローニャへ戻り再び北上
モデナとフェッラーラはさほど遠くはないのですが、以下の地図のように、北西モデナ、北東フェッラーラ、南ポローニャという逆三角形となっているのですが、モデナ・フェッラーラ間だけ高速道路がありません。
Google先生によると一般道で行くよりも高速で一旦ボローニャ近郊まで戻り、そこから北東のフェッラーラに向かった方が早いということなのでそれに従いました。
駐車場探しには相当苦労しました。モデナとは対照的に公共の大きな駐車場が旧市街徒歩圏内に全く見当たりませんでした。カテドラーレやエステンセ城付近にある駐車場は市営のもので、係の人がいてその人に鍵を預けて駐車するタイプ。
信用はできなくはないですが、さすがにパスポート現金カードの類は置いていけないです。もっとも地方都市は都会と異なり治安的には比較的安心できるので、街歩きでもパスポートはいつも持参しています。
カテドラーレ
カテドラーレ、カテドラーレ美術館は残念ながら改修中で見ることができませんでした。一番の見どころだっただけにがっかりでしたがこればかりはどうしようもありません。
エステンセ城
フェッラーラ旧市街で一番印象的でありすぐさま目に飛び込んでくるのがこのエステンセ城です。名前の通りエステ一族の居城でした。建設が着手された1385年当時は防衛目的でしたが、完成期の16世紀には優雅なフレスコ画で装飾された内装、美しい中庭を有する豪華な居城でした。こちらは無事に入ることができました。
フレスコ画は本当に美しかったです。
天井のフレスコ画はご覧のように部屋の中央に鏡が置いてあるため、上を向かなくても鑑賞できるよう工夫されていました。ただ直接上を見たほうがよかったと思いました。
エステンセ城の塔の上に登ることができました。ここからの街の眺めはとても素晴らしいものでした。
とはいえ、全体的には正直物足りない印象が強かったお城でした。
ディアマンティ宮殿
さてフェッラーラの街を歩いていると、現在、街の北側にある「ディアマンティ宮殿」で、ボルディーニという画家の特別展のポスターがあちこちで目に止まりました。印象派風肖像画の画風がとても素敵だったので、見に行ってみることにしました。
ご参考:特別展のサイト
ボルディーニは19世紀後半から20世紀前半に活躍したフェッラーラの出身の印象派画で、パリにて特に社交界で活躍する人たち、女優、作家、作曲家の人物画を多く描いていることで大変有名な画家です。彼が描いた人物の中には、イタリアのオペラ作曲家ジュゼッペ・ヴェルディなどもいます。
彼の画風は、美しいモデルさんがオペラで着るような衣装を現代風に着こなしている様子を、まるで写真のように描くいているのが特徴。写真、といいましたが、実は20世紀になってモデルさんがいろいろな着こなしをしてポーズをとる、という概念は彼の作品も大いに影響を与えていると言われているそうです。
一部の作品は撮影禁止であったものの、大半の絵は写真撮影OK。展示にはおそらく彼の代表作も多くあったようです。いかんせん日本語のウィキペディアでも掲載されるくらいの絵が多くあったくらいですから。
彼の作品以外に実際にモデルが着ていたとされる衣装やアクセサリーの展示もありました。
非常に量も多く、見ごたえある素敵な特別展でした。
フェッラーラはカテドラーレが改修中で見学できなかったこと、エステンセ城の見ごたえが(フレスコ画はすばら祭買ったのですが)いまいちぱっとしなかったこともあってか、一番最後に見たボルディーニの印象がすごく強く残った街でした。いずれにしてもカテドラーレとカテドラーレの隣の美術館はぜひとも再訪の機会を設けたいです。