訪問日時:2016年5月3日、午後4時頃
フランシスコ・ザビエルは地元の名士、お坊ちゃま?
日本人にとってはとっても有名な聖人の故郷へ
ハビエルというとぱっとしないかもしれません。「ザビエル」と発音したほうがしっくりくる?そう、ここは、戦国時代に日本にキリスト教をはじめて伝えた人物として、ほとんどの日本人が知っている「フランシスコ・ザビエル」の出身地です。
彼の出身地は、スペイン・ナヴァーラ地方の荒野にぽつんと佇む小さなお城。ここは、主要都市からも国道からもやや離れた不便な地にありますが、知名度のせいでもあるでしょうか、地球の歩き方にも掲載されるなど、もしかすると日本人にはポピュラーな観光地なのかもしれません。かくいう私も地球の歩き方を見て知りました。
具体的な場所はパンプローナから30分ほどのところです。
本当になにもないところです。高速を降りてからここまで至る道には街すらありませんでした。
シーズンオフなのか、不便なせいなのか、来る時間が遅かったせいなのか、はわかりませんが、到着した時は、我々以外に観光客はゼロ、と思ったら1台の観光バスが停まっていました。でも結局このグループしかいなとてもひっそりとしていました。それにしては駐車場がとても広かったです。
駐車場からお城までは少し離れていたので5分ほど歩く必要がありました。
駐車場そばにはザビエルさんの像が。はるかとおくの何処かを見つめておりました。
このような道を歩きながらお城へと向かいました。
スーパーマリオみたいな城
そしてお城に到着。それほど大きくはありませんが、なかなか雰囲気のある良いお城です。それにしてもスーパーマリオブラザーズの面をクリアしたときに出てくるお城になんだか似ていますね笑。旗も立っていますし。
城の前の広場はとても広かったです。遠くにザビエルの肖像画があります。何かを説いています。
さてお城の中を見学。まずは隣にある礼拝堂の見学。ここは1901年に増設されたところだそうです。
続いて、このようなお城の入口から建物内部へと入ります。いい感じの入口です。
入口でパンフレットをいただきましたが、やはりというか強制的に英語版をいただきました。助かるといえば助かるのですが。
このパンフレットはとても小さいながら効率よく出来ているなあと思いました。観覧ルートの案内図もわかりやすいし、
お城の歴史に関する記述もとてもシンプルでまとまっています。聖ザビエルに関する記述もありますね。
このパンフレットによりますと、お城の原型は10世紀末にまずは中央部に現在も名残りのある塔が造られ、その後、増築を繰り返し、14世紀ころにはおよそ現在の形になったようです。ちょうどザビエルのお母さんの所有となった頃だそうです。しかし、この城の所有がナヴァラ王国に移ると、この城は長い間放置されてしまいました。19世紀ころまでまったくの放置状態だったようです。
日本的な展示品が充実
お城の中は基本的に博物館となっていましたが、展示品のほとんどは聖ザビエルの東洋での布教活動に関するものでした。聖ザビエルはこの城で1506年4月7日に生まれています。若いころはパリのソルボンヌ大学で学んだそうです。そして、彼がイエズス会の使命を負って中国、日本に向けて旅だったのは1541年のこと。
城内の展示には、彼の日本での布教活動の様子を、人形等で説明していました。英語の字幕もあるのでわかりやすかったです。ただちょっと暗くて不気味でしたが笑。
聖ザビエルについては、とりあえず日本にキリスト教を布教した人、という程度の知識はありましたが、実際どのように日本国内で活動していたのかはまったく知りませんでした。まさかこの地で、そんな日本における布教活動の詳細を勉強することとなるとは。
さらにここには、当時(なのでしょうね)の日本におけるイエス様、マリア様の肖像画(と読んで良いのだろうか?)も展示されていました。極めて日本的、東洋的でありながらも、その信仰の深さを感じます。こちらは本物なのかどうかは不明ですが、当時の様子を知るにはうってつけの展示と言えるでしょう。
また、日本における不況の様子を描いた絵も展示してありました。しつこいようですがこれは本物、当時のものなのかは不明です。
その他、彼の手紙、そしてこの城についての展示も充実していました。
もちろん西欧的(と言うとなんだか変ですが)な宗教がもいくつか飾ってありました。
決して広くはないのですが、見応えは十分。特に日本に関係しているということもあってか、非常にじっくりと展示品を鑑賞することになり、思った以上に充実の観光となりました。
それにしても、こんなスペインの荒野で生まれ育った異国の人物が、キリスト教のために生涯を捧げ、祖国からはるか遠く離れた国を訪れ、そして、祖国へ戻ることなく亡くなられた、当時の時代背景を考えると、驚くべきことだと思います。今で例えるなら火星にでも布教しに行くようなものです(それはオーバーすぎか笑)。
いずれにしても、クルマがなければどこに行けるのかわからないような地で、日本的文化を感じさせる観光地があることに少々驚きつつも感銘を受けた次第です。
ハビエル城観光はこれで終了。どうにか閉館ギリギリの18時30分(入場は17時30分まで)に間に合いました。しかし、まだナヴァーラの地は明るい、あともうひとつ観光地に立ち寄ってから本日の宿泊地「ウエスカ」を目指します。(続く)