訪問日時:2018年7月18日、午後4時頃
この日3箇所目の世界遺産です。イヴァノヴォの岩窟教会群は、ルーマニアとの国境にあるブルガリアの街「ルセ」から南20 km にあたるルセンスキ・ロム川沿いにそびえる岩だらけの堤にある、保存状態の良い美しい中世のフレスコ画で知られている教会群です。ちなみにルセはこの日の宿泊地。この日はブルガリア観光最終日でした。
イヴァノヴォの岩窟教会群は、1979年に世界遺産認定されたということで現在数多くある世界遺産の中でもかなり古い部類に入るのですが、このところ執筆でとても参考にしているブルガリア・オフィシャル観光サイトでは、なぜか世界遺産リストの中に入っていていないですね…。
インターネットやガイドブックの写真を見ると、明らかに高い断崖の上に建てられてることがすぐわかるのですが、Googleマップに導かれ現地まであと数kmとなっても全くと行っていいほど山が見えてこない、10km以上にも渡って見渡すことができる木立の低い森と草原しか見えてこないのです。
しかし、さらに現地に近くなったとき、まるでクレバスのような谷が目の前に飛び込んできました。ここを下ると目的地の岩窟教会群に到着、つまり山に造らえた、というよりも、渓谷の中に造られた、ということだったわけです。
ということで、渓谷の下までクルマで移動。入口あたりにクルマを停めます。小さな小屋があってそこでは飲食、軽食やおみやげなどを売っていましたが、教会群のチケットはどうやら、ここからまた渓谷を登っていたところにある実際の教会の前で購入することになっていました。ということで、頑張って渓谷を登ります。
大きくルートは2つあって、一つは近道だけど坂がきついルート、もう一つは遠回りだけど坂は緩やかなルート。我々は緩やかルートで教会に向かいました。
思ったよりもブルガリアは湿度があったので汗を書いたと思います。それでも渓谷の上の方は風が強かったので、半袖では少し寒かったと思います。
岩窟教会には、ガイドさんがいて、彼に入場料を支払います。
英語も話せるので英語で時折内部の説明をしてくれます。英語の簡単な説明パンフも貸してもらえます。
ちなみにこの日のガイドさんは、日本に留学経験(確かつくばとおっしゃってた)があるので、少しだけ日本語も話せました。日常会話程度なら問題ないくらいのレベルでした。彼によればかなり辺鄙なこの場所でも日本人観光客はよく訪れてくるとのことでした。
岩窟教会はとても狭く天井も低いです。入り口では頭上注意です。中は天井が低い行っても普通にあることができる高さです。
この狭い洞窟内一面に、ご覧のような鮮やかなフレスコ画がくまなく描かれています。
我々が見学したこの岩窟教会は1936年にフランス人考古学者によって発見されました。教会内に残る色鮮やかなこれらのフレスコ画は、第二次ブルガリア帝国(1220年-1410年)の時代、1360年頃のものだとされています。
なお、この岩窟教会の寄進者である第二次ブルガリア帝国の王イヴァン・アレクサンダルと側室のテオドラが入り口左側の壁に描かれています。しかし写真を取りそこねた?どれだかわかりませんでした。
なお、見た限りでは全くわからないのですが、実はこれらのフレスコ画全体には、水の浸食による損害を防ぐため、透明なニスが塗られているということです。そのおかげで我々が鑑賞できるというわけですが、ニス塗ってしまってもよいものなのでしょうか、と少々不安になってしまいます。
帰りは坂が急な近道ルートで駐車場へ戻りました。ちょうど午後5時過ぎだったでしょうか。ここから国境の街ルセへと向かいブルガリア最後の夜を過ごすことになります。