訪問日時:2014年1月26日午後1時頃
昨年の5月に、およそ4年かかってヨーロッパ本土にあるフランスの最も美しい村を完全踏破したわけですが、それでもどうしても明らかに「完全制覇!」と言いづらかったのは、こちらの村「Hell-Bourg(エル・ブール)」があったから…。
ここだけ「ヨーロッパの本土」にはないんです。
もう訪問は諦めかけていたのですが、偶然にも公私で縁あって、この冬の時期に1週間のお休みをもらえることになったため、これはチャンスだと一大決起、南半球に浮かぶ小さなこの島を訪れることにしました。
こうして、ついに最後の美しい村「Hell-Bourg(エル・ブール)」への訪問が実現したのです。
エル・ブールには、現地到着2日目に訪問。前日は深夜の到着、その翌日、レユニオン島の玄関口「ローラン・ギャロス空港」で、いつものようにクルマを借りて一番最初に向かったのがこの村でした。
ちなみに気温はこの時点で37度。とても暑いです…。
エル・ブールのある「サラジーの谷」への道のりは、レユニオンにある3つの谷の中でも一番アクセスしやすいのですが、それでも狭い山道を運転していかなければいけません。
実はこの日、美しい村へ向かう道で土砂崩れがあったため、交通規制がされており、途中1時間くらい待機させられましたが、無事にお昼くらいにこの村に到着することができました。
一旦サラジーの街にたどり着くと、ルートが2手に分かれており、美しい村エル・ブールに向かうには「左側」のルートを選びます。大渋滞していたクルマのほとんどはみなびっくりするくらい「右側」のルートを選んでいました。エル・ブールに向かうのは僕一台くらいでした。
その分岐点から10分弱で、エル・ブールに到着しました。標高は900mくらい。天気はあいにくの曇りでしたが、雨は降っておらず、時折晴れ間も見えるので一眼レフによる写真撮影には影響がなさそうです。
まずは村を一望できる高台へ、そして写真撮影。ついに完全制覇、感無量のショットです。
多くの美しい村と同様、目抜き通りはたった1つ。ここに縦列駐車をして散策開始。
レユニオンをはじめ、その隣にあるモーリシャスに住む3、4割を占める「クレオール」と呼ばれる人たちは、先の植民者たちが連れてきた奴隷の子孫や、18世紀、19世紀頃からこれらの島で生まれ育った子孫のこと。
そして、彼らが独自で築き上げた家のカタチ、デザインは、概して「クレオール様式」、もしくは「クレオール形式」と呼ばれています。
エル・ブールもこのクレオール様式の家々が点在している村です。
カラフルなパステル調の色あい、そして軒に架かる対称的なデザインの紋章が、クレオール様式の特徴の一つといえるでしょう。
ここであまりにもお腹が空いていたので、昼食を取ることにしました。どうやら見回したところ美しい村にしてはレストランが充実しているようです。
しかし、やはり日曜日でほとんど閉まっていたわけですが、幸い1軒だけあるホテルのレストランが開いていたので、そこで地元のクレオール料理をいただくことにしました。
レストランからの風景。軒に架かる紋章的なデザイン、クレオール様式の特徴のひとつです。
こちらは店内の様子。
注文したのは、「ルーゲイル」というカレーのようなクレオール料理。こちらは「鴨のヴァニラ煮込み」。
そう、ヴァニラはレユニオン島の名産品の一つ。特にレユニオンのヴァニラは高級で風味豊かだとのことです。
お肉料理にヴァニラとは初体験。ヴァニラの豊かで甘い香りと鴨肉の組み合わせは絶品でした。
昼食後は、ややメインストリートから離れたところにある「フォリオさんの家」に向かいました。
ここは、約350年前にこの島に渡ってきたフォリオ家の子孫が現在も住んでいる家、建物は19世紀頃の典型的なクレオール様式で、家の内部を5ユーロで一般公開しています。
内部の様子。本土から遠くはなれているとはいえ、やっぱりフランス的だなあと思わせるような内装。
素敵な刺繍に彩られたベッド。
どうやらフォリオさんのご子孫が、フランス語でガイドをしていたようです。我々はフランス語がわからないので、自分のペースで鑑賞していました。
気がつけばもう、午後の3時を回っていました。思った以上に滞在してしまいました。
ちなみに翌日になりますが、サン・ジル・レ・バンという街のおみやげ屋さんで、エル・ブールの建物が描かれた絵本を見つけたので、思わず買ってしまいました。
こことここですね!
ということで、素敵なクレオール様式の家々が点在するエル・ブールをもって、今度こそ正真正銘「フランスの最も美しい村完全制覇」を達成いたしました。
長いようであっという間の4年間だったと思います。既に美しい村巡りの続編も決まっていますので、これからもずっとヨーロッパドライブの旅は続きそうです。行ける時に行っておかねば!
公式サイト:Hell-Bourg (commune de Salazie)
ところで、これで通算157箇所の村を訪問したことになりますが、今公式サイトから数えてみたところ、登録されている村は全部で156箇所なっており、自分が訪れた数よりも1つ少なくなっているようです。
入れ替えが度々起こっているようですね。
いったいどこだろう??