訪問日時:2019年4月27日、午後4時頃
到着2日目、観光日としては初日の27日、最後の観光は、ラツィオ州にあるカプラローラという街でした。ここはイタリアの最も美しい村に選ばれております。ローマからも50kmとそう遠くないのですが、公共交通機関がどの程度あるのかは不明です。もちろん僕はクルマでの訪問です。
この街はルネサンス期後期にトリエント公会議の招集で知られるローマ教皇パウルス3世(本名:アレッサンドロ・ファルネーゼ)が、枢機卿時代に立てた形が五角形の特徴的な宮殿「パラッツォ・ファルネーゼ」があります。
この日は非常に天気もよく観光日和。ここへ訪れる直前は同じくイタリアの最も美しい村に選ばれているチヴィタにいました。チヴィタからは1時間弱の距離だったと思います。
街は丘の上にあり、その丘の上の頂点にパラッツォ・ファルネーゼがあります。村の入口からパラッツォまでは、所狭しとクルマが路上駐車されている長い上り坂一本道が続いています。この道はパラッツォが建設された当時の投資計画で設定された道ということです。
坂道を登りきってパラッツォ内部へ。五角形の形は、この時代要塞の建築様式としてポピュラーだったようですが、ここは要塞というよりはまあ宮殿、住居目的で造られたということです。当時五角形の形は権力を誇示するという意味合いもあったようです。
もっともパウルス3世の生前は1階建て部分しか建設されなかったようですが、彼の死後、彼の孫で同名のアレッサンドロ・ファルネーゼの依頼で、1559年より建築家ヴィニョーラによって現在の姿に改築されました。 なお、ファルネーゼ家は1731年に断絶、その後この宮殿はブルボン家に引き継がれましたが、現在はイタリア政府により管理されています。現在は博物館として一般公開されています。
入館は5ユーロ、到着は午後4時過ぎ、どうにか入ることができました。基本、遅くとも午後5時前に入らないとクローズされてしまうところが多いですから。観光客はそこそこいましたが、夕方であること、そして知名度等の理由からでしょうか、チヴィタほど多くはなかったです。
内部の装飾は、前述の教皇の孫であったアレッサンドロ・ファルネーゼが手動で当時の一流の建築家、芸術家によってなされました。時代的にはルネサンス後期にあたるということ。さすが教皇を排出している家だけあって、非常に豪華絢爛でした。
部屋数もとても多かったです。
建物は3階構造、印象的だったのは上の階へと上がる螺旋階段の装飾。
地図の間があるなど、どことなくヴァチカンに似ているのはやはり教皇出身の家だったからでもあるのでしょう。まるでヴァチカンを見学しているかのようでした。
テラスとパラッツォのある丘からみた村の景色も大変美しかったです。
ちなみに宮殿の裏手にはそこそこの駐車スペースがありました。しかし、上の方まで行っても駐車場があるのかよくわからなかったので、宮殿へと続く一本道の坂の一番下の方に駐車をしてから、頑張ってパラッツォまでの坂道を登っていくことにしました。一度ここまで登ってきてもよかったかもしれません。今後訪れる際の参考に。
見ごたえある教皇排出の名家の宮殿が存在する最も美しい村は、見応え充分、訪問する価値が大いにある素晴らしい場所でした。