訪問日時:2016年7月16日、午後5時頃
カルヴァドス県の県庁所在地カーンへ
この日最後の観光は、カーン(Caen)というノルマンディ地域圏カルヴァドス県の県庁所在地となっている街にある美術館。この日はこの街に1泊します。
この街へやってきたのは初めて。今回の目的はカーン城の敷地内にあるカーン美術館(Musée des beaux-arts de Caen)で開催されている、ノルマンディ印象派フェスティバル関連のイベント「フリッツ・タウロウ回顧展」(FRITS THAUROW PAYSAGISTE PAR NATURE)です。
カーンの街に到着したのが午後4時30分頃、美術館の閉館は午後6時でしたので、ほぼギリギリの入館となりました。駐車場はカーン城の真下の大きなところに停めました。街自体も大きかったので、街中はかなり渋滞、それも遅れた原因となりました。
駐車した後、お城へと渡る橋をわたり美術館へ。
チケット売り場は美術館入口から少し離れたところにありました。
北欧出身の印象派画家「フリッツ・タウロウ」
フリッツ・タウロウは、1847年にオスロで生まれの印象派全盛期にフランスで活躍したノルウェー人画家。1874年にパリにやってきました。奇しくもこの年にパリでは最初の印象派展が開催されました。その後はフランスを中心に活動、1892年、パリに永住することを決意。その後は主にヨーロッパ中を旅しながら絵を描いていたそうです。ちなみに彼は5か国話せたそうです。
今回の展覧会は、オスロ美術館との協賛、合わせて61作品を展示、最初の大規模な回顧展ということです。
彼の絵は自然の風景がメイン。その絵の色合いは今でもなお失われていません。特に彼の水に関する絵にはとても定評があったようです。この特別展でもフィーチャーされていました。
また、北欧ノルウェー出身ということもあって、冬の日差しの当たる光景にこだわっていたのも彼の特徴と言えます。このモチーフを主体にしたコーナーもありました。
ただこうした彼の環境的でかつスポーティー(雪の中絵を描くからかな?、現地でもらったパンフをほぼ直訳してます)なスタイルは、モネには受け入れられなかったようです。ガチのアウトドア派、体育会系の画家だったのかもしれませんね笑。彼の雪景色を描く画風が評価されるためには、20世紀になるまで待たなければなりませんでした。
彼の全盛期は19世紀から20世紀に移り変わる頃、20世紀になってからは、夜の風景を描くことにチャレンジしたそうです。印象派が、主に、外光派ブーダンからの流れでは昼間の明るい光景の描写を特徴としてるので、このスタイルとは対照的な試みと言えます。この特別展では、この夜の光景をフィーチャーしたコーナーを用意していました。
同じ外で絵を描くことを基本とする印象派時代に活躍していたとはいえ、北欧出身ということもあるのでしょうか、他の印象派とはまた一線を画した画風は大変興味深く、感銘を受ける絵がとても多かったです。閉館1時間を切っての入館でやや飛ばし気味に鑑賞したのですが、とても充実した時間を過ごすことができました。
常設展もなかなかよかったです
ちなみにゆっくり見ることはできなかったのですが、同じ料金で常設展見ることができました。ルーベンスの絵があったりとこちらもなかなか充実していました。
今回は印象派フェスティバル関連のイベントをできるだけ多く訪問したかったので、カーンやカーン郊外の観光はあまりできませんでした。この常設展を改めてゆっくり見ることも含めて、またノルマンディを訪れる機会があったらば、カーンに立ち寄ってみたいと思います。(続く)