2018年7月ブルガリア・ルーマニア、ルーマニア編その1:首都ブカレスト

2018年7月ブルガリア・ルーマニア
2018年7月ブルガリア・ルーマニア

訪問日時:2018年7月19日、午前11時頃

ドナウ川を超えて最初に向かったのはワラキア平原中央にあるルーマニアの首都。国立美術館が素晴らしかった。市内移動はUberが絶対おすすめ!

ドナウ川を超えてルーマニアへ

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ブルガリアのルセを午前9時に出発。広大なドナウ川を超えてルーマニアへ初入国。ルーマニアの南側はワラキアと呼ばれています。川を越えると一気にその雰囲気が変わりました。ブルガリア側は岩とか山の多い地形でしたが、一方のワラキアは高い山など一切ない遠くまで見通すことができる広い平原。

言語も違います。ブルガリア語はキリル文字が使われるのに対し、ルーマニアはアルファベット。ルーマニア語はラテン語系でイタリア語に近いと言われています。たしかこんばんは、はボナセーラだったと思います。川を越えるだけで地形だけでなく文化も大きく違うのはとても印象的。それだけこのドナウ川の規模が昔の人にとっては大きかったということなのでしょうか。

ブカレスト市内、あの国民の館の前にクルマが無料で停められる

さてブルガリア・ルセからブカレストまではおよそ1時間30分程度の距離。そう遠くはありません。

ブルガリアのルセを出発する前に、ブカレストの駐車場事情をあらかじめGoogle Mapで調べておいたのですが、どうも今回ブカレスト訪問の一番の目的である「国民の館」の目の前が無料の駐車場となっているではありませんか。本当なのか、不安でしたがとりあえずナビの目的地として設定して向かってみることにしました。

まず驚いたのは、ブカレスト市内を南側から入り、目的地(国民の館の前の駐車場)あと1kmに差し掛かっても、まったく国民の館の姿が見えてこなかったこと。写真やガイドブックで見た限り相当大きいので遠くからも見えるものなのかと思いきや全くそうでもない。しかし残り500mを切り最後の道を左折したところ、ようやくその巨大な建造物の姿が見えてきました。国民の館の正面左側から来たことになります。

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さて正面へと到着、すぐさま無料駐車場の正体が判明。確かに正面の巨大な広場にたくさんのクルマが停まっている。特段ゲートなどもなく自由に入れる。相当広い、一体何台駐車できるのだろうか。確かに多くのクルマが停まっていましたが、これだけ広いと駐車し放題。ある意味とても便利でした。

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これでいいのか、とは思いますが。しばらくはブカレスト観光、クルマで来ても困ることはなさそうです。

国民の館、ガイドツアー申し込み

さて国民の館ですが、一般観光客はどこからはいるのか。特に案内もなかったので最初はわからなったのですが、数組の観光客が正面から見て右側の方向へと移動していくのについていくと、正面から東側のフェンスを300mほど歩いたところで中に入れる入り口がありました。国民の館関係者の車両が入る入口でもありました。

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ここから建物の内部へと入ることができます。中に入ると広めのスペースが有り、少し奥に行ったところに受付があります。

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電光掲示板がありガイドツアーの開始時刻と対応言語(ルーマニア語、英語、ドイツ語、フランス語など)が表示されているので、これをみて希望の時間帯を決め、受付で手続きを済ませます。

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UBERでカンタン・リーズナブルに移動

ブカレストの街はかなり大きいです。徒歩での移動は非常に大変でしょう。しかもこのときの季節は7月で暑い、蒸し暑いです。意外と東欧は蒸し暑かったです。移動は公共交通機関がよいのですが、正直最寄りの地下鉄駅やバス停が遠かったりします。そこで今回も我々はUberを利用してみることにしました。ヨーロッパで使うのはプラハ以来でしょうか。

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ブカレスト市内にはUberに登録しているクルマが多数走っています。場所にもよりますが10分も待たずに迎えに来てもられます。我々は国民の館から国立美術館まで、10分程度で移動できました。お値段もたった250円程度。下手に一日乗車券を買うよりもずっとお得だと思います。

国立美術館が非常に充実

建物は北側がルーマニアの宝物が展示されているルーマニア国立展、南側がルーマニアの近代画家の作品を中心としたヨーロッパ美術展となっています。この国立美術館のコレクションの多さ、そして質の高さに感銘を受けました。まずはルーマニア国立展側から見学、続いてヨーロッパ美術展側を見学しました。

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ルーマニアはブルガリア同様に正教会側に属しています。敬虔なキリスト教国家であったので、国内には多くの教会があり、イコンを中心とした作品も数多く存在します。さすがラテン系の民族だけあって、ブルガリアと比べると、より明るく華美でアートな雰囲気が強いと感じました。それにしても見事な展示が多くて驚きです。

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絵画についても、その質の高さに驚きです。フランドル絵画、バロック後期から印象派、そして近代画も多くありました。

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これらのほとんどがルーマニア人画家によって描かれたもの。ルーマニアの芸術界もヨーロッパの主流の絵画の流れをしっかりと捉えている、ここへくるまで全く知りませんでした。

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本当に素晴らしい作品が、しかもかなりの多さに感動しました。ブカレスト、すごいです。

ランチタイム、少し高め

さて、民主化から30年あまり、まだ街なかには共産党時代の雰囲気が残っているとはいえ、活気ある首都ということで、旧市街の再開発も進み、西ヨーロッパ風のお店も増えているブカレスト。美術館鑑賞後、国民の館のガイドツアーまでまだまだ時間があったので、中心街で軽めのランチをすることにしました。

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あまりゆっくりでも困るので、やや軽食っぽいこちらのお店を選択。美味しかったのですが、ルーマニア・ブルガリアの物価からするとちょっと高かったか。西ヨーロッパと同じくらいのお値段でした。

国民の館、ガイドツアー

ランチをとった旧市街から、国民の館に隣接する公園を通過して徒歩で再び国民の館へと戻ってきました。

1500億円もの巨額な費用で建築したこの国民の館ですが、各ヨーロッパに点在する絶対王朝時代の宮殿をモチーフに造らえたということで、確かに内装は豪華なのですが、そのハリボテ感がすごかったです。ヴェルサイユ宮殿のような豪華絢爛さ、というよりもどことなく無感情で無機質な雰囲気のほうが強く感じられました。

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17世紀、18世紀の建築の規模と比べると、20世紀に造られたこともあって、とにかく広く大きすぎる部屋、高すぎる天井にもかかわらず、無理に何百年前もの宮殿を真似たせいか、かなり違和感ある広さになっていると思いました。

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とにかく部屋が多すぎて、だんだん見飽きてきます。建物の装飾、デザインは凝っているのですが、あまりアートな雰囲気がしない。アートな雰囲気であれば、よっぽど先程訪れた国立の美術館のほうがよかったです。

最後に国民の館のテラスから、かつてチャウセスクがパリのシャンゼリゼ通りを真似て作った大通りを見渡しました。確かに眺めは良いのですがどことなく虚しい気がしました。

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しかしこれはなにも気のせいではなくて、チャウセスクは生前ここで大衆に向けて演説することを夢見たそうですがその願いは叶わず革命で首都を追われてしまい、結局、ここから市民に向かって発声できた最初の人物は、皮肉にもマイケルジャクソンだったそうです。と、ガイドさんが言ってました。

今回の旅行は日程もあまり長くないこと、ブルガリアの方に重みを置きたかったこともあって、ルーマニア滞在の時間が十分に取れませんでした。その関係で、ブカレストは駆け足の観光に。国立博物館と国民の館のみになってしまいました。しかし、それ以外の美術館、博物館も豊富、また正教会風の建築物も多く点在している大変魅力的な街なので、正直1泊してしっかりと観光したかったです。ルーマニアはまた訪れたい国のひとつなので、次の機会にはしっかりと時間を取れるように計画したいです。

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