訪問日時:2019年4月27日、午前10時頃
今年もゴールデンウィークを利用して2週間ほどの旅行をしています。イタリアは2015年9月以来となります。今回はイタリアの中央部をティレニア海からアドリア海に渡って旅をしてきました。州で言えばラツィオ、トスカーナ、ウンブリア、マルケ、そしてエミリア・ロマーニャです。
トスカーナとウンブリアは、12年前の2007年に一度訪れていますが、その頃はまだヨーロッパドライブの経験も浅かったこと、南側も一部観光したので、主要都市数箇所を訪れただけでした。
その前に:はじめてのeSIM
その前に準備編を簡単に書いてみます。いつもはレンタカーのことを書くのですが、もういろいろ書いていますので今回はSIMについて。
今回のイタリア旅行ではヨーロッパでは初めてeSIMを使ってみることにしました。iPhone XSから初めて導入されたeSIM、日本でのキャリアによるサービスがどの程度始まっているのかよくわかっていませんが、海外での利用はすでに始まっているという話を出発前に聞きました。ということで、比較的ヨーロッパに強く安いと評判のUbigiを利用してみました。
Ubigiのサイト:https://ubigi.me
確かにイタリアは1ヶ月3GBで15ドルは大変お得です。
設定に関してはIDの作成はもちろんですが、iPhone側でも設定がいろいろと必要です。
設定方法の参考サイト(Apple):https://support.apple.com/ja-jp/HT209044
使い勝手ですが、都会ではLTEがほぼ入り快適。田舎では3Gが中心ですが、やや遅さを感じたもののほぼ問題なく使えます。ただし圏外になることもしばしば。現地で購入するプリペイドSIMが断然優れていることに変わりはありませんが、出発前にすべてネットで手続きすることができるので非常に楽です。
現地の空港、ホテルのWi-Fiのもとでの各種手続きは心配なので、3GBは1ヶ月有効ということを考慮して、日本で事前に購入し、設定していきました。
世界遺産、チェルヴェーテリとタルクイーニアのエトルリア墓地遺跡群
さて本題に移ります。
今回の旅は、ローマから北に1時間ほどのところにあるタルクィーニャという街からスタートです。イタリアへの到着は前日の26日。先にローマ入りしていた妻と空港で待ち合わせ、そこでクルマを借りて、ティレニア海沿いを少し北上。サルディーニャ島やコルシカ島へ向かうフェリーが発着する街「チヴィタヴェッキア」に一泊した後、そのチヴィタヴェッキアから1時間弱のところにある「タルクイニア」という街にやってきました。天気は快晴。
城壁に囲まれた街。まずその外側に駐車エリアがあったので、クルマをそこへ停めて観光スタート。
ちなみに今回はちょっとわけありで大変ゴージャスなクルマを借りております。
なお、もうひとつの登録世界遺産である「チェルヴェーテリ」は、前日のイタリア到着時に行こうと思ったのですが、ドバイからの乗継便が1時間近く遅れたこともあり、時間が足りなくなってしまい、訪問することができませんでした。翌日行っても良かったのですが、今後の予定を鑑みてあきらめ、タルクィーニアのみ訪問することにしました。
さて、この街にはローマ共和国以前よりイタリア半島に住んでいたエトルリア人が残した墳墓の遺跡があり、これが世界遺産になっています。遺跡があるのは城壁に囲まれた街の外側。街の中心からは徒歩10分から15分位離れたところにあります。
ローマから北へ1時間ほどのところにあるローマ帝国以前よりこの地に住んでいたエトルリア人の巨大墓地遺跡です。発見は19世紀とのこと。エトルリア人は芸術性の高さで知られており、後にこの半島を支配するローマ人に多大なる影響を与えました。 こちらがその入口。チケットをここで買って中に入ります。
この日は土曜日とあって、思った以上に観光客が多かったです。バスなどでツアーで来る人が多いようですね。言葉はイタリア語だったのでイタリア人観光客なのでしょうか。それにしてもヨーロッパの人は遺跡とか大好きだなあといつも思います。
巨大墓地遺跡は、まるで街のようになっており、広い区画のなかに計画的な配置で点在しております。
以下の写真のような入り口が多く敷地内にあり、それぞれ地下にある(おそらく埋まっていた)墓のある空間(部屋)まで続く階段があります。
このスペースに描かれた多くの絵は紀元前5世紀から3世紀ころに描かれたもので、この時代のエトルリア人の芸術力を知る上で大変貴重なものだということです。詳細な説明書きがそれぞれの墳墓の入口に、このようなプレートに書かれております。英語表記もしっかりとありますのでとても便利です。
墳墓に描かれた絵画をみた印象ですが、詳しいことは素人なのでよくわからないのですが、なんとなくギリシャともローマとも違った雰囲気、そしてどことなくややデフォルメ化されているあるいはイラストっぽいような印象も持ちました。
階段には常に電灯がついていますが、墓地の部屋はこうしたスイッチを押すことでライトがつき、中を見ることができます。
墓地は非常に多くあり、これみよがしに見ることができますので、全部見るとかなりの時間がかかるでしょう。我々は3分の2弱見学したと思います。
街もとても美しい、そして考古学博物館も大充実している
墳墓の見学に続いて、街の中にも行ってみることにしました。はじめは遺跡くらいしか見どころがないのかと思っていましたのですが、街自体が意外と規模がありそしてとても美しかったです。
さらにこの街の考古学博物館が非常に立派でした。まず建物がもともとの領主の館だったということもあって大変美しいです。
この博物館には、タルクイニア近郊で発見されたエトルリア人の墳墓遺跡から発掘された棺、宝物、そして壁画の一部が保管されています。ものすごい多くの展示物があって大変見ごたえがありました。
特に棺に関しては非常に大きくそして芸術的であって、これだけ立派なものを間近で見れるのはそうないのではと思います。
思った以上によい街でもう少し長居したかったのですが、路上駐車の申請を2時間しかしていなかったため、観光初日ということもあり交通違反等に巻き込まれるのが心配だったがゆえ、駆け足で市内にあった博物館を見て街を去りました。大変悔やまれました。街自体はもう一度行きたいと思いました。前日はこの街に泊まったほうがよかったですね。多数ある再訪希望リスト入りしたこと間違いなしです。